工事現場の『アレ』を暑さ対策に使った結果 「想像以上だった」
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「日中は不要な外出を控えましょう」
そんなニュースを目にすることが多くなった、日本の夏。梅雨も明けていないというのに、30度を超える日が続くことも珍しくなくなりました。
8月にもなれば40度近くまで気温が上がることも増えるでしょう。考えるだけで今から恐怖しかありません。
写真はイメージ
扇子を持ち歩いたり、首に濡れタオルを巻き付けたりと対処法はあれど、どうせならもっと画期的な解決策が欲しいところ。
そこで筆者が目を付けたのは、ファン付きウェア!工事現場の作業員さんなどがよく着ているアレです。
多くの人が思っている「あれって本当に涼しいの?」という疑問を、実際に試して解消しちゃいますよ!
ファン付きウェアってどんなもの? 半袖とベストどちらがいい?
ファン付きウェアとは、背中側の腰あたりにバッテリーで駆動する小さなファンが付いている上着のことです。
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ファンが取り込んだ外気は服の中を循環し、袖や首元から外に抜けていきます。
このファンが生み出す風が直接身体を冷やすと思っていた筆者。実は、液体が蒸発する時に周りの熱を奪う『気化熱』を利用しているのだそうです。
簡単にいうと、風で汗を蒸発させ、その気化熱で身体を冷やしているということ。
お風呂上りに扇風機に当たるとより涼しく感じるのと同じようです。
ファン付きウェアを実際に着てみた!
今回、購入したのはアイリスオーヤマ『クールウェア』の半袖タイプとベストタイプ。どちらも風力を切り替えられる機能付きです。
半袖タイプは、『強、弱、リズム』の3種類のモードで切り替えができ、強の状態で約12時間、弱では約25時間も使用することができます。
ベストタイプは1~4段階で風力をコントロールでき、一番強い風力で約7時間、一番弱いと約30時間の使用が可能です。
両方とも小型のファンが2個とバッテリー、ウェアとコード類が付いていました。
自分で組み立てが必要にはなりますが、それほど難しいものではありません。
ウェアに空いた穴にファンをセットして、コードでバッテリーと繋ぐだけです。どちらも5分とかからず完成しました。
早速、半袖タイプを着用して電源を入れてみると、強烈な風が服の中を駆け抜けます。
え、めっちゃ涼しい!
クーラーの効いている室内で着ているせいもありますが、ひんやりとした風が身体中を駆け巡り、袖や首元から抜けていきます。
これならクーラーの設定温度を何度か上げても余裕で過ごせるでしょう。
想像以上の効果に感動して、ほかの編集部員にも試してもらいましたが、かなり好評!以下のような声が上がりました。
・思った以上に涼しくてよかった。
・キャンプとかアウトドアに持って行きたい。
・子供に着せられるのがあったら欲しい。
「これはいい買い物をしたのでは?」と気分をよくしながら、ベストタイプも着用してみます。
スイッチを入れると、駆け抜ける風…そして膨張するウェア。
涼しいけど…すごい膨らんでない?
半袖タイプと比べるとウェアの膨らみが著しく分かります。なにやら上半身だけたくましくなった気分に。
ベストタイプは、袖口がゴムになっており、半袖タイプよりも空気が逃げにくくなっています。そのおかげでより涼しくはあるのですが、服が膨張してしまうというリスクも。
これは好き嫌いが分かれることになりそうです。
ファン付きウェアは外で着ても涼しいの?
室内で着た限りでは十分な涼しさを提供してくれたファン付きウェアですが、果たして外でも涼しくなるのでしょうか。
30度を超える炎天下で着用して実験してみました。
ファンから風は送られてくるものの、それほどの涼しさはありません。やはり外気が暑いとそれほど効果はないのでしょうか。
しかし、ここで先述した気化熱が役に立ってくるのです!
