兄と夢を同時に失った過去 『ポケモン』サトシ役の松本梨香のエピソードとは?
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2020年11月9日放送のバラエティ番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に、声優の松本梨香さんが出演しました。
松本さんは、アニメ『ポケットモンスター』の主人公であるサトシ役を22年間務め続けている、世界的に知られる声優です。
『ポケットモンスター』のほかには、アニメ『おそ松くん』の松野チョロ松、アニメ『おぼっちゃまくん』の貧保耐三(貧ぼっちゃま)など、さまざまなキャラクターを演じてきました。
松本梨香が壮絶な人生を告白
現在は大御所声優として知られている松本さんですが、声優として活動を始めるまでは壮絶な人生を送ってきたそうです。
松本さんは兄のことが大好きで、幼い頃から双子のように仲よくしていました。
兄は身体障がい者であり、生まれつき言葉を話すことができなかったのだとか。
子供の頃には、兄の障がいを理由にいじめてくる人もいたといいます。
兄に意地悪をする人がいたため「兄のことを受け入れてくれない友達はいらない」「兄を理解してくれる人としか結婚できない」とも思っていたそうです。
また、松本さんの父親は大衆劇場の座長を務めており、「幼い頃から、父親の後を継ごうと思っていた」とも明かしました。
高校卒業後には、父の劇団を継ぐため、俳優養成所に入学。そこで同期だったのが、声優の山寺宏一さんだったのだそうです。
俳優として活動を始めたものの…夢と兄を同時に失う
養成所を卒業後、松本さんはすぐに舞台俳優として活躍。兄はそのことをとても喜んでくれました。
しかしその後、兄は21歳の若さで心筋梗塞により急逝。
松本さんは舞台公演中であったため、兄の葬式にも出席できなかったのだとか。不安定な精神状態のまま舞台に立ち続けたといいます。
しかし追い打ちをかけるように、松本さん自身が結核にかかり、医師から「命に関わる」といわれ、舞台に立つことをドクターストップされてしまったのです。
松本さんは、兄を亡くして間もなく、父親の劇団を継ぐという夢をも失ってしまいました。
声優活動の背中を押したのは、山寺宏一
どん底に落ちた松本さんでしたが、当時すでに声優として活躍していた山寺さんに「声優って難しい?」と尋ねたといいます。
すると「お前なら大丈夫じゃない?」と背中を押してくれたのだとか。
その後、声優として『おそ松くん』のオーディションを受け、見事松野チョロ松役に合格した松本さん。そこから、声優人生が始まったのだそうです。
このエピソードに、視聴者からはさまざまな声が寄せられました。
・どんな時も笑顔な松本さんしか見たことなかった。声優になるまでのエピソード、お兄さんへの深い愛情に泣きました。
・お兄さんの話、初めて知りました。きっと心の中にいつもお兄さんがいるんでしょうね!これからも応援しています!
・兄の分まで、声や演技を届ける姿勢が本当に素敵です。尊敬します。
最後に、松本さんは兄について「兄と一緒に過ごした、いろんなものが表現につながっている」と語っています。
松本さんにとって、声優としてさまざまな役を全力で楽しみながら演じることは、兄への恩返しでもあるそうです。
兄への感謝や愛情を持って仕事に臨む松本さん。だからこそ、松本さんの演じるキャラクターは、多くの人の心をつかむのかもしれませんね。
[文・構成/grape編集部]