日本三大珍味のカラスミとは? 特徴から食べ方までまるっと解説! By - COLLY 公開:2024-06-27 更新:2024-06-27 料理 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ お酒を飲む人たちの間では、酒のあてとして有名なカラスミ。『うに』『このわた』とともに、日本三大珍味として知られている食材です。決して価格が安くはないため、食べたことがない人も多いのではないでしょうか。 この記事ではそんなカラスミについて、特徴や味に加え、アレンジレシピまでご紹介していきます。高級食材といわれるカラスミが、一体どのようなものなのか見ていきましょう。 カラスミとは? ※写真はイメージ まずはカラスミの原料や、製造方法などの基本情報をご紹介します。珍味と呼ばれる理由も分かるので、ぜひ最後まで読んでみてください。 カラスミの原料 カラスミは、魚の卵巣を塩漬けし、乾燥させたものです。使用される魚は、マグロやサワラ、サバなどですが、日本ではボラの卵巣を使ったものを指すことが多いようです。ほかの魚と比べると、ボラの卵は脂質が多いため、よりチーズのようなうまみを味わえます。 かつての中国である唐から伝わった当初は、墨に似ていたことから『唐墨』と呼ばれるようになったそうです。2024年現在は加工技術が発達し、色味は深みのあるオレンジ色となっています。 カラスミの名産地 カラスミは、もとはギリシャやトルコ、エジプトあたりで製造されていたものが中国に伝わり、中国から日本の長崎には16世紀頃に伝わったのだとか。その歴史的背景もあり、現在も長崎はカラスミの生産地として名高い地域となっています。 また、国外では台湾やイタリアも有名です。台湾ではあちこちの露店で販売されているのが見受けられます。イタリアでは地中海に浮かぶサルデーニャ島が産地として有名です。現地では『ボッタルガ』と呼ばれ、日本のカラスミより歴史は古いとされています。 カラスミが高級な理由 カラスミは、血抜き、塩漬け、塩出し、酒漬け、成形、天日干しといった製造工程を経て作られます。使用材料は塩、酒と少ないながら、完成まで1か月以上と非常に手間のかかるものです。 また、魚卵をたくわえたボラ漁の期間は1か月ほどと短いうえに、漁獲量が減っているため、より希少価値が上がっています。これらがカラスミの値段が高い要因です。 国産の本カラスミの場合、100g当たり6千円〜1万円ほどします。イタリア産のものやパウダー状のものはもう少し安いので、用途に合わせて購入するのがよさそうです。 カラスミの味 日本のみならず、ほかの国々でも昔から食べられてきたカラスミですが、味はどう変わるのでしょうか。使用される魚種によっても味わいが若干異なるようです。 日本で主流のボラのカラスミは、濃厚でねっとりした味わいが特徴になります。イタリアでマグロの卵巣から作られるボッタルガは、日本のものより少しあっさりしているとのこと。しかし、いずれも保存食のため塩辛いです。 カラスミはどう食べる? ※写真はイメージ カラスミの基本情報については理解が深まったでしょうか。カラスミの基本的な楽しみ方から、カラスミを使ったアレンジレシピまでご紹介していきます。 カラスミの食べ方 カラスミはもともと保存食であるため、塩辛い味付けになっています。一度に大量に食べるものではなく、少量ずつ塩味とうまみを楽しむ食材です。一般的にどのように食べられているのか見ていきましょう。 そのまま まずは、カラスミを1、2mm程度に薄く切り、そのままいただいてみましょう。お酒のあてにぴったりで、カラスミ本来の味を楽しめます。表面の薄皮は剝いてからスライスしたほうが、口当たりよく味わえますよ。 軽く炙る スライスしたカラスミを、トースターやバーナーで炙ってみましょう。香ばしい風味が加わり、そのままでは少し生臭いと感じていた臭いも気にならなくなります。カラスミの脂分が溶けだし、チーズのような濃厚さが感じ取れるかもしれません。 炒めものに 普段の料理の隠し味に使うのもおすすめです。カラスミをすりおろして使うことで、料理全体にうまみと塩味が混ざります。肉の入っていないシンプルな野菜炒めも、ワンランク上の仕上がりとなりますよ。 カラスミのアレンジレシピ3選 カラスミの基本的な食べ方を見てきました。そのままでもおいしく、料理に使ってもうまみを底上げしてくれる素晴らしい食材ですね。 次からはカラスミを使った、おもてなしにぴったりなアレンジレシピをご紹介していきます。