ホテルに男性2人でチェックイン?フロントに立つホテルマンはどう思う?
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先日、札幌で久しぶりに旧知のプロスキーヤーの冒険家たちと飲んだ。インドやモロッコなど秘境のスキー場へ出掛けていくなど相変わらず地球上を遊びまわっているようだ。
飲んでいるうちに10年程前、僕がスウェーデンのスキーウェアブランドのアートディレクターをしていた頃、世界版のカタログを制作するため、彼らと一緒にスゥエーデンにしばらく滞在した時の話になった。
撮影スタッフは先にスゥエーデンの北部にあるリゾートスキー場に入っていたが、僕とプロスキーヤーが遅れて入ることになった。その日はスゥエーデンの国内線がなく、経由するストックホルムで僕とプロスキーヤーは一泊することになった。男性二人なのでビジネスホテルの感覚でツインの部屋を予約した・・・というか、そのつもりだった。
フロントに立つスゥエーデン人のきれいな若い女性スタッフは、「よき夜を」と言いながら、にやりと笑いながら鍵を渡してくれた。含みをもった笑いを今でもよく覚えている。
部屋に行くとダブルベッドだった。ヨーロッパの感覚では中級以上のホテルは大人が友人同士で宿泊する場合、二部屋とることが普通であることを後から教えてもらった。一部屋に二人というのは夫婦か恋人なのだ。フロントの彼女は僕たちをゲイカップルと思ったのだろう。
ただ、経費のことも考えれば一部屋で済ませた方がいいし、かなり広いベッドだったので、そのまま二人でダブルベッドで眠ることにした。
「スゥエーデンのアダルトビデオを観ながら飲んだねぇ~」
当時の想い出話をしながら大声で笑った。
後日、たまたまホテルマンの友人と数年ぶりに再会し、飲むことになったので、ストックホルムのホテルでの話をした。日本の場合、ホテルにツインがあることは当たり前なので、女性二人組、男性二人組の客は普通にあるそうだ。
「ただ、ダブルで予約していたりすると「ん?」と思うこともあるけどね。決して顔には出さないけど」
とおっしゃっていた。当然ながら、ホテルマンもいろいろである。詮索好きがいて、裏のスタッフルームで客の名簿を見ながら、「あの客見た?たぶんゲイカップルだよ」などとLGBTに対し、偏見を持つ人もいる。彼の話によれば、10年程前までは男性同士はダブルベッドに宿泊できないというマニュアルがあったホテルもあり、インターネットなどで予約した場合、男性二人でツインとダブルを間違えてクリックしてしまった可能性もあるので確認のために電話連絡をするホテルもあったそうだ。
「今は、ホテルグランヴィア京都のように同性カップル向けの宿泊プランを打ち出しているところもあるから、時代は変わりましたよ」
日本のホテルも動いているのだ。逆に世界では日本のようなビジネスホテルが増えているとも聞く。
となるとスゥエーデンはツインのホテルが増えているのかなぁ。
[文・構成/イシコ]
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