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板倉俊之「必要のない仕事をしている」 悩んでいたら、消防士の友人が?

By - grape編集部  公開:  更新:

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街や人々に甚大な被害を及ぼす震災。

直接被害を受けていないように見える人も、あまりの事態にショックを受け、心を砕かれていることがあります。

お笑いコンビ『インパルス』の板倉俊之さんも、東日本大震災が発生した当時、打撃を受けた1人。

東日本大震災の後にライブが控えていたため、ネタを考える必要があったのですが、「こんな時に、自分は一体何をやっているんだ?」という思いが浮かんだそうです。

その時の苦悩をnoteにつづり、反響が上がっています。

仕事の意義が揺らいだ板倉俊之

テレビを通して、救助活動を続ける自衛隊員や消防隊員などの姿を見た板倉さんは、ある思いに取りつかれてしまいます。

無意識にテレビ画面を見つめているとき、僕は気づいてしまった。

自分は、必要のない仕事をしている。

ずっと、人が生きていく上で必要のない仕事をしていたのだ。

早くして結果を出せたことで、自分はネタをつくる力を持っているのだと思っていた。

だがそんなものに、価値などなかったのだ。

芸人を目指すと告げたとき、「売れるわけない」と表情で言ってきた奴らに勝ったつもりでいた。

だがそんな勝負など、ただの一人相撲だったのだ。

自分は、必要のない仕事をしているのだから。

itakuratoshiyuki ーより引用

人を笑わせる仕事は、人命救助をしている人たちと比べたら、直接生命に関わらない仕事のように思えます。

その点から、自分の仕事に誇りを持っていた板倉さんも、自信を喪失してしまったのです。

ライブが無事に終わった後も、板倉さんの心には暗い影が残りました。しかし、数年後に再会した、高校時代の友人の言葉に救われるのです。

消火活動をするポンプ隊員だけではなく、救急車で出動する救急隊員や、『オレンジ』と呼ばれるレスキュー隊員の仕事も行っている友人。

話をしているうちに、東日本大震災の時の体験談になったので、板倉さんは「すごい仕事だな。俺なんかとは違う」とこぼします。すると、友人は即座に否定して、こう続けました。

「あのときマジで精神的にきつかったから、俺もう関係ないものが見たくて、よくツタヤでお笑いのDVDを借りてきて観てたよ。笑ってだいぶ楽になったんだ」

その言葉を聞いたとたん、あの時期にネタを考えて一人笑っていたことが、許された気がした。

そして頭の中にあるあの問題が、みるみる小さくなっていく感覚をおぼえた。

お笑いが、困った人を直接的に助ける男の救いになっていたなんて思わなかった。

itakuratoshiyuki ーより引用

板倉さんは、友人の言葉を聞いて「ただやっている本人に自覚がないだけで、きっとどんな仕事も、見知らぬ誰かの救いになっている」と思えるようになったそうです。

投稿を読んだ人たちは、板倉さんの苦悩に共感しつつ、たくさんのエールを送っています。

・エンタメは心を救ってくれる仕事です。

・直接、人命を救助する仕事は大切ですが、誰かの生きるモチベーションとなる仕事も大切。

・不安に襲われた時、板倉さんのお笑いに救われました。感謝しております!

・人の心に寄り添う仕事は、素晴らしいものですよ。

直接命にかかわらない仕事をしている人はたくさんいます。

けれど、その仕事が誰かの心を救っていることもあるでしょう。自身の仕事に誇りを持っていきたいですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
itakuratoshiyuki

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