救助隊員も「驚いた」 凍った湖に落ちた体重300kg超えの動物が?
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真冬に気温が氷点下になる地域では、湖が凍り、氷の上を歩いていた犬などが水の中に落ちてしまうことがあります。
寒い地域で働く救急隊員や消防隊員は、そのような事態に備えて救助の訓練をしているといいます。
2025年1月、アメリカのニューヨーク州にある『ニューヨーク州環境保全局』に、湖に落ちた動物の救助を要請する電話が入りました。
その救助の対象は犬ではなく、非常に珍しい野生動物。
アバナキー湖の近くを歩いていた人が、凍った湖にヘラジカが落ちるところを目撃したのです。
ヘラジカは平均体重がメスは380kg、オスは500kgもあるといわれる世界最大のシカです。
こんなにも大きくて重い動物は、犬と違って持ち上げて助けることはできません。
しかし、通報を受けた警察官とレスキュー隊員たちはかわいそうなヘラジカを見捨てませんでした。
現場に駆けつけた彼らは、どうしたらヘラジカを助けられるか作戦を練ります。
ヘラジカが落ちた場所から湖岸までは約91mと見られるため、氷を割って水路を作り岸まで泳がせることにしたのです。
幸い氷の厚みはもっとも厚いところで約10cmで、チェーンソーで割るのは簡単だったのだとか。
果たしてこの作戦はうまくいったのでしょうか。実際の救助の様子をご覧ください。
水路が完成後、レスキュー隊員たちはヘラジカの周りを棒で突いて岸へ誘導しようとしましたが、動かなかったのだそう。
次にソリでヘラジカを押すようにしたら、この方法が成功。ヘラジカは水路をぐんぐん泳ぎ始めてあっという間に岸までたどり着きました。
そしてヘラジカは自力で岸に登り、元気そうに歩き去ったということです。
『ニューヨーク州環境保全局』が動画を公開すると、隊員たちに称賛の声が上がりました。
・この美しいヘラジカを、助けてくれてありがとう。
・あなたたちの思いやりある勇敢な仕事ぶりに、感謝します。
・人々が野生動物を支援するのを見るのは、素晴らしいね。
動画の中で隊員たちは「2時間も氷の中にいたのに、ヘラジカが自力で岸に上がったのには驚きました。ようやく森のほうへ歩いて行く姿を見ることができてよかった」と喜びを表しました。
また、現場にいた保安官のロバート・ヒギンスさんは「氷からヘラジカを救助するための、訓練マニュアルはないからね」と笑いながら話しています。
その場で思い付いた救助作戦がこんなにもうまくいったのは、まさに日頃の訓練や経験の賜物といえますね。
助けてもらったヘラジカも、きっと感謝していることでしょう。
[文・構成/grape編集部]