超仲良しから犬猿の仲まで 『兄弟・姉妹』が登場する必見の映画たち
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grape [グレイプ] entertainment
恋人とも友人とも違う『兄弟・姉妹』は、自分にとってよりパーソナルな存在といえますよね。
ゆえに、笑ったり泣いたり、時にはケンカも絶えないものですが、だからこそ尊く感じられます。
そんな『兄弟・姉妹』の関係は映画の世界においては格好のテーマ。『兄弟・姉妹』の関係を描いた傑作を5つご紹介します。
息の合った一心同体の兄弟から、拳を交える兄弟まで
ブルース・ブラザース
まずご紹介するのは、1981年公開の世界的大ヒットミュージカルコメディ映画『ブルース・ブラザース』です。
1975年から今なお続くアメリカの伝説的コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』。
同番組に出演していたジョン・ベルーシとダン・エイクロイドの人気コントを長編映画化した本作は世界中のカルチャーに大きな影響を与えてきました。
同作に出演する兄弟は、刑期を終えて出所した兄・ジェイクと、それを迎えに来た弟のエルウッド。2人は、かつてお世話になった孤児院を訪問するも、そこは資金難から閉鎖の危機におちいっていました。
悩んだ末、音楽を使ってお金を稼ぐという『神の啓示』を受けた2人。かつての仲間たちとバンドを結成するも…というのがあらすじです。
黒スーツに黒ネクタイに黒ソフト帽、そしてレイバンのサングラス。ポップアイコンにもなった2人組が繰り広げる爆笑のドタバタ劇と、音楽演奏シーンは見ているだけで元気が出ます。
一方で、闇の世界にいながらも愛のために奮闘する兄弟愛に涙を誘われる傑作といえるでしょう。
火垂るの墓
次は、1988年公開、悲劇の戦争ドラマアニメ映画『火垂るの墓』をご紹介します。
直木賞受賞作家である野坂昭如さんの短編小説を、スタジオジブリの高畑勲監督が映像化した本作。
時に『トラウマアニメ』として語られることも多い同作ですが、同時に戦争の悲惨さを如実に伝えた傑作として愛されてきました。
同作の舞台は、終戦間際の1945年の神戸。孤児となった14歳の兄・清太と4歳の妹・節子は親戚の家に身を置くものの、次第に厄介者扱いをされ、ついには家を飛び出してしまいます。
悲惨な世界に放り出された2人が生き抜く姿が描かれており、飢えに苛まれ次第に衰弱していく節子を救おうと奔走する清太からは、無償の兄妹愛を感じ取れるはずです。
それゆえに、多くの観客を号泣させたそのラストは、胸に深く刻まれるものになったのでしょう。
レインマン
次は、1989年公開の傑作ヒューマンドラマ『レインマン』です。
第61回アカデミー賞で、作品賞を含む4部門を受賞した本作。主演に名優ダスティン・ホフマンと、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった美青年のトム・クルーズを迎え、世界的な大ヒットとなりました。
同作に登場する兄弟は、重度のサヴァン症候群の兄・レイモンドと、高級外車のディーラーとして働く弟・チャーリー。
軽薄で身勝手な弟のチャーリーは亡くなった父の遺産分与目当てで、兄・レイモンドを病院から連れ出し旅に出るも、道中で彼への愛情に目覚めていく様をトム・クルーズが熱演しています。
感情をうまく表現できないレイモンドが徐々に見せていく弟への愛情は、涙なくしては見られません。
アナと雪の女王
次は、日本でも社会現象となったディズニーのCGアニメーション映画『アナと雪の女王』をご紹介します。
アンデルセンの描いた名作童話『雪の女王』をもとに、ディズニーアニメーションが目を奪われる美麗なグラフィックで作り上げた本作。
歌手のイディナ・メンゼルが歌い、日本語吹き替え版では俳優の松たか子さんが歌って大ブームとなった劇中歌『Let It Go』は、本編を見ていなくとも耳にした人も多いはず。
触れたものを凍らせる力を持った王家の子供・エルサとその妹のアナ。やがて2人は成長し、エルサは王位継承の儀式に出席しますが、そこで能力が暴走し、王国に危機を呼んでしまいます。
大切な妹を傷付けないために自らを封印したエルサ。そんな彼女の心を解きほぐせるのは一番身近にいた、アナ本人だけでした。
互いを救いたい一心でぶつかり合う姉妹からは、もどかしさと同時に深い愛情を感じ取れるはずです。
ウォーリアー
最後は、2011年制作、2015年公開のヒューマンドラマ『ウォーリアー』です。
第84回アカデミー賞に共演のニック・ノルティが助演男優賞でノミネートされながらも、日本では公開数が限られていたため『隠れた傑作』ともいわれている本作。
アルコール中毒だった父から逃れるために家を出た弟・トミーは14年ぶりに父のもとを訪れます。その理由は高額の賞金が出る総合格闘技イベント出場に向け、元ボクサーの父にコーチングをしてもらうため。
時を同じくして、教師でありながら自己破産の危機に陥っていた元総合格闘家の兄・ブレンダンもイベントへの出場を決意していました。
かくして、家族の葛藤を抱えた両者は期せずしてリングで相見えます…というのがあらすじ。
屈強な肉体ながらも今にも泣き出しそうな瞳をした弟・トミー、そして家族を守るために苦悩を噛み潰す表情を見せる兄のブレンダン。兄弟のぶつかり合いが頂点に達する感動のクライマックスは、泣くこと間違いなしです…。
兄弟・姉妹という関係は他人同士のように簡単に離れにくいもの。だからこそ、共に苦難を乗り越えた時に、変えがたい絆が浮かび上がるものなのでしょう。こうした映画たちは、そんな尊さを教えてくれますね!
[文・構成/grape編集部]