チンパンジー『じゃんけん』ルールを習得!?4歳児なみの能力を確認
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ダルビッシュ有が日本に帰国 向かった先は…?2024年11月12日、メジャーリーグの『サンディエゴ・パドレス』に所属するダルビッシュ有選手が、自身のブログを更新。日本に一時帰国していたことを明かしました。
俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。
grape [グレイプ] society
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京都大学の松沢哲郎特別教授らの研究グループが、チンパンジーにはじゃんけんを学習する能力のあることを発見し、その研究成果が専門誌『プリマーテス』電子版に掲載されて話題になっています。
発表資料によれば、研究は、チンパンジーの手の『グー』『チョキ』『パー』それぞれの写真を編集して、グーとチョキ、チョキとパー、パーとグーそれぞれを組合せた写真をランダムにコンピュータ画面に表示させ、7頭のチンパンジーに毎日3セッションずつ100日間、見せ続けました。
この時、例えば、グーとチョキで勝ちのほうのグーをチンパンジーが指差したら『エサ』がもらえるチャイムが鳴るという、いわゆる『報酬あり学習』を採用。
その結果、このペアの写真がランダムに登場しても、5頭のチンパンジーはほぼ完全に勝つほうの手を指差すようになったそうなんです。
ちなみに、じゃんけんの手の写真を人間の手の写真に置き換えてみたところ、最初はさすがにデタラメな結果だったそうなんですが、学習を進めていった結果、これも完璧に勝ちの手を選ぶことができました。
その後も、左右の手の写真を使ったり、手のひらと手の甲の写真を使ったりと、さまざまなパターンを見せ、そのたびに学習させ、結果はどれも完璧に勝ちの手を選択する結果となり、チンパンジーのじゃんけんへの理解は本物だということを証明することとなりました。
さらに面白いのは、同じテストを人間の子どもにも試したこと。3歳から6歳の人間の子どもに3つの勝ち負けのペア写真を個別に学習させたあと、ランダムに表示させて、勝ちの手を当てさせたんだそうです。
するとなんと人間の子どもの場合は、4歳以下の子どもは、さきほどの3つのペアがランダムに混ざったテスト条件での答えは、何度やってもデタラメだったにもかかわらず、4歳を超えると、あっさり学習できたんだそうです。つまり人間の子どもの場合は、じゃんけんの理解能力は4歳ころから発達するということが分かったそうです。
ここから、チンパンジーは人間の4歳程度の知能を持ち、こうした問題を解決できる能力を有することが証明されたわけです。
こうした学習方法はいまや、人工知能でも全く同じようなプロセスを採用しています。
例えば画像認識の人工知能を作る場合「これは犬である」と知らせた上で学習させます。すると人工知能はいくつもの犬の画像から何らかの犬としての共通部分を見つけ出そうとします。これを『教師あり学習』と呼び、多くのデータを学習させることでより正確な画像の特徴を見出していきます。
ただ、これには膨大なデータが必要になるため、何にでも応用が利くわけではありません。
そこで「これは犬だ」と教えないでさまざまな画像を学習させ、人工知能が勝手に自分で分類させることを思いつきました。これが「教師なし学習」です。
ただこの場合、人工知能が勝手に分類するため、それが正しいか正しくないかが分からないまま続けると、場合によっては暴走することもあります。そこで考え出されたのが『報酬あり学習(強化学習)』です。勝手に分類した結果に点数をつけてあげることで、膨大なデータを学習しなくても分類できるようになることを見出したのです。
ところで、じゃんけんの勝ち負けは『循環関係』と呼ばれ、グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはもとに戻ってグーに勝つという関係があります。
つまり、最初にグーは勝つものだと覚えたにもかかわらず、パーとのペアでは負ける、いつでも勝つわけではない、という特別な関係があるわけです。
この理解にはチンパンジーは時間がかかったそうです。これは、我々にとってあたりまえのように思えますが、人間ですら4歳以下の脳では理解できない難しい関係、なぜなら普通は自然界の中ではあまり見られない関係だからなんだそうです。
例えば、トラはライオンに弱く、ライオンはゾウに弱く、ゾウはゴリラに弱いなどがあると思うのですが、これは延々に続く関係なので『直線関係』というんだそうです。チンパンジーも群れの中では厳格な直線的優劣関係を保っていると考えられ、直線関係以外の学習は難しいものとされてきたようです。
それが今回学習したチンパンジーはちゃんとできたということなので、ここから新しい発見が見られるかもしれないと期待されているというわけです。
[文・構成 土屋夏彦/grape編集部]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。