カラスミを初めて食べる人にも喜ばれるレシピなので、ぜひ参考にしてみてください。 『からすみのカナッペ』のレシピ 『ニッスイ』のウェブサイトにあるレシピからご紹介します。定番のカラスミダイコンをカナッペにすることで、日本酒にもワインにも合うおつまみに。火を使わないので、急な来客時にもサッと作れます。 材料:2人分 からすみ1/4腹 フランスパン5cm だいこん40g かいわれ大根適宜 『わさびマヨネーズ』 ねりわさび小さじ2分の1 マヨネーズ大さじ1 作り方 1.からすみは8枚の薄切りにします。 2.フランスパンは5~6mm厚さで8枚に切り、オーブントースターでカリッと焼きます。 3.だいこんは12cm長さ・1cm幅に切り、ピーラーで薄いリボン状に切ります。 4.ねりわさび・マヨネーズを混ぜて【わさびマヨネーズ】をつくります。 5.(2)に(4)を薄くぬり、たたんだ(3)・(1)をのせ、かいわれ大根をトッピングします。 ・かいわれ大根の代わりにブロッコリースプラウトを使ってもよいでしょう。 ・だいこんの代わりに、きゅうり・ラディッシュを使ってもよいでしょう。 ニッスイ ーより引用 『からすみといかの冷製クリームパスタ』のレシピ 引き続き『ニッスイ』のレシピです。大葉の風味がさわやかな、夏にぴったりの冷製パスタはいかがでしょうか。生クリームは植物性のさっぱりしたものを使うことで、カラスミの濃厚さとマッチするようになっています。 材料:2人分 からすみ1/4腹 イカ(刺身用上身)1枚(100g) スパゲッティ140g たまねぎ1/2個 サラダ油小さじ1 塩小さじ1/2 こしょう少々 生クリーム(植物性)200㎖ 大葉6枚 作り方 1.からすみはトッピング用に約3mm厚さ2枚の薄切りにします。残りのからすみ・いかは細切り、たまねぎは薄切りにします。 2.フライパンにサラダ油を熱し、たまねぎをしんなりするまで炒めて火を止め、塩・こしょうで味をととのえます。いか・生クリーム・からすみの順に加えながら混ぜ合わせます。 3.鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(分量外)・スパゲッティを入れてゆで、冷水でしめて水気をよく切り、ボウルに入れて(2)と和えます。 4.(3)を器に盛り付け、せん切りにして水にさらした大葉・トッピング用のからすみをのせます。 ・さっぱりした冷たいパスタには、細麺がおすすめです。 ニッスイ ーより引用 『からすみのリングイネ』のレシピ 続いては『ミツカン』のレシピから、今度は温かいパスタのご紹介です。カラスミを具材のメインにした和風のペペロンチーノ風パスタは、日本酒とよく合いそうですよ。 材料:2人分 リングイネ120g ニンニク6g 赤とうがらし0.4g オリーブオイル30g 『料亭白だし』30㎖ 水30㎖ カラスミ12g パセリ1g 作り方 1.鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(分量外)を加えてリングイネをゆでる。 2.にんにくはみじん切りにし、赤とうがらしは小口切りにする。 3.フライパンにオリーブオイル、2を入れて炒め、香りが出てきたら、「料亭白だし」、水を加えて一煮立ちさせ、ゆで上がったリングイネを加えてあえる。 4.3を皿に盛り、薄切りしたからすみ(4g)、すりおろしたからすみ(2g)、みじん切りしたパセリを散らす。 ※カラスミの塩分とオリーブオイルのコクがパスタにからみ、旨みを引き出します。 ミツカン ーより引用 高級珍味、カラスミを食べてみよう! カラスミについて、基本情報からアレンジレシピまでご紹介しました。江戸時代から日本三大珍味の1つに挙げられるカラスミは、今なお受け継がれてきた食文化の1つといえるでしょう。見かけた時は、ぜひ一度食べてみてください。 [文・構成/grape編集部] 出典 ニッスイ公式サイト/ミツカングループ Share Post LINE はてな コメント
お酒を飲む人たちの間では、酒のあてとして有名なカラスミ。『うに』『このわた』とともに、日本三大珍味として知られている食材です。決して価格が安くはないため、食べたことがない人も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなカラスミについて、特徴や味に加え、アレンジレシピまでご紹介していきます。高級食材といわれるカラスミが、一体どのようなものなのか見ていきましょう。
カラスミとは?
