日本の川の長さランキングTOP20!知ってる川は何位に入っている?
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山々が連なり、豊かな水資源に恵まれた国、日本。その国土を縦横に流れる河川は、古くから人々の生活と文化を支え、時には猛威を振るいながらも豊かな恵みをもたらしてきました。
日本の川の長さランキングを知ることは、規模を比較するだけでなく、それぞれの川の特徴や歴史、日本の多様な自然環境を理解するうえで、興味深いものといえるでしょう。
この記事では、日本の川の長さランキングをご紹介するとともに、それぞれの川が持つ特徴や魅力を深掘りしています。あなたの知っている川は何位にランクインしているでしょうか。まだ知らない、川の新たな一面を発見しましょう。
【TOP20】日本の川の長さランキング
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まずは、日本の川の長さランキングのTOP20を見ていきます。このランキングは、本流の長さを表す、川の幹川流路延長(かんせんりゅうろえんちょう)に基づくものです。
第1位は信濃川となっています。その長さは367kmです。
また、TOP20のうち急傾斜が少なく、広大な北海道の河川が4つランクインしています。
TOP10の河川の特徴
ここからは、長さTOP10の川について、それぞれの概要を解説しましょう。
第1位 信濃川
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第1位の信濃川は水系全体で長さ367km、長野県では『千曲川(ちくまがわ)』と呼ばれています。その源は長野県、山梨県、埼玉県の県境に位置する甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)です。
甲武信ヶ岳から流れ出した水は、千曲川として佐久盆地や上田盆地を通り、長野盆地で犀川と合流。新潟県に入るとその名を信濃川と変えて越後平野を流れ、最終的に日本海へと注ぎ込みます。
信濃川がもたらす豊かな水は、日本有数の米どころである越後平野を潤し、米作りに適した環境を育む源となってきたのだとか。流域面積は1万1,900㎢に達し、これは新潟県の面積と同じぐらいの広さです。
信濃川の広大な流域には多くの人々が暮らし、信濃川の恩恵を受けながら生活を営んでいます。新潟市の中心部を流れる信濃川の河畔は、市民の憩いの場としても親しまれているようです。
豊かな恵みをもたらす一方で、信濃川は古くから暴れ川として知られ、たびたび洪水を引き起こしたとされています。そのため、流域の人々は長い間、洪水との闘いを続けてきたのでしょう。
その象徴的な存在が、洪水を防ぐために建設された『大河津分水路(おおこうづぶんすいろ)』です。分水路の完成により、越後平野は水害から守られ、より安全で豊かな土地になったといえるかもしれません。
第2位 利根川
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第2位は、関東地方を縦断する利根川。長さは322km、信濃川に次ぐ長さを誇ります。
流域面積は1万6,840㎢と日本一であり、首都圏の水源として重要な役割を担う利根川。その雄大さから古くは『坂東太郎(ばんどうたろう)』と呼ばれ、親しまれてきました。
2025年現在の利根川は千葉県の銚子市で太平洋に注いでいますが、かつては東京湾に流れ込んでいたようです。
江戸時代、江戸を水害から守り、新田開発を進めることなどを目的に、川の流れを東に変える『利根川東遷事業』と呼ばれる大工事が徳川家康の命令で行われたのだとか。
約60年もの歳月をかけて行われたこの事業により、利根川の流れは大きく変えられ、現在の流路が形成されたようです。
利根川水系には多くのダムが建設されており、首都圏の人の生活用水や工業用水を供給する役割を担っています。
広大な流域を持つ利根川は、上流の山岳地帯から下流の広大な平野まで変化に富んだ自然環境を有しており、多様な動植物を確認できるでしょう。
また、利根川は江戸時代の物流の大動脈として栄えたとされ、流域には今もなお、その歴史を物語る町並みや文化が色濃く残っています。
第3位 石狩川
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第3位は、北海道の中央部を流れる石狩川。長さは268kmで、北海道でもっとも長い川です。流域面積は1万4,330㎢で、利根川に次いで全国第2位の広さを誇ります。
石狩川の源は大雪山系の石狩岳です。上川盆地を抜け、広大な石狩平野を蛇行しながら流れ、最終的に日本海に面した石狩湾へと注ぎ込みます。
石狩川は、北海道の開拓の歴史と深く結びついており、明治時代以降、石狩川流域では農業などが発展し、札幌市や旭川市といった大都市が形成されたのだとか。
流域には、今もなお雄大な自然が数多く残されています。石狩川流域の『宮島沼』は、多くの渡り鳥が飛来する貴重な湿地となっており、ラムサール条約にも登録されている湿地です。
ラムサール条約は、湿地とその上で生息する動植物を保全し、持続的に利用するための国際的な条約で、宮島沼は2002年に登録されました。
第4位 天塩川
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第4位は、北海道北部を流れる天塩川。長さは256kmで、石狩川に次いで北海道で2番目に長い川です。
『天塩』の名前は、アイヌ語の『テッシ・オ・ペッ』に由来していると言われています。これは『梁(やな)のような岩が多い川』と言う意味で、川の中に岩が点在する独特の景観を表しているのでしょう。
天塩川は、河口から158kmもの区間にダムなどの人工的な障がい物がなく、雄大な自然の中を自由に川下りできることから、特にカヌー愛好家の間では特別な川として知られているようです。
また、天塩川の流域は多くの自然が残されているのも特徴でしょう。天然記念物の『オジロワシ』や幻の魚と言われる『イトウ』など、貴重な野生動物が数多く生息しているようです。
第5位 北上川
