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『菖蒲』と『アヤメ』の違いは4つ!端午の節句に使用する菖蒲についても解説

By - grape編集部  公開:  更新:

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『菖蒲』と『アヤメ』の違いは4つ!端午の節句に使用する菖蒲についても解説

※写真はイメージ

「アヤメとショウブはどちらも漢字だと『菖蒲』と書くけれど、同じ植物ではないのか」と疑問に思ったことはありませんか。

アヤメと似ているとして比較されることが多い菖蒲(ショウブ)ですが、実は『花菖蒲』という別の植物とも混同されがちです。

そのため、菖蒲と花菖蒲との違いを理解したうえで、アヤメとの違いを知ると、それぞれの花の見分けがしやすくなるでしょう。

本記事では、一般的に比較される『花菖蒲』と『アヤメ』の違いだけでなく、『菖蒲』と『花菖蒲』の違いについてもご紹介します。

菖蒲、アヤメ、花菖蒲の違いを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

『菖蒲』とアヤメに似ている『花菖蒲』は違う植物

『菖蒲』とアヤメに似ている『花菖蒲』は違う植物

※写真はイメージ

菖蒲とアヤメの違いを理解する前に、本記事では『菖蒲』と『花菖蒲』の違いを紹介します。なぜかというと『菖蒲』と聞いて思い浮かべた植物のイメージが、人によっては『花菖蒲』という別の植物だったという可能性があるためです。

そのため、まずは『菖蒲』と『花菖蒲』の違いを理解し、明確に区別しましょう。

分類

菖蒲と花菖蒲の最大の違いは、分類です。菖蒲はショウブ科、花菖蒲はアヤメ科に分類されます。

さらに、花菖蒲は複数の品種がある点も特徴です。

  • 江戸系
  • 肥後系
  • 伊勢系
  • 長井系
  • 外国系

菖蒲と花菖蒲は同じ属性だと認識されがちですが、別々に分類されています。

生育環境

菖蒲と花菖蒲の生育環境は少し似ていますが、それぞれ異なります。

菖蒲は水辺で育つ植物です。沼地やため池などで生育し、根は常に水に浸かっています。

一方で、花菖蒲の生育環境は菖蒲のような水に浸かる場所ではなく、湿った陸地です。菖蒲よりも水はけのよい土地で育つ傾向があり、池などからは少し離れた場所に咲いているでしょう。

どちらも日当たりのよい場所を好みますが、より水辺に近いところで生えているほうが菖蒲と見分けられそうです。

花が咲く時期

菖蒲と花菖蒲は、花が咲く時期も違います。菖蒲は一般的に、5~7月頃まで咲き続けることが特徴です。

花菖蒲は5月下旬~6月上旬に見頃を迎える品種が多い傾向にあるため、菖蒲のほうが比較的に長い期間咲いているといえます。

しかし、花菖蒲の品種のなかには、7月に見頃を迎える場合も。そのため、7月でも花菖蒲を観賞できる可能性はあり、時期だけで判断することは難しいでしょう。

花の形

菖蒲と花菖蒲の違いは、花の形で誰でもすぐに判別できます。そのため、分類や生育環境、花の咲く時期などが分からない場合でも問題ありません。

菖蒲は、縦に長い形でススキの穂のような形が特徴です。色は白っぽい黄色で、初めて見る場合は花に見えないと感じる人もいるでしょう。

一方で花菖蒲は、複数の花びらによって形成されており、色は紫がメインです。

花菖蒲の花はアヤメと非常に似ているため『菖蒲』と『アヤメ』の違いが分からないという際は、ほとんどの場合『花菖蒲』と『アヤメ』が比較されています。

菖蒲とアヤメや、菖蒲と花菖蒲を比較する際は、花の形が一番の違いになるでしょう。

葉の形

菖蒲と花菖蒲の葉は、色が似ているため同じように見えますが、形に違いがあります。

菖蒲の葉は花菖蒲に比べると少し細く、ツヤがある点が特徴です。一方で、花菖蒲は筋が表に1本、裏に2本通っており、葉の幅には差があります。

筋の数が大きな違いとなっており、葉で見分ける場合は判別しやすいのが特徴です。

『花菖蒲』と『アヤメ』の4つの違い

『花菖蒲』と『アヤメ』の4つの違い

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花菖蒲とアヤメは同じアヤメ科という分類に属しており、見た目も似ています。そのため、菖蒲と花菖蒲以上に見分けるのが困難です。

しかし、花菖蒲とアヤメにも複数の違いがあり、特徴を理解できれば誰でも区別できる可能性があるでしょう。

本章では、花菖蒲とアヤメの似ている点を踏まえながら、4つの違いをご紹介します。

違い1.生育環境

前述の通り、花菖蒲とアヤメは同じ分類ですが、生育環境が異なっていることが特徴の1つです。

花菖蒲は湿気がある土地を好む傾向がある一方で、アヤメは乾いた土地での生育が適しているといわれています。そのため、咲いている場所によって『アヤメ』か『花菖蒲』かの判断ができるでしょう。

