成田凌と松山ケンイチの表現に息をのむ 『クジャクのダンス、誰が見た?』第5話考察
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SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2025年1月スタートのテレビドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
『クジャクのダンス、誰が見た?』には、毎週どこかに俳優陣の演技にドキッとさせられる瞬間がある。
初回ならば、心麦(広瀬すず)と松風(松山ケンイチ)の「僕が君の目になる」というシーン、2話目なら記者の神井(磯村勇斗)が「誰だと思ってんですか?神井ですよ」といいながらギラギラと高揚するシーン。
4話目は、その神井と松風が喫茶店で互いを探り合うシーン。
そして今回特に印象的だったのは、松風と遠藤友哉(成田凌)の拘置所での面会の場面だった。
友哉の書く文字も文章も子供のようにつたない。言葉も粗暴ですぐに感情的になる。
それでも、お前は果たして本当に『真っ白で真っ当』なのかと、相手の迷いを見抜く知性の目が松風を射抜くシーンには息をのんだ。
成田凌が表現する鬱屈や屈折には、なんともいえない湿度がある。触れると、しばらく指先から感触が抜けていかないような体温を伴う湿度だ。
そして、一瞬手元に落とした目線の僅かな動きだけで、迷いを表現した松山ケンイチも見事だった。
クリスマスイブの夜に殺害された父・春生(リリー・フランキー)は娘の心麦に手紙を残していた。
そこには、容疑者として逮捕された遠藤友哉は冤罪であること、それを晴らすために松風という弁護士を雇ってほしいことが書かれていた。
松風とともに事件を調べ始めた心麦は、父が殺された原因が20年前の一家殺人事件にあることを知る。一家殺人事件で死刑判決を受けた遠藤友哉の父・遠藤力郎(酒向芳)もまた、冤罪だった。
今週明らかになった新しい事実を確認しておく。
春生は一家殺人事件の真犯人を突き止めていたということ。
春生と松風をつないだのは、過去の事件で弁護人を務めた三木田(石丸謙二郎)だということ。
行方不明になった松風の父と赤沢(藤本隆宏)には何らかの因縁があるということ。
検察側に春生の手紙をなんとしても、偽造であるとしたい黒幕がいて、暗躍していること。
生前の春生は松風の裁判のほかに鳴川(間宮啓行)という弁護士の裁判を傍聴に出かけていたということ。
まだ事件の本質に至る決め手はない。
そして赤沢の妻・京子(西田尚美)が心麦に渡したお守りは、本当にただのお守りなのかも気がかりだ。
前回のレビューで『クジャクのダンス、誰が見た?』は、届かない父親たちの想いが引き起こす悲劇の物語だと述べた。
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今週、弁護士の松風もまた父親を失った、ある意味『事件の子』であると明らかになる。
自分の中の『真っ当』は精巧な作りものにすぎないのではと悩みながら、松風は弁護士として犯罪者や犯罪被害者に寄り添っている。
しかし、それは自分が関わった捜査の間違いに気付き、苦しみながらも真相を追い求めた春生の誠実さに重なって見える。
薬物で逮捕された染田(酒井敏也)に「あなたが希望を持って生きていく姿を見たいだけだよ」と語りかける春生。
そして、弁護した被告人が再犯で逮捕されても「ある意味嬉しくもあった」「立ち直ると信じることが弁護人の職責だと思っているので」と淡々と語る松風。
どちらも言葉を『届けられる』人物なのである。
誰も見ていない罪であっても、犯した本人だけは知っているのだから、「罪はなかったことにならない」と語る春生の信念。
また、自分では自覚なしにその言葉が人に感銘を与えて、それが奇妙な縁を引き寄せた松風の信念は、ある意味背中合わせの表裏だと思う。
原作もドラマも、今作の展開はじっくりと遅い。
サスペンスドラマでも、展開も、考察要素の開示も早いものが多くなってきた昨今では少数派だと思う。
しかし、事件に関わる人々の内面や人生をじっくりと描きだす今作の層の分厚さもまた、ほかにはないものだ。
ドラマの中で三木田が弁護人としての松風を『地味』『その地味さがいいって!』とユーモア交じりに評したが、私もまた、大好きなこのドラマにその賛辞を捧げたいと思っている。
『クジャクのダンス、誰が見た?』第6話あらすじ
本部係検事・阿南(瀧内公美)から直接事情聴取を受けた心麦。松風と事務所に戻ると、今回の事件で力を貸すという弁護士・鳴川が訪れていました。
一方で、刑事・赤沢の危険な過去が週刊誌記者・神井によって露わとなり、赤沢をある行動へと駆り立てます。
そんな中、心麦は鳴川とともに東賀山事件唯一の生き残りである林川歌を引き取ったという津寺井幸太のもとへ…。
『クジャクのダンス、誰が見た?』は、『TVer』で最新話を無料配信中。動画配信サービス『U-NEXT』『Netflix』では、最新話まで全話配信中です。
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[文・構成/grape編集部]
かな
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している。
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