『蒸しタオル』の達人に! 身体のコリは蒸しタオルでゆるめましょう!
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2022年1月。新年早々、ユニークな「イライラを鎮める方法」がTwitterで話題になりました。
Twitterで話題の『イライラを鎮める方法』がこちら!斬新な方法に9万『いいね』
想像しただけでも楽しいこの「イライラを鎮める方法」を紹介した、すきさん(@sukikara_okyudo)は、記事の通り京都府京都市でお灸治療専門の治療院『お灸堂』を営む鍼灸師。
Twitterでは、この「イライラを鎮める方法」のほかにも、たくさんの身体の癒し方が紹介されています。
中でもすきさんのイチオシは『蒸しタオル』。
『蒸しタオル』の作り方から当て方まで、細かく紹介してくれています。
そこで、試しにTwitterで見た通りに蒸しタオルを作って当ててみたのですが…その予想以上の気持ちよさにびっくり!「もっと知りたい!」と、すきさんに詳しくお話を伺いました。
『蒸しタオル』で温めて固くなった身体をゆるめましょう
すきさん:
人の身体は疲れると気のめぐりが悪くなり、冷えて固くなります。それをゆるめてやわらかくするには「温める」ことが重要。
蒸しタオルを作って温めましょう。
すきさんはお灸専門の鍼灸師ですから普段の仕事中はお灸を据えているのですが、自宅でケアするには手軽につくれる蒸しタオルがおススメとのこと。
試しに首や肩、手足を触ってみてください。疲れをあまり感じてなくてもどこか固くなっているなら、それは「疲れ」のサインです。
見つけたら温めて、ゆるめてあげましょう。コリや張りがとれて楽になります。
蒸しタオルの極意 その1
では、早速「蒸しタオル」を作ってみましょう。
蒸しタオルの作り方:
1.タオルを折りたたむ(手ぬぐいはダメ)。
2.タオルを濡らしてしっかり絞る。
3.電子レンジで温める(目安は600wで約1分)。
4.タオルを手に取って、触れられる温度まで冷ます。
タオルはある程度厚みのあるものにしてください。そして、温めた後はかなり熱くなっているので、少し広げたりして冷ましてから使うように。
「蒸しタオル」は直接肌に当てるのが基本ですから、ヤケドには注意して用意しましょう。
電子レンジが無いという方は、給湯器で熱めのお湯(約45度)をつくり、それにタオルを浸けて絞ってください。くれぐれもヤケドには気を付けて。
『蒸しタオル』の利点
では、なぜ固くなった身体を温めるのに『蒸しタオル』がオススメなのでしょうか。
お風呂やカイロではダメなのでしょうか。聞いてみました。
すきさん:
「蒸しタオル」には、お風呂やカイロにはない利点があります。
第1にピンポイントで温められること、第2に高めの温度で温められること、第3に湿気を含む熱、『湿熱』であること、そして最後に適度な時間で冷めること、です。
確かに、お風呂ではどこかをピンポイントで温めることはできませんし、蒸しタオルの温度の目安は50度前後なので、お風呂やカイロよりも高い温度で温めることができますね。
また、ヒーターやこたつ、カイロやドライヤーなどは水分を含まない乾熱。蒸しタオルやお風呂は湿熱なのですが、身体の深部まで温める効果は「湿熱」の方が高いのだそう。
そして、蒸しタオルはだいたい5分程度で冷めてきます。だから温め過ぎることがなく、低温ヤケドの心配もありません。
ちなみにカイロなら、適度な時間で冷める『小豆カイロ』がオススメとのこと。商品としてドラッグストアなどで販売されていますし、自分で作ることも可能ですので、こちらもチェックしてみるといいかもしれません。
蒸しタオルの極意 その2
「蒸しタオル」で温める際に大切なのは、『温めるおおよその場所』と『温度』です。
身体を触って気になるところ、固さやコリ、冷えを感じるところ。そこが『温める場所』です。そこに蒸しタオルを直接当てて温めてください。
「ツボを温めなくていいの?」と思うかもしれませんが、自宅でケアする時は、細かいツボはあまり考えなくても大丈夫とのこと。
「固くなっているところを温めてゆるめる」ことで、自然に温めるべきツボを温めているのだとか。
「ツボはどこなのか?」と難しく考えなくても良いとは目からウロコですね。
ただ、「蒸しタオル」で温める時に気をつけないといけないのが『熱いのを我慢しないこと』。つまり『温度』です。
すきさん:
我慢しないといけないほど「熱い」と感じるときはすぐに外してください。
心地よい温度で、それがポイントです。
効くのなら「熱くても我慢する」のがいいと思い、お風呂でもマッサージでも我慢していませんか。それはNGです。
身体の場所やコリ具合によって「熱さ」の感じ方は違うのだそう。
例えば目の周りは皮膚が薄い為、首に当てて気持ち良いと感じる蒸しタオルは熱すぎます。
だから、目に当てるときは先に身体のほかの部分を温めて、ある程度冷めたものを当てるとちょうど良いとのこと。
また、身体が不調な時は刺激に敏感になっていることが多く、いつもより熱く感じることもあるそうですから、その時々の身体の声を聞いてあげてください。
