獣医師「熱中症で死に至ることも!」 的確な予防で大切な犬や猫の命を守る By - grape編集部 公開:2016-06-26 更新:2018-06-07 ペット動物病院熱中症犬猫 Share Post LINE はてな コメント 人間が「暑い」と感じるように、犬や猫も暑さを感じます。しかし、人間とは違い、犬や猫は汗をかけないことから熱中症になる可能性が高いと言われています。 「犬や猫の熱中症対策として保冷材を利用する」という方も多くいるようですが、実は保冷材を利用することにはリスクもあります。 エチレングリコールという、犬や猫が摂取してしまうと危険な成分が含まれていることもあるのです。 「エチレングリコール」 不凍液、合成原料として広く用いられる2価アルコールの一種。甘味を持ち、生体内で代謝を受けると有毒化するという特徴を持つ そこで、保冷材とエチレングリコールの危険性について「厚木プリモ動物病院23時」の岡部院長にお話を伺ってきました。 エチレングリコールが犬や猫に与える影響 ――エチレングリコールを犬や猫が舐めてしまった場合、どのような影響があるのでしょうか? 「もし誤飲してしまった場合はすぐに病院に連れて行く必要があります。腎不全を引き起こす可能性があるため、取り扱いも含め、十分な注意が必要ですね」 ――しかし、岡部先生は「すべての保冷材にエチレングリコールが含まれているわけではない」ともおっしゃいます。 「『全ての保冷材にエチレングリコールが含まれている』と考える必要はありません。近年、製造された保冷材には使われていないケースも多いようです」 ――とは言え、保冷材は冷蔵庫に長い間、保管されていることも多く、「いつ購入したものか」が分からない方も多いはず。古い保冷材であれば、エチレングリコールが含まれていることもあるようです。 「間違って誤飲してしまうことには注意が必要ですが、犬や猫の熱中症対策として保冷材は有効です。使う時にはワンちゃんや猫ちゃんから目を離さないであげてください」 「また、万が一舐めてしまった場合は、誤飲した保冷材を持って病院に行くことが大切。成分によって治療法も変わるので、獣医師の先生にきちんと確認してもらいましょう」 「注意は必要だが、すべての保冷剤に神経質になる必要はない」というのが岡部院長の見解。しかし、これからの時期、それ以上に注意したいのは熱中症だと言います。 死に至ることもある犬や猫の熱中症 犬や猫も、人間と同じように熱中症になることは、ある程度知られてきました。しかし、犬や猫の熱中症には人間のそれとは異なる特徴もあるようです。 ――人間と、犬や猫の最も大きな違いは「犬や猫は汗をかけない」ということ。 「犬や猫には汗腺が主に肉球にしかなく、人のように汗をかくことができません」 ――汗をかけないとどういったことが起こるのでしょうか? 「唾液を蒸散させ、気化熱で体温を下げようとします。人のように全身から発汗するよりも非効率で、体温調節のほとんどを呼吸に頼らざるを得ないため、人よりも高温多湿の環境に弱く、熱中症になりやすいと言えます」 次のページへ 1 2 父「はい、撮るよー」 完成した家族写真に「どうしてそうなった」「1周回って好き」父がカメラマン役になった家族写真。その出来に娘が驚愕したワケは? 『日本語なのに読めない』貼り紙 内容が?「もはや外国語」「なんて?」旅行中に立ち寄った温泉。貼り紙の内容に首を傾げた理由が? 出典 厚木プリモ動物病院23時/@FujiiACC Share Post LINE はてな コメント
人間が「暑い」と感じるように、犬や猫も暑さを感じます。しかし、人間とは違い、犬や猫は汗をかけないことから熱中症になる可能性が高いと言われています。
「犬や猫の熱中症対策として保冷材を利用する」という方も多くいるようですが、実は保冷材を利用することにはリスクもあります。
エチレングリコールという、犬や猫が摂取してしまうと危険な成分が含まれていることもあるのです。
「エチレングリコール」
不凍液、合成原料として広く用いられる2価アルコールの一種。甘味を持ち、生体内で代謝を受けると有毒化するという特徴を持つ
そこで、保冷材とエチレングリコールの危険性について「厚木プリモ動物病院23時」の岡部院長にお話を伺ってきました。
エチレングリコールが犬や猫に与える影響
――エチレングリコールを犬や猫が舐めてしまった場合、どのような影響があるのでしょうか?
「もし誤飲してしまった場合はすぐに病院に連れて行く必要があります。腎不全を引き起こす可能性があるため、取り扱いも含め、十分な注意が必要ですね」
――しかし、岡部先生は「すべての保冷材にエチレングリコールが含まれているわけではない」ともおっしゃいます。
「『全ての保冷材にエチレングリコールが含まれている』と考える必要はありません。近年、製造された保冷材には使われていないケースも多いようです」
――とは言え、保冷材は冷蔵庫に長い間、保管されていることも多く、「いつ購入したものか」が分からない方も多いはず。古い保冷材であれば、エチレングリコールが含まれていることもあるようです。
「間違って誤飲してしまうことには注意が必要ですが、犬や猫の熱中症対策として保冷材は有効です。使う時にはワンちゃんや猫ちゃんから目を離さないであげてください」
「また、万が一舐めてしまった場合は、誤飲した保冷材を持って病院に行くことが大切。成分によって治療法も変わるので、獣医師の先生にきちんと確認してもらいましょう」
「注意は必要だが、すべての保冷剤に神経質になる必要はない」というのが岡部院長の見解。しかし、これからの時期、それ以上に注意したいのは熱中症だと言います。
死に至ることもある犬や猫の熱中症
犬や猫も、人間と同じように熱中症になることは、ある程度知られてきました。しかし、犬や猫の熱中症には人間のそれとは異なる特徴もあるようです。
――人間と、犬や猫の最も大きな違いは「犬や猫は汗をかけない」ということ。
「犬や猫には汗腺が主に肉球にしかなく、人のように汗をかくことができません」
――汗をかけないとどういったことが起こるのでしょうか?
「唾液を蒸散させ、気化熱で体温を下げようとします。人のように全身から発汗するよりも非効率で、体温調節のほとんどを呼吸に頼らざるを得ないため、人よりも高温多湿の環境に弱く、熱中症になりやすいと言えます」