米を炊いたら「粒に黒い汚れが!」 正体に「カビだと思ってた」「これは意外」
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炊く前の米に、縦筋の黒っぽい汚れが付いているのを見たことはないでしょうか。
筆者は、実家から送られてきた米に、この縦筋状の汚れを見つけたことがあります。これはなんなのでしょうか。
米についた黒い縦筋の汚れについて調べてみました。
米に付いた黒い縦筋の正体とは
筆者のケースでは、実家で保管していた籾(もみ)の状態の米を、コイン精米機を使って精米したものでした。
水で洗ってみると簡単に汚れは取れたのですが、これはカビなのか、それとも単なる汚れなのか気になりますよね。
『一般社団法人 日本精米工業会』(以下、日本精米工業会)に聞いてみたところ、以下の回答がありました。
おそらくそれはカビではないでしょう。
では、この黒い縦筋は何なのでしょうか。日本精米工業会によると、「収穫前に籾が割れ、その部分を修復しようとした跡である可能性がある」とのこと。
人でいえば、かさぶたのようなもので、玄米のぬか層が硬くなり、精米後も少しだけ黒く残ってしまうことがあるそうです。
※写真はイメージ
もう1つ考えられるのは、精米機で取り切れなかったぬか層です。
米には溝状の縦筋が5本あるといわれており、特に充実が不足していて縦溝が深い粒は溝部分のぬかが取りにくくなっています。
街中にあるコイン精米機は、玄米を精白するための搗精(とうせい)を、どれだけ行うかは任意で選ぶことができます。
例えば、ぬかを少し残すように精米したり、反対にぬかをぎりぎりまで取ったりと、精米加減を調整できるので便利ですよね。
米が通常の状態であれば、コイン精米機でも問題なく搗精できます。ぬかが取りにくい状態の米であっても、精米加減を調整さえすれば、きれいに搗精することができます。
しかし、ぬかが取りにくい状態の米を精米加減を調整せずに、通常の状態の米と同じように搗精すると、普段より多くぬかが残る可能性があります。
精米は白いので、縦溝に残ったぬかが黒っぽく見えることもあります。筆者のケースも、もしかするとこれだったのかもしれません。
水分状態によってはカビが生えることもある
日本精米工業会によると、「そもそも正常な状態の米ではぬか層にカビは発生しにくい」のだそうです。
15%以下の水分ではカビはほとんど発生せず、カビができるとしても胚芽の部分で、それ以外の部分でカビはほとんどないのこと。
籾の状態だと表皮で覆われているので、カビ菌は進入しにくく、水分が低いこともあり、カビや細菌が成長できないのです。
※写真はイメージ
ただし、表面が傷付いてカビ菌が侵入しやすい状態になっていたり、水分が多い状態だったりするとカビは生えるとのこと。
米のカビは黒い縦筋ではなく、明確にカビと分かるそうです。
炊く前の米に付いていた縦筋状の黒っぽい汚れについて調べたところ、取り切れなかったぬかの可能性が高いことが分かりました。ぬかが残っているだけなので、食べても問題はないそうです。
ちなみに、「カビが生えた米は食べないほうがいい」とのこと。もしカビが発生したら、もったいないですが必ず廃棄しましょう。
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]