元陸上選手・為末大「小学生の全国大会廃止は素晴らしい」 その理由に「なるほど!」「本当そうよ」
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毎年、夏に全日本柔道連盟が主催していた、『全国小学生学年別柔道大会』の廃止が発表されました。
全日本柔道連盟は、いわゆる『小学生の全国大会廃止』の理由についてこのように公表しています。
為末大、小学生の全国大会廃止に賛成!
元陸上競技選手で、スポーツコメンテーターの為末大さんは、全日本柔道連盟が発表した、小学生の全国大会廃止について、賛成の意見をTwitterに投稿しました。
為末さんといえば、スプリント種目の世界大会で日本人として初めてメダルを獲得したほか、オリンピックに三度出場するなど、数々の功績を残しています。
そんな為末さんが小学生の全国大会廃止について賛成するのには、3つの理由があるのだとか。
子供と大人には身体的な特徴に違いがあることに着目した、為末さん。
子供が柔道で勝つためには、大人のやり方とは違う、子供同士ならではの戦略が必要だといいます。
為末さんが指摘したのは、子供同士の勝負で、勝てる方法を追求し『最適化』してしまうという点。
身体の成長とともに技術もレベルアップするはずが、『最適化』してしまうことで、本来行き着けるはずのレベルに到達できなくなると解説しました。
為末さんによると、海外で「日本人は10代であんなに強いのに、20代になってなぜ弱くなるのか」とよく質問されるのだそうです。
「多くの選手が『最適化』した結果、大人になった時に世界と戦えないのが、日本のスポーツの現状である」ともつづりました。
為末大「最も勝ちたいのは大人」
為末さんは、日本のスポーツ大会のほとんどがトーナメント制であり、「『選抜システム』である」と批判を受けていることも紹介。
勝ちにこだわった仕組みがある上、選手本人よりも、親や指導者が子供の才能に舞い上がっていることが多々あるそうです。
そういった場合、才能ある子供を勝利へ導くため『最適化』が行われます。
為末さんによると、『最適化』はいわば、『いわれた通りにやる人間を作ること』。
そのため、子供たちの主体性が失われ、スポーツを楽しむことができず、よい成績を収めても、その後競技から離れてしまう選手が多いのだとか。
また、『最適化』を身に着けた選手は、考える力が育っていないことが多く、引退後に苦労すると指摘しました。
為末さんはこれらの理由から、「小学生の全国大会の廃止は素晴らしい」「ほかの競技でも廃止してほしい」とつづっています。
為末さんの考えに、さまざまな意見が寄せられました。
・僕は中学校の時、全国レベルの野球部に所属。3年間球拾いでした。自分のレベルにあった場所で野球を楽しみたかった。
・大人の夢を子供に押し付けているといえますよね。
・僕がずっと漠然と思っていたことを、為末さんが言語化してくれた。すごい。
・吹奏楽部にも、同じことがいえます。せっかくうまくなっても、その後、楽器を辞めてしまう子が多いです。
ちなみに、全日本柔道連盟は、「全国大会が小学生たちの目標になっていたことは事実」としています。
その上で、現在、「新たな目標となるようなイベントを考え中」とのこと。
スポーツに限らず、音楽、芸術、学問などでも、子供たちが主体性を失うことなく、また、のびのびと成長していくためにはどうしていくべきか、考えたいものですね。