しばらく歩き回り、汗をかくようになってくると徐々に涼しさを感じるように。
涼しさに歓喜する編集部員
これが気化熱か!
めちゃくちゃ涼しいというわけではありませんが、ファン付きウェアを着ていない状態と比べるとかなり違いを感じます。
特にタンクトップなど、肌の露出が多い服を下に着ているとより涼しさを感じることができそうです。
もちろん、これさえあれば熱中症が防げるというほどのものではありませんが、かなり暑さを緩和してくれるものといえるでしょう。
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ファン付きウェアの気になる点は? 「着るのに勇気がいる」「マッチョになる」
室内でも屋外でも優れた効果を発揮したファン付きウェア。
しかし、「誰にでもおすすめできるか」といわれると、そうともいえません。
実際に試してみて、気になった点をご紹介します。
ファン付きウェアの気になる点:手で持つと重い
ファン付きウェアは、風が通り抜けないような作りながらも、かなり薄手に作られています。
そのため、ウェア自体はとても軽いのですが、ファン2個とバッテリー、コードなどを合わせるとだいたい500gくらいの重さに。
なので、手で持つとそれなりに重さを感じます。
ただ、着てみるとその重さは気になるほどではなく、上着にスマホを入れている程度の重みしか感じません。
ファン付きウェアの気になる点:ファンの音が大きい
半袖タイプもベストタイプも、ファンの回転数を変更する機能が付いていますが、強くするほど音が大きくなるという欠点が。
このファンの音が、屋内では結構大きく響きます。
そのため店に入ったり、エレベーターに乗ったりすると注目を集めてしまうかもしれませんが、屋外で着るぶんには音はまったく気になりません。
ファン付きウェアの気になる点:ウェアが膨らむ
ファン付きウェアは風を循環させるため、大量の空気を服の中に送り込みます。
その結果、ウェアが膨張し上半身だけムッキムキ状態に。この膨らみは半袖タイプのものよりもベストタイプのほうが顕著でした。
左が電源オフ、右が電源オン
左が電源オフ、右が電源オン
ウェアが膨張するのが嫌な場合は、半袖タイプのように空気の逃げる道のあるものを選ぶといいかもしれません。
ちなみに、もともとマッチョな人が着るとあまり違和感がありませんでした。
ナイスマッチョ!
ファン付きウェアの気になる点:デザインが微妙
ファン付きウェアを着るにあたって、一番気になるのがデザインでしょう。
いくら涼しいからといって、普段着として使用するには少し抵抗があります。
ベストタイプのものは、ファンが目立たないように黒い線を入れていますが、まだまだ街中で着るには勇気がいるデザインです。
また、電源を入れると、ウェアを通して光が漏れてしまっている点も気になるところ。
半袖タイプも正面から見れば普段着っぽい形ですが、背中側はファンが目立ってしまっています。
普段使いするには、あと一歩といったところでしょうか。
しかし、アウトドアや真夏のフェス、スポーツ観戦や犬の散歩など、シーンによっては「気にせずに着用することができそう」という声が編集部内で多数上がりました。
ファン付きウェアは涼しいの? まとめ
ファン付きウェアを実際に着用して、その効果をためしてみました。
小さなファンながらも身体を冷やす効果は高く、キャンプなどでは活躍すること間違いなしでしょう。
とはいえ、「普段着として使用できるか」といわれると、少し不安なところ。シチュエーションを選んで使い分けるといいかもしれません。
ファン付きウェア よい点
・外気温が高くても気化熱で冷やしてくれる
・モードにもよるが、駆動時間が長い
・コード類もまとまっており邪魔にならない
ファン付きウェア 気になる点
・荷物としては重い
・室内だとファンの音が気になる
・ウェアが膨らむ
・デザイン的に微妙
ただ出歩くだけでも熱中症などの危険がある日本の夏。
ファン付きウェアなどを使用して、少しでも快適に過ごしたいものですね。
[文・構成/grape編集部]