夏野菜のボス! なすの知られざるポリフェノール『ナスニン』で健康に!
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年中でまわりますが夏から秋にかけての路地物が旬でおいしい季節です
夏の風物詩『なす』
くせのない味で何とでも組み合わせられるため、和洋中を問わず広く使える食材として、重宝される野菜です。水なす、賀茂なす、子なす、米なす、長なす・・・様々な種類と産地の滋味を楽しむのも通な味わい方ですね。
なす特有の美しい紫色の部分は、豊富なアントシアニンが含まれています。これは天然色素であるポリフェノールの一種で、なすから抽出したものを『ナスニン』とよびます。ナスニンは紫の皮の部分に多く含まれていて、ナスを美味しく美しく見せるだけでなく、人の健康にも大いに貢献してます。
アントシアニンを多く含む赤ジソやブルーベリーなどと同様、眼の網膜にあるロドプシンの再結合に働きかけるため、眼精疲労の回復に役立つと言われています。また、なすのヘタを焼いた『なすの黒焼き』は、歯槽膿漏にきく化学薬品を使わない天然の歯磨きとして今も販売されています。
夏野菜なので体の熱をとる効果に加え、ポリフェノール『ナスニン』の眼精疲労改善や強力な抗酸化作用がうれしい食材です。できるだけなすの皮をむかずにいただきましょう!
ヘタが緑で黒がベースの米なす 日本のなすはヘタも濃い紫
夏野菜なのにお正月に登場!なにゆえ『一富士・二鷹・三なすび』?
原産はインドのなす。日本には奈良時代に中国から伝わり、そのころからお漬け物などに使われ、古くから日本人に親しまれた野菜のひとつです。
『なす』という名前の由来は『早く実が成る』ことからだそうです。ちなみに英語では『Eggplant』といいます。丸なすの卵のようなカタチから名付けられたみたいですね。
お正月があけ初夢に見ると縁起がよいと言われているのが、『一富士・二鷹・三なすび』。富士は日本一の山でもあり不死・無事の意味もあります。鷹は『高い』もしくは『つかみ取る』というイメージでそれぞれ縁起を担いでます。
ではなぜ『なすび』?と思っていた方も多いのではないでしょうか。『なす』は、『早く実が成る』ことと『成す』という音から『成功』を想起する縁起物ということです。
様々な解釈がありますが、家康の隠居して駿府に居を変える際に、駿府(静岡市)の名産を挙げて側室を説得したという話もあります。この時代からすでになすは美味しくて人気の野菜だったのでしょうか。
高貴な紫のナスの花
色も形もいろいろ『なす』
同じ『なす』の仲間でもいろいろなカタチの『なす』があります。それぞれの『なす』の特徴と主な調理法をご紹介します。
【長なす】
長なすと言っても、長さは様々ですが、中くらいのものが一般的に流通しているものです。果肉がやわらかく、煮たり焼いたりと和洋中いろいろな料理に大活躍してくれます。
【丸なす・賀茂なす】
丸なすの中でも京野菜の賀茂なすが有名です。いずれも果肉がしっかりしていて、まろやかな味です。焼きもの
にしたり、漬け物
、田楽などによく使われます。
【米なす】
アメリカで栽培されていたブラックビューティーという品種を改良したものです。実がぼってりと大きく、ヘタの部分が緑色をしているのが特徴。大きめでカタチが良いので、そのまま縦に切って焼いたり、中に食材を詰めたりする料理に適しています。
【水なす】
卵型のなすで、手で絞ると水がしたたるほど水分が多いのが特徴です。浅漬けなどの漬け物に最適です。
なすは灰汁があるため、本来は生食には適さないが水ナスは水分を大量に含みほのかな甘みもあり生食が可能です。大阪の泉州地域の泉州の水なすは産がさかんで有名。
【カプリス】
イタリア原産のナスの一種で、紫に白い縦縞がまだらに入り美しいです。似た品種に『ローザビアンカ(ロッソビアンカ)』と呼ばれているものもあり、こちらも同じように薄い紫に白が混じった感じの色をしています。
ヘタの部分は米ナスと同じ緑色です。大きさは米ナスほどで、持った感じずっしりと重みがあり、張りがありしっかりとした弾力を感じます。表面はつるっとしていて艶があります。ステーキからラタトゥイユまでトマトソースとの相性が抜群です。
カプリス このほかにも白やグリーンの茄子もあり種類が豊富です
なすとミートソースとホワイトソースとたっぷりチーズのグラタン!ギリシャ料理『ムサカ』
おいしいなすの選び方は、へたで鮮度を判断します。へたにとげがあり、実につやがあるものを選びましょう!
保管は高温で育った野菜なので冷蔵庫の冷え過ぎが苦手です。鮮度が失われ安いので、色が美しくおいしい間に早く食べましょう。保管する場合はラップやポリ袋にいれて冷蔵庫の野菜室で管理しましょう。
この季節のなすは、浅漬けや丸ままのステーキでなすの本来の味を味わっていただきたいですが、なすの見た目がちょっと苦手というお子様にも、ボリュームたっぷりのなすグラタンは人気です。
実はこの『ムサカ』というギリシャ料理です。
ギリシャ料理ムサカ(なすとミートソースとホワイトソースの重ねグラタン)
作り方は簡単。ミートソース、ホワイトソース、なすの順で段々におき最後にとろけるチーズをのせてオーブンで焼きます(200度20分170度で40分)。オーブンがない場合は、なすを先にステーキして焦げ目をつけてもいいですね。
「秋なすは嫁に食わすな」は意地悪?優しさ?
「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがあるほど秋なすはおいしいとされています。これは、秋になって昼夜の温度差が大きくなり、果肉がしまってより一層おいしくなるからです。
他にも、なすは体を冷やす作用があるので子供ができなくなるのを心配した姑の言葉という説やなすには種が少ないことから子宝に恵まれないとは縁起が悪いので食べさせないようにしたという節もあります。
秋なすのお手入れポイント
長く収穫が楽しめるなす。ナスの植付時期は4月上旬~6月上旬。秋ナスも含めると7月から10月と収穫期がながく楽しめます。収穫時期は6月中旬~10月上旬までです。
ポイントを何点かおさえれば、栽培も比較的簡単で丈夫なので初心者からベテランまで人気の夏野菜です。7月下旬~8月上旬にかけて、秋ナスのために手入れを行います。
株元3センチあたりをスコップなどで断根します。すると根がはりなおし、再び新しい枝が伸びだして、秋に美味しいなすがなります。ぐんぐん生育するので、追肥をわすれません。
なすの花は美しく鉢植えも楽しめるので来年はチャレンジしてみたら楽しいですね!栽培やお手入れの方法はYOUTUBEでたくさんの投稿がありますので、参考になります。
この季節のおいしいなすを食べて2016年夏を元気に過ごしましょう!
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