grape [グレイプ] lifestyle

ドライイーストの代用品10選! 使う時の注意点や使わないほうがよい粉もあわせてご紹介

By - grape編集部  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

ドライイーストの写真

※写真はイメージ

「パンを作りたいのに、ドライイーストが手元にない」「家にあるもので代用できないかな」このようなお悩みを抱えたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

小麦や砂糖と混ぜ合わせることで、パンをふっくらと仕上げられるドライイースト。

ドライイーストを使わないでふわふわのパンを作ろうとすると、発酵に時間がかかったり、生地に弾力がなくなったりします。

そこで本記事では、ドライイーストの代用品を紹介します。

台所にある身近なものから少し珍しい粉まで幅広く紹介しています。また、代用品を扱う際の注意点や使わないほうがいいものも紹介しているので、合わせて確認してみてください。

ドライイーストの概要やほかの粉との違い

小麦粉の写真

ドライイーストの概要や役割を紹介し、ベーキングパウダー・ベーキングソーダ(重曹)との違いをそれぞれ解説します。

ドライイーストはパンを膨らませる酵母

イーストの種類は、生イースト・ドライイースト・インスタントドライイーストの3つがあります。その中でもドライイーストとは、生のイーストを加熱処理したものに乳化剤を加えた粉のこと。そもそもイーストは、パンの材料である小麦粉や糖分を栄養とする酵母を指します。

ドライイーストの酵母は、普段は眠っているので、使う時にはぬるま湯で発酵力を復活させる予備発酵を行わなければなりません。

ちなみに、インスタントドライイーストは乾燥させた酵母を粒に加工した粉を指します。発酵力が強く、予備発酵が不要。ほかのイーストよりも簡単にパンが膨らむので、初心者でも使いやすいでしょう。

ドライイーストの役割

ドライイーストは、パンの材料となる小麦や砂糖と一緒に混ぜることで、生地のふくらみや香り、風味を生み出します。生地にふくまれた糖類などを分解することで、大量の炭酸ガスを発生させるのです。粉を混ぜ合わせる最初の段階でドライイーストを加えることで、栄養の吸収度がアップし、スムースに発酵が進みます。

ただし、ドライイーストの酵母は、塩に触れると水分を奪われて死んでしまうので、塩はドライイーストの隣に置いてはいけません。塩と合わせる時は、手早く混ぜてください。

ドライイーストを使うことで、炭酸ガスだけでなく、エチルアルコールなどのさまざまな風味成分や焼き色をつけるために必要な成分が生成されます。イーストは、おいしくパンを焼き上げるのに欠かせない役割を果たしているのです。

ドライイーストととほかの粉との違い

ここでは、ドライイーストとベーキングパウダー・ベーキングソーダ(重曹)の違いについて、膨らみ方を中心に解説します。

ベーキングパウダーとの違い

ベーキングパウダーは重曹に酸性剤と遮断剤を加えた膨張剤です。ベーキングパウダーにも生地を膨らませる役割があるが、ドライイーストよりも膨らむ力は弱く、縦に膨らむ性質があるため、ふんわりとした食感に仕上がるのが特徴。

また、ドライイーストとベーキングパウダーは、パンを膨らませるタイミングも異なります。は発酵の過程で膨らむドライイーストに対し、ベーキングパウダーは、水と熱が加わる過程で膨らみます。さらに、ドライイーストは炭酸ガスが生地を膨らませますが、ベーキングパウダーは水分と反応したあとに加熱によって膨らむ点も違いです。

ベーキングソーダ(重曹)との違い

ベーキングソーダは「重曹(食用重曹)」と呼ばれている膨張剤です。ベーキングパウダーと異なり、酸性剤などが含まれていません。

ベーキングソーダはドライイーストと同様に、炭酸ガスの発生により生地を膨らませます。横に膨らむ性質があるので、しっとりとした食感に仕上がるのが特徴です。ドライイーストがパン作りに使われるのに対し、ベーキングソーダ(重曹)は洋菓子や和菓子に使われることが多い傾向にあります。

