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『日本の国花』の菊 その美しさ、艶やかさに心奪われる

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。

秋の花 菊をでる

春は桜、秋は菊、秋は日本の『国花』とも言われる菊の季節です。菊は皇室の象徴でもあり、パスポートに菊があしらわれるなど、日本を象徴する花でもあります。

各所で始まる『菊花展』の案内が届き始めています。

ところで、この菊、どうやら日本原産ではなさそうです。というのも『万葉集』には、菊を詠んだ和歌は、一首もありません。つまり飛鳥、奈良時代には、菊は無かったということです。

おそらく奈良末期か、平安の初めに中国から入って来たものと思われます。

それは、『古今和歌集』に、菊が盛んに詠まれるようになったことからも頷ける訳ですね。九月九日の『重陽ちょうようの節句』菊のうたげは、平安時代から宮中の行事として行われて来ました。

さらに、日本で菊の栽培が盛んになったのは、理由があります。それは、冬にを取り、春に植え、夏に成長させ、秋に鑑賞する! これは米、いねの栽培と似ているからなのです。

端正に育てられた菊は『菊花壇』『菊人形』のように仕立てられ、鑑賞用の花として発展して来ました。

今では 一年を通して栽培される菊ですが、本来は秋の花です。『三段仕立』などの様式で季節を彩ってくれる菊、時間があれば、『菊花展』に足を運んでご覧になると、その美しさ、あでやかさに心奪われ、これは間違いなく『日本の国花』だと納得されることでしょう。

当方は、11月3日、菊香る文化の日に、必ず菊を活け、その美しさを楽しむようにしております。

菊の香や 奈良には古き仏達 芭蕉

黄菊白菊 其外の名は無くもかな 嵐雪

しらぎくの夕影ふくみそめしかな 万太郎

<2021年10月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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