配達員が『タワマン』への配達に苦悩 「これ本当にきつい」「なんとかならんかね」
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配達員として働いていれば、マンションや会社のオフィスなど、さまざまな場所に荷物を届けることになるでしょう。
月給制ではなく、荷物1つを配達した単価で給与が決まる『完全出来高制』で働いている場合は、いかに効率よく配達先を回り、より多くの荷物を届けられるかが収入に直結します。
時には、一般的に20階以上の超高層マンションを指すタワーマンション(略称:タワマン)に荷物を届けることも。配達員にとって、タワマンへの配達は『効率的』なのでしょうか。それとも『非効率的』なのでしょうか。
タワマンへの配達、なぜ非効率
2024年11月5日、Xで『タワマン地獄』という単語がトレンド入り。さまざまな声が上がっています。
『地獄』とうたっているのは、ほとんどの配達員にとってタワマンへの配達は『非効率的』であり、苦労が多いことを表しています。
前述した通り、タワマンの一般的な定義は『20階以上の超高層マンション』。階数が多いぶんエレベーターでの昇降にかかる時間は増します。しかし、配達員を悩ませているのは単に階数の多さだけではありません。
一般的なマンションに荷物を届ける際は、住民と共用のエントランスやエレベーターを利用するでしょう。
しかしタワマンの場合は、専用の入り口を通り、警備室で受け付けをしなければならないことがあります。また、住民用とは別の業者用エレベーターを利用することが多く、清掃業者などと共用で使うため、余計な待ち時間が発生してしまうのです。
実際に配達員として働いている人からは、このような声が上がっています。
・配達するごとに1階に戻ってインターホンを鳴らさないとエレベーターに乗れないセキュリティ、なんとかならんかね。
・これ本当にきつい。コンシェルジュがいるのに、預かってくれないタワマンもある。
タワマンにはコンシェルジュと呼ばれる、居住者の生活面でのサポートや案内業務などを行うスタッフが駐在しているパターンが多い模様。
コンシェルジュは入居者の代わりに宅配便の取り次ぎをすることもありますが、不在時は対応できないなど、配達員の望んでいるような機能は果たしていない場合が多いようです。
また、タワマンにも一般的なマンションと同様に、宅配ボックスが備わっていることもあります。しかし当然、客が不在かつボックスがいっぱいの場合は、荷物を持ち帰り再配達をする必要が生じてしまうのです。
※写真はイメージ
また、具体的な解決策を提案する声もいくつか上がっていました。
・タワマンはもう1階に宅配ボックスを設置するのを義務化すべきだと思う。
・高層マンションのエレベーターの昇降はロボットに任せるようにすればいい。
利便性とのバランスを図ることが…
近年のテクノロジーを駆使すれば、配達における一部作業をロボットに任せることは実現不可能ではないのかもしれません。しかし現実問題、コスト面などを考えると、導入まで至らない理由があるのでしょう。
タワマンには、高層階からのきれいな眺望や強固なセキュリティなど、一般的なマンションでは味わえない魅力も。
一方で、宅配業者の視点から『タワマン地獄』と呼ばれるような、利便性に乏しい面があるのも事実といえます。
こうしたタワマンのよさと利便性のバランスをいかにうまく取っていくかが、社会において長年の課題になりそうです。
[文・構成/grape編集部]