ドライイーストの代用品6選

小麦粉の写真

ドライイーストの代用品は、以下の6つです。

  • ベーキングパウダー
  • ベーキングソーダ(重曹)
  • 天然酵母
  • ヨーグルト酵母
  • ホットケーキミックス
  • パンミックス

それぞれの特徴や使い方、注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ベーキングパウダー

お菓子やパン作りによく使われる膨張剤であるベーキングパウダー。重曹・重酒石酸カリウム・炭酸アンモニウムを混ぜ合わせることで作られる粉です。

ベーキングパウダーは、水分に反応して発生する炭酸ガスによって生地を膨らませることから、別名「ふくらし粉」とも呼ばれます。ドライイーストよりも膨らむ力は弱いものの、縦に膨らむので、ピザやナンなどの平べったい生地と相性がいいです。

ベーキングパウダーにもパンを膨らませる効果があるので、ドライイーストの代用品として使用できます。使う時の予備発酵は必要ありません。

ベーキングソーダ(重曹)

焼き菓子の膨張剤や野菜のアク抜きに使われる、白い粉末状の食品添加物であるベーキングソーダ(重曹)。炭酸水素ナトリウムから作られた粉で、お菓子の膨張剤や野菜のアク抜きなどに使われることが多いです。

ドライイーストと同じように炭酸ガスを発生させて生地を膨らませるため、代用品として使えます。ただし、炭酸水素ナトリウムの性質上、生地が黄色っぽくなりやすいので、白いパンを作りたい時は避けたほうがいいです。入れすぎると苦味が出てしまうので、量の調整を心がけましょう。

天然酵母

ドライイーストと同じくイースト菌から作られているのが天然酵母。ただし、ドライイーストとは菌の種類が異なります。

ドライイーストが強い発酵力を持った菌だけを集めて工場で純粋培養した単一酵母。一方で、天然酵母は果実や果汁などの周りの酵母菌を採取することで作られるので、多種多様のものが混在しています。

天然酵母の場合は、小麦粉や果物の自然な香りが残るので、イースト発酵の香りが苦手な人でもおいしく味わえます。代用品として使う場合、ドライイーストより発酵に時間がかかりますが、その分しっとりとした仕上がりになるでしょう。

ヨーグルト酵母

ヨーグルト単体では膨らまずべちゃっとした仕上がりになりますが、ヨーグルト酵母ならドライイーストの代用品として使用可能です。

ヨーグルト酵母は、果物系の酵母エキスと違って乳酸菌が含まれます。そのため、ほかの雑菌が増えるのを抑えながら酵母菌が増えやすい環境を作れるのです。

ヨーグルト酵母は発酵力が強いので、ボリューミーな仕上がりになります。食パンや菓子パンなど、ソフトな食感のパンを作る際に便利です。

ホットケーキミックス

ホットケーキミックスは、ケーキ・パン・惣菜などを、簡便に調理できる調整粉のこと。小麦粉をベースとし、ホットケーキを作るために適した量の糖類やベーキングパウダーなどとブレンドすることで作られます。

ホットケーキミックス自体にベーキングパウダーが含まれているので、ドライイーストの代用品として使っても問題ありません。ただし、ホットケーキミックスはすでに味がついている状態なので、ホットケーキのような味になりやすいのが懸念点です。菓子パンなら違和感なく味わえますが、惣菜パンを作るのには向かないでしょう。

パンミックス

パンミックスは、食パンを作るのに必要な水以外の全ての材料をブレンドした粉です。一括りにパンミックスといっても材料はさまざまで、小麦粉をメインに使用したもの・小麦粉以外に大豆粉や全粒粉をブレンドしたもの・米粉使用のものなどがあります。

