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LGBTの人に質問「付き合っている人はいるの?」 どう答えても変な感じになってしまう話

By - grape編集部  公開:  更新:

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会社や友人同士の飲み会で、たびたび話題になるのが恋の話。

「最近、恋人との関係はどう?」

「いま、付き合っている人いるの?」

「付き合う相手がほしい…」

プライベードな話題は、相手との親睦を深めるのにもってこいかもしれません。しかし、中にはこの手の話題が苦手と感じる人もいます。

「彼女いるの?」という質問が苦手だと感じている、あさなさくま(@sakuma_asana)さん。

なぜ彼はそう感じるのか…自身の体験に基づいて描かれた漫画が、大きな反響を呼んでいました。

どう答えても変な感じになってしまう

同性の恋人なんて考えられない…そういった固定観念が、いまだ根強く残っているのでしょう。

どう答えても、その場の空気が変になってしまうのだと、あさなさんは作中で伝えています。

あくまでも「とあるアラサー男性のエッセイ」として楽しんでほしい

今回の漫画以外にも、LGBTを題材にした作品を数多くTwitterに投稿しているあさなさん。

彼のTwitterアカウントのフォロワーは3万人を超え、作品によっては1万以上の反応が寄せられることも。

自身もゲイであるあさなさんに、作品を投稿し始めたきっかけや、昨今のLGBTをとりまく風潮についてなど、話を聞きました。

――作品をtwitterで公開するようになったきっかけは?

Twitterでいろいろな漫画がリツイートされているのを見て、「自分が描いたらどのくらいウケるかな?」と純粋に思ったのがきっかけです。

昔から絵日記が好きだったので、実話系が向いていると思い、ゲイエッセイにしました。

――作品を描く上で大切にしていることは?

LGBTの当事者でない方にもスッと楽しんでもらえるように、用語に簡単な説明を付けたり、状況がわかりやすい描き方を意識しています。

――印象に残っている、読者からの反応は?

以前投稿した4コマ漫画『トラウマ』に、お子さんを持つお母様からいただいたリプライが印象に残っています。

その作品が、コチラ。

あさなさんが受診したメンタルクリニックで「まだ同性愛や性同一性障害とは言い切れない」といわれ、同席していた母親が「よかった!」と漏らしたエピソードです。

この作品に対し寄せられたコメントに、あさなさんはハッとさせられたといいます。

「あさなさんのお母様は、セクシャルマイノリティだった場合に息子が受けることになる苦しみを思って、安堵したんだと思いますよ」というご意見にハッとしました。

そんなふうには考えてもみなかったので、本当に親の心子知らずだな…と思いました。

あさなさんの作品には、ゲイやレズビアンと思われる人たちからも多くのコメントが寄せられています。その中で、カミングアウトに関するあさなさんの返答が目にとまりました。

それは、「カミングアウトは美化されがち」というもの。

性的マイノリティの人たちにとって、カミングアウトとは一体どういうものなのでしょうか…。

――なぜ「美化されがち」と感じるのか?

海外のカミングアウト動画などを見ると、「分かり合えるって素晴らしい!」という気持ちでいっぱいになります。

しかし、世間ではそのいい側面だけがクローズアップされることも多く、「カミングアウトしたほうがいいよ!」という無邪気なエールとなって、当事者のゲイを苦しめることがあります。

そんな時、少し「美化されているな…」と感じてしまいますね。

カミングアウトは決して簡単なものではありません。ゲイであることが受け入れられる場合もあれば、拒絶されてしまうことも。

僕たちは成功談と同じだけ、「サークルで村八分になった」「家族から縁を切られた」というような失敗談も耳にしながら生きています。

いまはまだ、カミングアウトは『環境作りのための選択肢』の1つ。所属するコミュニティの懐を見極めた上での『隠す選択』もまた、尊重されたらいいな…と思います。

昔と比べると、一部の自治体で結婚に相当する関係を認める証明書を同性パートナーに発行する制度が開始されるなど、LGBTの権利向上を後押しする風潮が強くなっている印象を受けます。

それは、自身もゲイであるあさなさんも感じていることなのでしょうか。

――昔と現在で、LGBTをとりまく環境は変わったと思うか?

セクシャルマイノリティへの風当たりが強かったとされる昭和から平成初期を生きていないので、身をもって「生きやすくなった!」という変化を感じられないのが本当のところです。

ただ、「なんとなく触れちゃいけない」と考えていた人々が、メディアを通して『LGBT』という口にしやすいカテゴライズを得たことで、気軽に興味を示してくれているのを感じることはあります。

一方、話題にあがる機会が増えたことでこんな弊害もあるといいます。

ゲイの中には、「ゲイ=オネエだと思われて迷惑!」とか「LGBとTransgender(トランスジェンダー)を一緒にするのはおかしい」という人もいます。

中には、現在の『女性的なゲイタレントのメディア露出』や『LGBT関連の報道』を煙たがる人もいます。以前はそんな衝突さえあり得なかったわけですから、ウミを出す時期なんだな…と思いますね。

とはいえ、そうした衝突が起きるのは、よくも悪くもそれほどLGBTに関心が向いている証拠なのかもしれません。

さらにあさなさんは、続けます。

Twitterで10代のユーザーを見ていると、さらに一歩進んだ「LGBTが当たり前」という環境に身を置く子も珍しくありません。

大人世代が努力して『拒絶→受容』という変化を遂げようとしているかたわらで、「最初からそれが当たり前だと思っている」というのはすごいアドバンテージだなと思います。

ゲイやレズビアン、トランスジェンダーなど、性的マイノリティに関する理解がまだまだ浅いといわれる日本。

性的マイノリティの人たちと接する機会が少なかったからこそ、こうした状況になってしまったのかもしれません。

しかし、いまの10代の若者はどうでしょうか。

クリック1つで世界各国の人たちとつながることができ、さまざまな価値観に触れることもできます。

昔は「あり得ない」と拒絶されがちだった同性愛の世界も、「そういう人もいる」と認める心の土台がすでに出来上がっているのでしょう。

このままもっともっと「当たり前」という感覚が広がってくれたらいいなと思います。

最後に、そう語ってくれたあさなさん。たとえ時間はかかっても、いつかあさなさんの思う『当たり前』が受け入れられる時代がやってくる…そう思えます。


[文・構成/grape編集部]

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出典
@sakuma_asana

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