例えば、池や田んぼなど、水辺の近くに咲いていたら花菖蒲、水がない場所に咲いている場合はアヤメと考えられます。

ただし、花菖蒲は幅広い土壌に適応できるとも考えられているため、水はけのよい場所に咲いている花が必ずしもアヤメであるとはいえないでしょう。

違い2.見頃

2つ目の違いは見頃です。花菖蒲の見頃は5月下旬から6月上旬ですが、アヤメは5月上旬から中旬が見頃だといわれています。

しかし、品種によっても見頃が違ったり、同じ時期にイベントなどが開催されたりするため、明確な違いは分かりにくいかもしれません。

例えば、岡山県久米郡久米南町の『花菖蒲園』では、毎年6月中旬に『花菖蒲まつり』が開催されます。

また、茨城県潮来市の『水郷潮来あやめまつり』は5月中旬から1か月ほど行われ、約500種のアヤメが見られるだけでなく、嫁入り舟という催し物なども開催される人気のイベントです。

5月初めから開花し始めているものはアヤメと覚えておくと、少し見分けがしやすくなるでしょう。

違い3.花びら

花菖蒲とアヤメの花びらは非常に似ていますが、判別ができるといわれています。というのも、花菖蒲とアヤメの花びらは、付け根の模様部分に違いがあるためです。

花菖蒲は、付け根に黄色いまとまった筋が入っています。対して、アヤメは付け根から網目状に白い模様が入っている点が特徴です。

また、花の色にも違いがあります。

アヤメは紫か白が主流ですが、花菖蒲は紫以外にもピンク、黄色、青など、さまざまな色の品種があるそうです。そのため、紫や白以外の花で見分けに迷ったら、花菖蒲だと判断できるでしょう。

違い4.葉の形

花菖蒲とアヤメの葉の形は、比較的判別がしやすいといえます。

アヤメの葉は幅が細く、筋が比較的目立ちません。対して花菖蒲は、アヤメよりも幅が広く、筋がしっかりしているため存在感があります。

花で違いを判断できない場合は、葉の形を見ると分かりやすいでしょう。

『花菖蒲』や『アヤメ』は自宅でも育てられる?

『花菖蒲』や『アヤメ』は自宅でも育てられる?

※写真はイメージ

花菖蒲やアヤメは全国各地でイベントなども開催されており、プロが手入れをしているイメージから「自宅では育てられない花なのでは」と思う人がいるかもしれません。

しかし、どちらも初心者にも育てやすい花だといわれています。そのため、近所のホームセンターなどで苗や種が販売されていることもあるでしょう。

そこで、本章では花菖蒲やアヤメを自宅で育てる方法をご紹介します。

『花菖蒲』の育て方

花菖蒲の育て方は以下の通りです。

  • 植え付けや植え分けを行う:3~7月に1~3年ペースで行う。
  • 水やり:土が乾燥しすぎないように定期的に行う。
  • 肥料や消毒:9~10月に行う。花菖蒲がきれいに咲くために非常に重要な時期。
  • 株分け:花を増やすため、咲き終わりや秋に行う。

花菖蒲を育てる際は、水やりと日当たりが重要です。

水やりが足りていない場合や、日当たりが悪い環境で育てた場合、枯れたり育ちにくかったりするおそれがあります。

また、鉢植えの場合は毎年、地植えする場合は2~3年ペースで植え替えを行うと、きれいに育てられるでしょう。

『アヤメ』の育て方

アヤメの育て方は以下の通りです。

  • 植え付けや植え分けを行う:2~3月の芽出しの直前か、花が咲き終わる6~7月に行う。
  • 水やり:土の表面が乾いたら水やりを行う。
  • 肥料:鉢植えの場合のみ、3月と9月に行う。
  • 株分け:花を増やすために行う。植え付けの時期と同様。

アヤメを育てる場合、水やりは花菖蒲ほど必要ありません。特に、庭などで育てる場合は、晴天や乾燥が続かない限りは不要ともいわれています。

花菖蒲同様に日当たりがよい場所で育てることが大切です。

また、アヤメは毒性がある植物のため、口に入ると嘔吐や下痢などの症状を引き起こすおそれがあります。命に危険はないものの、ペットや小さな子供がいる家庭は、特に注意して育てましょう。

端午の節句で使用するのは『菖蒲』

端午の節句で使用するのは『菖蒲』

※写真はイメージ

端午の節句とは、5月5日に行われる日本の伝統的な行事です。菖蒲湯に入って無病息災などを願う風習があり、菖蒲は欠かせないアイテムとなっています。

菖蒲湯に使用されるのは『花菖蒲』ではなく『菖蒲の葉』です。

菖蒲の葉はリラックス効果や血行促進作用があり、身体にもよいといわれています。

『菖蒲』と『アヤメ』は花の形の違いが分かりやすい

本来の『菖蒲』と『アヤメ』は明確な違いがある植物です。特に花の形が違うため、簡単に見分けられるでしょう。

一方で、よく「違いが分からない」といわれる『花菖蒲』と『アヤメ』は非常に似ている植物です。しかし、生育環境をはじめ、花びらの特徴や葉の形が違うため、見た目から判断できます。

また、花菖蒲のほうが豊富な色があるため、黄色やピンクのタイプであればすぐに見分けられるでしょう。

『菖蒲』『花菖蒲』『アヤメ』の違いを理解し、観賞する際や育てる際の参考にしてください。


[文・構成/grape編集部]

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