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母乳やへその緒、赤ちゃんの産毛がジュエリーに変身! 世界に一つのあなただけの「母乳ジュエリー」

By - grape編集部  公開:  更新:

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乳白色の真珠のような宝石が埋め込まれたペンダント。この柔らかに輝く白い石の原料は、なんと『母乳』です。

ジュエリーデザイナー栃原悠希さんによる、その名も『母乳ジュエリー』。2020年4月にキンタロー。さんがブログで紹介して話題となったお母さんたちに人気のジュエリーです。

母乳の思い出を形にする『母乳ジュエリー』

栃原さん:
日本では「へその緒」を大切に保管しておくという風習がありますが、それと同じように海外では母乳を使ったジュエリーが人気なんです。

栃原さんは2人のお子さんのお母さん。母乳ジュエリーに出会ったのは2014年オーストラリア、ブリスベン。1人目のお子さんが1歳の頃でした。

栃原さん:
普通なら母乳は形に残すことはできませんが、それを思い出として形にできることに強く惹かれました。

しかも、母乳の成分は食生活や生活習慣、授乳の期間によっても人それぞれ。それが出来上がりの色や質感に影響し、唯一無二のジュエリーとなるのです。

そこで栃原さんは専門作家に師事し約1年でその技術を習得。母乳ジュエリー制作の会社を設立したというわけです。

「母乳ジュエリー」はオーダーされた方の母乳を主原料に特殊な加工をして宝石状にしたもの。それを指輪、ピアス、ペンダントなどに仕上げます。

写真の丸いビーズ状のものは15mlで1個作ることが可能。ラメを入れたり、ホログラムを使って母乳に着色することなく色を変えることもできます。ビーズ状なので自分でペンダントやチャームを作る方もいるとか。

ちなみに、母乳が出ないという方でも大丈夫です。へその緒や産毛や髪の毛を入れて作った石を使うこともできます。

この写真の指輪は12個の石を埋め込むことができるデザイン。母乳の石だけでなく、家族の産毛や髪の毛などを入れ込んだ石が使われています。

もちろん12個全て母乳で作った石にする、へその緒を使うなど、石の色や種類、数もお好み次第。母乳の石を使っても使わなくても、赤ちゃんとの思い出を形にすることができます。

また、ジュエリーに使う母乳は、今授乳している新しいものでも搾乳して冷凍保存しているものでもどちらでもOK。解凍して送れば何の問題もないそうです。

栃原さん:
先日、13年前に冷凍された母乳を使って制作しました。

その方は12年前にお子さんを亡くされたんですが、亡くなる1年前の日付の冷凍母乳を保存なさっていて。

こんなに年数が経った母乳を使ったのは初めてでしたが、とても綺麗に仕上がりました。

母乳ジュエリーを注文する方々の思いは千差万別です。この方のようにお子さんとの悲しい別れを経験された方、もうすぐ卒乳しそうで寂しさを感じている方、子供が成人するときにプレゼントしたいという方、またはお守りとして身につけたい方…。

でも、お子さんとの絆、思い出を形に残したいという気持ちは同じ。全てかけがえのない宝物なのですね。

栃原さん:
育児って楽しいけれど、辛い時も多い。そんな時はこのジュエリーを見て、赤ちゃんの頃のことやその愛おしい時間を思い出してほしい。

もちろん辛い時だけでなく、お誕生日や入学式など成長の節目にもこのジュエリーが寄り添い、心の支えになれたら嬉しいです。

母乳にまつわるストーリーを届けたい

2021年5月現在、オーダー時に聞いた話やインスタグラムで募集した子育ての話をまとめたストーリーブックを製作し、産院などに置いてもらうプロジェクトを企画中とのこと。

栃原さん:
イヤイヤ期などのことは体験談としてよく聞きますが、産後間もない時期や授乳にまつわるストーリーは他の人と共有することが少ないように感じます。

だからこそ、そのストーリーを一冊にまとめて子育てを頑張るお母さんたちに届けたいのです。

現在は、お子さんの日本語教育のために12年滞在したオーストラリアを離れ、岡山県加賀郡吉備中央町で母乳ジュエリーの制作に勤しんでいる栃原さん。

「Solid love=愛を形にする」という会社名の通り、お子さんとの愛の絆ともいえる母乳をジュエリーという形あるものに変えて、大切に届けています。

インスタグラムやHPには、栃原さんの母乳ジュエリーに対する思いや作品、そしてオーダーする方々の子育てのストーリーが溢れています。ぜひ一度覗いてみてください。


[文/ハラアキコ・構成/grape編集部]

出典
solid_love_mothers_jewellery

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