※写真はイメージ
まずはカラスミの原料や、製造方法などの基本情報をご紹介します。珍味と呼ばれる理由も分かるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
カラスミの原料
カラスミは、魚の卵巣を塩漬けし、乾燥させたものです。使用される魚は、マグロやサワラ、サバなどですが、日本ではボラの卵巣を使ったものを指すことが多いようです。ほかの魚と比べると、ボラの卵は脂質が多いため、よりチーズのようなうまみを味わえます。
かつての中国である唐から伝わった当初は、墨に似ていたことから『唐墨』と呼ばれるようになったそうです。2024年現在は加工技術が発達し、色味は深みのあるオレンジ色となっています。
カラスミの名産地
カラスミは、もとはギリシャやトルコ、エジプトあたりで製造されていたものが中国に伝わり、中国から日本の長崎には16世紀頃に伝わったのだとか。その歴史的背景もあり、現在も長崎はカラスミの生産地として名高い地域となっています。
また、国外では台湾やイタリアも有名です。台湾ではあちこちの露店で販売されているのが見受けられます。イタリアでは地中海に浮かぶサルデーニャ島が産地として有名です。現地では『ボッタルガ』と呼ばれ、日本のカラスミより歴史は古いとされています。
カラスミが高級な理由
カラスミは、血抜き、塩漬け、塩出し、酒漬け、成形、天日干しといった製造工程を経て作られます。使用材料は塩、酒と少ないながら、完成まで1か月以上と非常に手間のかかるものです。
また、魚卵をたくわえたボラ漁の期間は1か月ほどと短いうえに、漁獲量が減っているため、より希少価値が上がっています。これらがカラスミの値段が高い要因です。
国産の本カラスミの場合、100g当たり6千円〜1万円ほどします。イタリア産のものやパウダー状のものはもう少し安いので、用途に合わせて購入するのがよさそうです。
カラスミの味
日本のみならず、ほかの国々でも昔から食べられてきたカラスミですが、味はどう変わるのでしょうか。使用される魚種によっても味わいが若干異なるようです。
日本で主流のボラのカラスミは、濃厚でねっとりした味わいが特徴になります。イタリアでマグロの卵巣から作られるボッタルガは、日本のものより少しあっさりしているとのこと。しかし、いずれも保存食のため塩辛いです。
カラスミはどう食べる?
※写真はイメージ
カラスミの基本情報については理解が深まったでしょうか。カラスミの基本的な楽しみ方から、カラスミを使ったアレンジレシピまでご紹介していきます。
カラスミの食べ方
カラスミはもともと保存食であるため、塩辛い味付けになっています。一度に大量に食べるものではなく、少量ずつ塩味とうまみを楽しむ食材です。一般的にどのように食べられているのか見ていきましょう。
そのまま
まずは、カラスミを1、2mm程度に薄く切り、そのままいただいてみましょう。お酒のあてにぴったりで、カラスミ本来の味を楽しめます。表面の薄皮は剝いてからスライスしたほうが、口当たりよく味わえますよ。
軽く炙る
スライスしたカラスミを、トースターやバーナーで炙ってみましょう。香ばしい風味が加わり、そのままでは少し生臭いと感じていた臭いも気にならなくなります。カラスミの脂分が溶けだし、チーズのような濃厚さが感じ取れるかもしれません。
炒めものに
普段の料理の隠し味に使うのもおすすめです。カラスミをすりおろして使うことで、料理全体にうまみと塩味が混ざります。肉の入っていないシンプルな野菜炒めも、ワンランク上の仕上がりとなりますよ。
カラスミのアレンジレシピ3選
カラスミの基本的な食べ方を見てきました。そのままでもおいしく、料理に使ってもうまみを底上げしてくれる素晴らしい食材ですね。
次からはカラスミを使った、おもてなしにぴったりなアレンジレシピをご紹介していきます。カラスミを初めて食べる人にも喜ばれるレシピなので、ぜひ参考にしてみてください。
『からすみのカナッペ』のレシピ
『ニッスイ』のウェブサイトにあるレシピからご紹介します。定番のカラスミダイコンをカナッペにすることで、日本酒にもワインにも合うおつまみに。火を使わないので、急な来客時にもサッと作れます。
『からすみといかの冷製クリームパスタ』のレシピ
引き続き『ニッスイ』のレシピです。大葉の風味がさわやかな、夏にぴったりの冷製パスタはいかがでしょうか。生クリームは植物性のさっぱりしたものを使うことで、カラスミの濃厚さとマッチするようになっています。
『からすみのリングイネ』のレシピ
続いては『ミツカン』のレシピから、今度は温かいパスタのご紹介です。カラスミを具材のメインにした和風のペペロンチーノ風パスタは、日本酒とよく合いそうですよ。
高級珍味、カラスミを食べてみよう!
カラスミについて、基本情報からアレンジレシピまでご紹介しました。江戸時代から日本三大珍味の1つに挙げられるカラスミは、今なお受け継がれてきた食文化の1つといえるでしょう。見かけた時は、ぜひ一度食べてみてください。
[文・構成/grape編集部]