蒸しタオルの極意 その3
そして、もう1つ大切なことは『外すタイミング』です。
「蒸しタオル」は、身体がゆるまったなと感じたら外してください。そのためには、身体がゆるまったサインを見逃さないことが重要。
その判断基準は次の通りです。
・温かくなる。やわらかくなる。
・肌が赤みを帯びる。
・目がすっきりする。
・呼吸が楽になる。声が出しやすくなる。
・かゆくなる。
・眠くなる。
すきさん:
このような変化があれば、それは身体がゆるまったサイン。
初めは分かりづらいかもしれませんが、ゆっくりと身体の変化に向き合ってみてください。きっと気付くことができるはずです。
注意するのは『温め過ぎないこと』。
長湯しすぎると湯あたりするように、温め過ぎるとかえって疲れを増してしまうことがあるのだとか。最初は気持ち良くてもだんだん熱くなって不快になることがありますから、その時も我慢はNG。
すぐに外してくださいね。
蒸しタオルの極意 その4
基本的には触って固い場所、コリや冷えがある場所を温めるといいのですが、お悩みによってはその場所以外に温めたりほぐすといいツボがあります。
それをいくつかご紹介しましょう。
目が疲れた時…「後頭部」
実は、目を動かす筋肉は後頭部の髪の生え際当たりの筋肉に繋がっているのだそう。首筋の左右のくぼみを触りながら目をキョロキョロ動かしてみてください。首筋の筋肉が動くのが分かるはず。
そのため、目が疲れるとその部分が固く、むくんだりするので、そこを温めるといいというわけです。ちなみに、このツボは「風池(ふうち)」といいます。
もちろん、目の周りを温めるのもOK。その場合は、後頭部を温めてから、その冷めた蒸しタオルを目に当てるとちょうど良い温度になります。
ということで、実際にやってみましたが…。
その効果は想像以上でした!首筋も一緒に温めることになるので、視界がすっきりする上に、首や肩のコリも解消されました。特に、蒸しタオルを外した瞬間の感覚が最高!その気持ち良さは感動ものでしたよ。
効果には個人差があると思いますが、目を使うお仕事の方はぜひお試しあれ。
足が重い、冷える、腰がだるい時…おへその下
疲れて足が重く感じたり、腰がだるい時はおへそ下のツボ「関元(かんげん)」を温めましょう。
おへそから指4本くらい下の辺りがこのツボ。ここを温めると股関節などの血流が良くなり、おへその下だけでなく腰や下半身も温かくなります。
女性の生理痛で悩んでいる方も試してみるといいとのこと。
すきさん:
おへその下の「関元」を温めるのは、寝る前にも効果的です。その時は蒸しタオルでなくても大丈夫。
布団に入って横になり、両手のひらをおへその下辺りに当てて、自分の体温でじんわり温めましょう。呼吸も深くなって眠気も出やすくなりますよ。
胃の調子が悪い時…肩甲骨の下
食べ過ぎや、胃の調子が悪い時は、肩甲骨の下を温めましょう。
すきさん:
肩甲骨の下には「膈兪(かくゆ)」「肝兪(かんゆ)」「脾兪(ひゆ)」という、昔から胃のケアに用いられているツボがあります。
ここを温めて背中がゆるまると、お腹も一緒にゆるまります。
確かに、食べ過ぎたりで胃がつらい時、背中も痛くなることがあります。あれはツボだったんですね。
このことからも「身体の気になる場所、固い場所を温めれば良い」ということがよく分かります。
鼻水、鼻づまりには…髪の生え際
風邪や花粉症などで鼻水や鼻づまりに悩まされているときにはココです。
すきさん:
髪の生え際といっても個人差がありますから、分かりにくい場合の目安は眉間から指4本くらい上の辺りです。
ここに蒸しタオルを当てるか、もしくは揉んでほぐしてみてください。かなり即効性があり、スッと鼻が通りますよ。
ここは「神庭(しんてい)」というツボで、小さなお子さんでも効き目は同じだそう。薬が飲めないような年齢の子が鼻水でつらそうにしていたら、ここを温めてみてください。きっと楽になるはず。
また、風邪の季節だけでなく、花粉症などで鼻水・鼻づまりにお悩みの方はぜひ一度試してみてください。
蒸しタオルの極意 その5
すきさん:
「温めるだけ」で楽になる身体の悩みは実はたくさんあります。日常的な肩こりや頭痛に悩まされている人はぜひ「蒸しタオル」を毎日、夜寝る前に当ててみてください。
身体がゆるまってより質の良い睡眠で疲れが和らぎます。これを続けることによって症状が改善した方も大勢いらっしゃいます。
「辛いな、しんどいな」と思ったらまずは「温めてみる」。手間もお金もかからず手軽な「蒸しタオル」は試してみる価値ありです。その気持ち良さに驚くこと間違いありません。
すきさんのTwitterやお灸堂の公式H P、そして著書『ゆるませ養生“何だかしんどい”を楽にする「自分を大事にする作法」(大和書房)』には、蒸しタオルのほかにもいろいろな身体の癒し方が紹介されています。
興味を持った方はぜひ見てみてください。改めて気付くことがあるかもしれませんよ。
すきさんのTwitter
お灸堂公式ウェブサイト
[文/ハラアキコ・構成/grape編集部]