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手紙を書いたことも忘れる、認知症の母 お見舞いに行った息子が『学んだこと』

By - grape編集部  公開:  更新:

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出典:森田豊のオフィシャルブログ

「少し前のことなのに、物忘れがあまりにも多すぎる」

「簡単な計算や会話すら、なぜか困難になってしまった」

「集中力が著しく低下して、趣味に没頭できなくなった」

厚生労働省によると、日本の65歳以上の高齢者における認知症患者は8~10%程度だそうです。

年齢が高くなるほど認知症になりやすく、85歳になると有病率が28%に達するため、高齢化社会を迎えた日本では認知症患者が増加していくと予想されています。

認知症の母が手渡した、4枚の『絵手紙』

医学博士でありジャーナリストの森田豊さんが、2018年10月26日にブログを更新しました。

90歳になる森田さんの母親は、認知症を患い介護施設に入居しているといいます。

「さびしい」「会いに来てほしい」といった言葉は一切告げず、時々イラストつきの手紙を送ってくる母親。

森田さんは、施設に足を運んで母親のお見舞いをすることにしました。

大きなぬいぐるみを手に、2人は笑顔でツーショットを撮影。

母親は自ら「会いたい」とはいわずとも、愛する息子さんに会うことができて嬉しかったことでしょう。

この日、森田さんは母親と会話していろいろなことに気付くことができたといいます。

「何を食べてもおいしい」

「やせようとは思うが、食欲に負けてしまう」

「施設のみんなに、とてもよくしてもらっている」

「人をほめることが自分の取り得」

「子どもは、ほめて育てた」

お見舞いに来た森田さんに、そう話した母親。

そして、こういったのだそうです。

「自分は本当に幸せ」

森田さんに届く水彩で描かれた絵手紙には、息子への温かいメッセージがそえられています。

しかし、認知症の症状で母親は「絵手紙を描いた覚えはない」というそうです。

短期記憶はほとんどないが、古い記憶や論理的思考力はきちんと保たれていて、いつも奥深い生き方を教えてくれる。

短期記憶を失ったためか、「絵手紙を書いた覚えはない」と主張してました。

施設から帰ろうとしたら、「また時間あったら来なさい!」と、元気な声と笑顔。

母のおかげで自分の今日がある。

自慢の母。

森田豊のオフィシャルブログ ーより引用

認知症は、自覚の有無にかかわらず患者にとってつらい病気です。症状のせいで生活が困難になったり、大切な人とケンカしたりすることで、患者本人も頭を悩ませているといいます。

そして、記憶を失っていく姿を見る家族も、時には悲しい思いをすることでしょう。

ですが、その人の性格や心は変わることがないはず。たとえ本人が記憶を失っても、思い出はほかの人の記憶に残り続け、たくさんのことを教えてくれるに違いありません。


[文・構成/grape編集部]

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出典
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