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藝大の卒業生の部屋に「ほれぼれする」 2体の仁王像が並ぶ光景がこちら

By - エラチヒトシ  公開:  更新:

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仁王像の写真

これは「なんかいいな」と思って撮ったのに、誰にも見せずに半年が経ってしまった写真です。

2024年9月18日、そんなコメントを添えて自宅での1枚をXに公開したのは、みよしん(@GOEGOE05)さんです。

みよしんさんは、東京藝術大学大学院の卒業生。学部卒業後に大学院へ進み、文化財保存彫刻について学んでいました。

大学院を卒業した後は、自らが制作した像を展示会に出展するなどの活動を行っています。

みよしんさんの作品は、展示会などに足を運べば誰でも見ることができますが、普段は自宅に保管しているようです。

それでは、みよしんさんの部屋を少し覗いてみましょう…。

仁王像の写真

机の上に並んでいるのは、すっかり日常に溶け込んだ、2体の仁王像!

仁王像といえば、筋骨隆々とした身体に、怒りをあらわにした表情のイメージが強いでしょう。

しかし、みよしんさんが作り出した仁王像は、がっしりとした身体つきではあるものの、なぜか荘厳さは感じられません。

左には狛犬を抱きかかえてモフモフしている仁王像、その隣にはスマートフォンを両手に持ち、イヤホンで音楽を楽しんでいる仁王像…。まさに『職務放棄』しているともいえよう2体には、どこか愛らしさすら感じますね。

仁王像の写真

なお、みよしんさんによると、この2体はいずれも展示のために制作したもので、決して自宅で楽しむ用に置いているわけではないとか。

たまたま撮れた、思わず合掌したくなるような光景には、3万件もの『いいね』が付くとともに、数々のコメントが寄せられていました。

・オフモードの仁王様。いいですね。いつも目を見張っていたら疲れますよね。

・サウナ室の中の写真かな…。休憩時間はいつもこうなんですかね。

・仁王像っぽいから、怒ってる顔なのかと思ってよく見たらご満悦だった。

・半年寝かした写真は、熟成していますね。ほれぼれします。

なぜ、威厳のある一般的なイメージとは対象的な仁王像を作ろうと思ったのか、気になった筆者。みよしんさんに、話を聞いてみることにしました。

オフモードの仁王像は、どのように生まれたのか

――作品のコンセプトは?

神様や仏様に頼るという文化が薄れてきていると感じ、形を変えてなくなっていく文化にさびしさを覚えた時がありました。ですが、人がそれらを頼る時はきっと苦しい時です。神様や仏様に頼らずに生きていけることは、人々の生活基盤が整うことで平穏に生きていける証のように思えました。

仏像たちを拝む習慣も少なくなったので、「きっと仏像たちは逆に暇を持て余しているだうな」と思ったんです。

「今まで私たちを見守り支えてくれたぶんまでゆっくり楽しんで休んでほしい」「人々がそれらに頼らなくてもいいようになってほしい」といったいろいろな願いを込めて、リラックスした働いていない『オフの日』の仏像を制作しています。

どこか親近感すらおぼえる仁王像たちには、みよしんさん自身の強い思いが確かに込められていたのでした。

2体の仁王像を眺めていると、普段頑張りすぎている人も「肩の力を抜いてもいいんだ」と、少し気楽に思えそうですね。

同年11月15日現在、東京都中央区にあるアートギャラリー『日本橋N11ギャラリー』にて個展『仁王像たちのオフの日・2024秋』が開催中。開催期間は同月29日までとなっています。

この投稿をきっかけに、みよしんさんの作品が気になった人は、ぜひ足を運んでみてくださいね。


[文・構成/grape編集部]

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出典
@GOEGOE05

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