ホットケーキミックスと同様、パンミックス自体にイーストが含まれているので、ドライイーストの代用品として使用可能です。

ドライイーストを代用する際の2つの注意点

丸く形成した後のパン生地の写真

ここでは、ドライイーストの代用品を使う際の注意点を紹介します。

  • 代用品の特徴を活かす。
  • 作り方に気をつける。

それぞれの代用品にも特徴があるので、使い方を間違えるとおいしいパンが作れません。注意点を理解して、パン作りに挑戦してみてください。

代用品の特徴を活かす

ドライイーストの代用品は、サクッとした食感やふんわりとした仕上がりになるものなど、それぞれ特徴が異なります。サクッとする食感のパンを作るならベーキングパウダーやベーキングソーダ、ふんわり仕上げるなら天然酵母と、使い分けるのがおすすめです。

また、天然酵母はりんごやぶどうなど酵母菌の種類によって味が異なるので、作りたいパンに合わせて選んでみてください。

作り方に気をつける

ホームベーカリーは基本的にドライイーストを使うことを想定しているので、代用品に対応してないケースがほとんどです。そのため、代用品を使う時はホームベーカリーが使えるかどうかを入念にチェックしましょう。

また、ホームベーカリーは、ドライイーストを使用した時の作り方で発酵時間を想定しています。そのため、代用品に合わせてレシピをアレンジする必要があることも理解しておいてください。ちなみに、重曹やベーキングパウダーで作る時は発酵が不要です。

ドライイーストの代用品に向かない粉

ドライイーストの写真

ドライイーストと同じような粉でも、生地を膨らませる働きをしないものは代用品として適しません。例として、片栗粉・小麦粉・コーンスターチなどが挙げられます。

片栗粉やコーンスターチはポンデケージョのようなもっちりとしたパンに使われますが、それ自体に生地を膨らます働きはありません。炭酸水やマヨネーズも、ドライイーストの代用品としては使えない食品です。

ドライイーストの保存方法

タッパーに詰めた食材を冷蔵保存する写真

ドライイーストを長持ちさせるための保存方法は、以下の2つです。

  • 密閉する。
  • 冷蔵庫で保存する。

イースト菌は生き物なので、保存の仕方を間違えると死んでしまいます。しっかり押さえておきましょう。

密閉する

開封したらなるべく早く使い切るのが理想ですが、実際には一定期間保管することもあると思います。その場合は、しっかりと密閉して空気が入らないようにしなければなりません。具体的には以下の通りです。

  1. 空気を抜きながら、袋の余った部分を三つ折りにしてゴムなどで止める。
  2. 保存袋に入れ、袋の空気を抜きながらコンパクトに畳む。

なお、密閉するためには、開け方にも注意が必要です。袋の角を1cmほど切り落として使用すると、あふれることがないので安心して使えます。

保存に自信がない場合は、使い切りタイプを選ぶのも手です。

冷蔵庫で保存する

ドライイーストは常温で販売されていますが、一度空気に触れると菌が活動を始めます。開封後は必ず冷蔵庫で保管しましょう。

冷蔵庫で保管している場合でも、イースト菌が活動することがあります。あまりパン作りをしないなら冷凍保存を選ぶのがおすすめです。冷凍庫に入れる場合の使用期限の目安は半年と言われています。

ドライイーストの代用品でおいしいパンを作ろう

焼きたてのパンの写真

ドライイーストはパンを膨らませる酵母です。粉を混ぜ合わせる最初の段階で加えることで、ドライイーストがしっかり栄養を吸収し、スムースに発酵を進めます。パンの材料となる小麦や砂糖と一緒に混ぜることで、生地のふくらみや香り、風味を生み出すのです。

ドライイーストの代用品は以下の6つです。

  • ベーキングパウダー
  • ベーキングソーダ
  • 天然酵母
  • ヨーグルト酵母
  • ホットケーキミックス
  • パンミックス

代用品にも、それぞれの特徴や向いているパンなどがあります。理解した上で活用しましょう。

また、小麦粉や片栗粉などの生地を膨らませる効果のない粉は、代用品に向きません。誤って使用しないように気をつけてください。

代用品を上手く活用して、おいしいパンを作りましょう。


[文・構成/grape編集部]

Share Post LINE はてな コメント

page
top