「そんな服装じゃ性被害に遭っても仕方ない」暴論を揶揄した動画に称賛
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- 出典
- BBC Comedy
「あなたにも非があったんじゃないの?」
性犯罪の被害者をさらに傷つける、『セカンドレイプ』。悲しいことに、被害者に対して心ない言葉を発する人は少なくないといいます。
海外で活躍するタレントのトレイシー・ウルマンさんによる番組『Tracey Ullman’s Show』で流れた、1本の動画をご紹介します。
強盗被害に遭った男性に、心ない言葉をかける女性たち
深刻な表情で椅子に座っているのは、強盗被害に遭った男性。
刃物を首に当てられ、金目の物を渡すよう脅されたことを、警察官と思われる女性に説明します。
普通に考えれば、命の危険を感じ、抵抗できない状況だということが分かります。しかし、警察官の女性はこういいました。
「いまと同じような服装でしたか?いかにも『お金を持っています』という服装ですね。
強盗に遭ったのは、あなたの服装に問題があったんじゃないですか?」
なんと女性は、「強盗に遭ったのはあなたの服装が悪い」というのです。この言葉を聞き、当然男性は「服装は問題じゃない!」と反論します。
怒った男性を見て、部屋に呼びだされたのはカウンセラーの女性。部屋に入るなり、カウンセラーは男性に向かってこういいます。
「お酒を飲んでいましたか?飲酒していたなら、そりゃ犯罪を誘発しますよ」
「高そうなスーツを着て、いい携帯電話も持っておいて、『強盗被害に遭った!』っていわれてもねえ…」
「どうして、声を上げて助けを求めなかったの?」
「刃物で脅されていたんですよ!」と男性がうったえても、女性たちは「あなたにも非がある」の一点張りです。
心ない言葉の数々に、男性の表情は見る見るうちに曇っていきます。
そんな中、部屋に入ってきた別の警察官が「嫌がらせメールに困っている男性が待っているのですが…」というと、女性はこう返します。
「どんなフォントを使っていたか聞いて。もし思わせぶりなフォントを使っていたなら、彼にも非があるわ」
見ている誰もが「そのいい分、おかしくない?」と首をひねってしまう、『理不尽なやりとり』。この会話が何を表しているか、あなたは分かりますか。
そう、これは『性犯罪で被害者が責められる理不尽さ』を強盗事件に例えた動画。所どころに入る笑い声がブラックユーモアらしさを演出しています。
この動画は世界中に拡散され、16万以上の「いいね!」と、動画の内容を称賛するコメントが寄せられました。
なぜか被害者も責められる『性犯罪』
殺人事件や強盗事件といった犯罪の場合、被害者を責める言葉はほとんど上がりません。しかし、なぜか性犯罪の場合は、被害者を責める声を多数耳にします。
先ほどの動画から分かるように、性犯罪とその他の犯罪に根本的な違いはありません。悪いのは加害者であり、被害者に犯罪の責任はないのです。
にもかかわらず、なぜ性犯罪は「服装に原因がある」「なぜ抵抗しなかったのか」といった声が上がるのでしょうか。
※写真はイメージ
こういった責める言葉は、心身共に傷ついた被害者をさらに傷つけます。
確かに、少しでも被害に遭う確率を下げるため、自衛をすることは大切です。ですが、それにも限界があります。
社会全体が性犯罪の重さを再確認することで、性犯罪そのものや、セカンドレイプで傷つく人が1人でも減ることを切に願います。
[文・構成/grape編集部]