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第5位は、岩手県と宮城県を流れる北上川。長さは249km、東北地方でもっとも長い川です。
北上川の源は岩手県北部にあり、盛岡市や一関市などを通り、仙台平野を潤して太平洋へと注ぎます。流域面積は東北地方で最大です。
かつて北上川は、川を使って人やものを運ぶ『舟運(しゅううん)』が盛んに行われ、米などの物資を運ぶ重要な交通路だったのだとか。そのため、流域には舟運によって栄えた町が点在し、今もその面影を残しています。
北上川もまた古くから洪水に悩まされてきた川でしたが、明治時代以降に大規模な治水事業が進められ、洪水の被害は減少したようです。その過程で新たな運河が掘られ、川の流れが変えられた場所もあると言われています。
第6位 阿武隈川
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第6位は、福島県と宮城県を流れる阿武隈川。
長さは239km、福島県西部に源を発し宮城県南部で太平洋に注ぎます。かつては年貢米の輸送路として舟運が行われ、陸路が整備されるまで盛んに利用されていました。
流域には福島市や郡山市といった主要都市があり、人々の生活と深く結びついているといえるでしょう。
阿武隈川の上流から中流域にかけては、渓谷が続く風景が見られます。舟運で栄えた名残を今に伝える『阿武隈ライン舟下り』では、四季折々の渓谷美を船上から楽しめるでしょう。
阿武隈川は、アユなどの清流に生息する魚から、河口付近に生息する多様な生物まで、豊かな生態系が特徴。冬にはハクチョウが飛来し、越冬地としても知られています。
第7位 最上川
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第7位には、2つの川がランクインしました。1つは山形県を流れる最上川です。
水源は山形県米沢市と福島県境にある西吾妻山(にしあづまやま)にあり、流域のほとんどが山形県内にあります。最上川は長さ229km、米沢盆地から長井盆地、山形盆地、尾花沢盆地、新庄盆地の5つの盆地を経て、庄内平野から日本海に注ぐ河川です。
江戸時代、最上川の舟運は山形の内陸部と日本海を結ぶ物流の大動脈として栄えたとされています。米や紅花などの特産品が京都や大阪へと運ばれ、帰り荷として塩や古着、雛人形などがもたらされたのだとか。
舟運によって、経済的な繁栄だけでなく文化も山形にもたらされ、地域に大きな影響を与えたようです。
また最上川は、松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅で訪れたことでも知られています。
第7位 木曽川
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同じく第7位は、長野県から岐阜県、愛知県、三重県へと流れる、長さ229kmの木曽川です。
木曽川は、長良川、揖斐川とともに『木曽三川(きそさんせん)』と呼ばれ、広大な濃尾平野を形成しています。3つの川は下流部で複雑に合流、分流を繰り返しており、周辺では治水に多大な努力が払われてきたようです。
木曽川の中流域には『恵那峡』や『日本ライン』といった景勝地があり、奇岩や急流が織りなす景観が広がっています。
また、木曽川は古くから農業用水や工業用水として利用されてきたのだとか。水力発電も行われており、中京圏の産業と経済を支えるエネルギー源の1つといえるでしょう。
第9位 天竜川
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天竜川は長野県にある赤岳(あかだけ)から諏訪湖に集まった水を水源とし、伊那谷を南下し遠州灘に注ぐ長さ213kmの河川です。
流域は長野、愛知、静岡の3県にまたがり、中央アルプスと南アルプスに挟まれた険しい地形を流れています。
天竜川は、急峻な地形と脆弱な地質が相まって、古来よりたびたび大規模な水害を引き起こしてきたようです。その荒々しさから別名『暴れ天竜』とも呼ばれる、日本有数の急流河川の1つとされています。
江戸時代には、森林資源を江戸へ運ぶための重要な水運ルートとして舟運が栄え、木材を筏(いかだ)で下流に運んでいたのだとか。
流域には多くのダムが建設され、中でも佐久間ダムは治水、利水、水力発電の要ともいえる施設と言われています。
第10位 阿賀野川
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阿賀野川は、福島県と栃木県境の荒海山(あらかいさん、以外にも呼び方あり)を源とし、会津盆地を経て新潟県の越後平野を潤し日本海に注ぐ、長さ210kmの河川です。福島県内では阿賀川と呼ばれています。
猪苗代湖や尾瀬沼からの水も集める阿賀野川は、その豊かな水量が日本有数の米どころである新潟平野に恵みをもたらしてきました。
この水量を生かし、明治時代から水力発電所の建設が進められ、支流の只見川は日本有数の電源開発地帯となってきた歴史があるようです。
流域に点在する多くのダムと発電所は、日本の経済を支えるエネルギー供給源であり続けているといえるでしょう。
江戸時代、阿賀野川は会津と新潟を結ぶ舟運の大動脈だったとされています。年貢米などが新潟港へ運ばれ、そこから北前船で大阪などへ輸送される一方、日本海からは塩などの物資が会津へともたらされたようです。
こうした舟運による交流は、沿川の経済と文化の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。
日本の川の長さランキング1位は信濃川
日本の川の長さランキングを通じて、それぞれの川が持つ歴史や文化、流域の自然について見てきました。
信濃川の雄大な流れ、利根川の首都圏を支える力、石狩川の北海道開拓の物語など、日本の川は流域に住む人々の生活と深く結びついた存在であることが分かります。
私たちが普段何気なく目にしている川も、源流から河口まで、長い歴史の物語を持っているのでしょう。
この機会に、身近な川について調べたり、実際に訪れたりすることで、日本の国土の成り立ちや自然と人との関わりについて新たな発見があるかもしれません。
[文・構成/grape編集部]