殺処分のあとはゴミになる 涙を流しながら犬の遺骨を砕く高校生たち By - grape編集部 公開:2015-11-13 更新:2019-01-29 動物愛護学生殺処分犬 Share Post LINE はてな コメント 出典:YouTube 青森県十和田市にある三本木農業高校。 この高校にある、動物科学科(動物について詳しく学ぶ学科)の愛玩動物研究室では、生徒たちが「命の花プロジェクト」という活動を行っています。 命の花プロジェクト 2012年、愛玩動物研究所の生徒たちは授業の一環で、青森県内の動物愛護センターを訪れました。 そこには、殺処分を待つ捨てられたペットたちの姿。そして、「助けて!」と言っているかのようなたくさんの叫び声。 そんな状況だけでも胸が張り裂けそうな生徒たちでしたが、そのあと係員さんの言葉に更なる衝撃を受けます。 「焼かれて骨になった犬たちは、事業系廃棄物、つまりゴミとして捨てられてしまうんです。」 施設内には、無念の思いで死んでいった動物たちの遺骨が入ったゴミ袋が積み上げられていました。 「土に還ることさえもできない」という、あまりにもやり切れない事実。自分たちに何かできることはないか?と本気で生徒たちは考えました。 そこで、骨をゴミにするのではなく、土に還す活動を始めることにしたのです。 遺骨を土に還し「命の花」を咲かせよう! 生徒たちが考えたのは、遺骨を砕いて骨粉にし、それを土に混ぜて花を咲かせるアイディア。土に還った命を、再び咲かせようという想いから生まれました。 そして生徒たちは「殺処分0」を目指し、命の花プロジェクトを始動します。 「骨を見るより胸が苦しかった」 愛護センターから受け取った骨は、まず、骨以外のものを取り除く作業を行います。 遺骨には、首輪、鈴、ネームプレート、歯、臓器などが混じっています。多くの生徒たちにとって、「骨を見るより胸が苦しくなる瞬間」だったそうです。 「涙を流しながら骨を砕きました」 骨以外のものを取り除いたあと、骨をレンガで粉々になるまで砕きます。手のひら一杯の骨を砕くのに、一時間以上かかる、心も体も苦しい作業です。 誰一人、言葉を交わさぬ中で骨を砕く音だけが響く。そして、心の中で「ごめんね」と何度も呟き、生徒たちは泣きながら作業を続けていたとのこと。 それでも、「本当に辛いのは私たちではなく、動物たち」と、折れそうになる心に何度も言い聞かせて作業を続けました。 「呪われるぞ」「夢に出てくるからやめてくれ」 骨を砕き終わると、その骨粉を土に混ぜ、その土に花の種を蒔きます。専門ではない植物の育て方を学び、わずかな休み時間を使って水やりを続けました。 その姿を見て、自分たちも手伝うと声をかけてくれた人もいれば、「呪われるぞ」「夢に出てくるからやめてくれ」「骨を砕いたほうが可哀想だ」など、批判の声も多かったそうです。 しかし、自分たちのプロジェクトを否定される度に、 だったらどうして、殺処分される命があって、ゴミになっても平気で暮らせるの? みんな、絶対に幸せになれる命だった、生きられる命だった。私たちは人に言えないような恥ずかしいことはしていない! と、悔しい気持ちを噛み締めて作業を続けました。 この花を、どうか多くの人に届けたい。 そうして種を植えてから1ヶ月、生徒たちが植えた種が命の花を咲かせました。 この花を、どうか多くの人に届けたい。生徒たちは、愛犬家たちが集うイベントで初めて「命の花」を届けることにします。 イベントでは、どのように命の花が生まれたのかを全てを伝えた上で、花を受け取ってくれる人を募りました。 生徒たちの声に耳を傾けた人々からは、様々な意見がありました。 ゴミになっているなんて思わなかった、というより、殺処分された後のことを考えようともしていなかった。見て見ぬ振りをしていたのに、自分よりずっと若い子たちが頑張っていて感激した。 複雑な思い。様々な意見があって、一概に「いい取り組み」とは言えないかもしれない。でも、殺処分の現状を伝える方法のひとつだと思います。 「命が蘇る」と思えば、気持ち悪いなんて思わなかった。私は、今そばにいてくれる犬たちを大事に育てます。 賛否はあれど、多くの人が真剣に話を聞いてくれ、命の花を受け取ってくれました。 中にはこの取り組みに否定的な意見の人もいて、花を受け取ってくれない人も。 それでも生徒たちは、「賛成・反対、両方の意見があって当然。でも、この活動を通して、罪のない多くの命が殺されているという現実を知ってほしい」と、活動を続けていくことを決意しました。 そこには、この活動を通して大事な出会いがあったからです。 「変わらない命だ。」 花を受け取ってくれた人の中に、スタンダードプードルとトイプードルを連れた女性がいました。 その女性から後日、「命の花の犬」と、先日連れていた2匹の犬が並んでいる姿を写した写真付のハガキが届きました。 生徒たちはその写真を見て、「両方とも変わらない命だ」と嬉しく思い、自分たちのやっていることはきっと間違っていないと思えたそうです。 引き継がれていく意思 動物が好きで入学した生徒たち。今でも骨を砕くことに抵抗を感じているそうです。しかし、何もしないで現実を嘆いているだけでは何も変わらないということを生徒たちは学びました。 「殺処分を0にする」という強い意思は後輩たちに引き継がれ、現在も命の花プロジェクトは続いています。 骨を砕く作業【動画】 これは、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが「命の花プロジェクト」に賛同し、活動に参加した時の映像です。 出典 命の花1/青森県三本木農業高校 Share Post LINE はてな コメント
青森県十和田市にある三本木農業高校。
この高校にある、動物科学科(動物について詳しく学ぶ学科)の愛玩動物研究室では、生徒たちが「命の花プロジェクト」という活動を行っています。
命の花プロジェクト
2012年、愛玩動物研究所の生徒たちは授業の一環で、青森県内の動物愛護センターを訪れました。
そこには、殺処分を待つ捨てられたペットたちの姿。そして、「助けて!」と言っているかのようなたくさんの叫び声。
そんな状況だけでも胸が張り裂けそうな生徒たちでしたが、そのあと係員さんの言葉に更なる衝撃を受けます。
「焼かれて骨になった犬たちは、事業系廃棄物、つまりゴミとして捨てられてしまうんです。」
施設内には、無念の思いで死んでいった動物たちの遺骨が入ったゴミ袋が積み上げられていました。
「土に還ることさえもできない」という、あまりにもやり切れない事実。自分たちに何かできることはないか?と本気で生徒たちは考えました。
そこで、骨をゴミにするのではなく、土に還す活動を始めることにしたのです。
遺骨を土に還し「命の花」を咲かせよう!
生徒たちが考えたのは、遺骨を砕いて骨粉にし、それを土に混ぜて花を咲かせるアイディア。土に還った命を、再び咲かせようという想いから生まれました。
そして生徒たちは「殺処分0」を目指し、命の花プロジェクトを始動します。
「骨を見るより胸が苦しかった」
愛護センターから受け取った骨は、まず、骨以外のものを取り除く作業を行います。
遺骨には、首輪、鈴、ネームプレート、歯、臓器などが混じっています。多くの生徒たちにとって、「骨を見るより胸が苦しくなる瞬間」だったそうです。
「涙を流しながら骨を砕きました」
骨以外のものを取り除いたあと、骨をレンガで粉々になるまで砕きます。手のひら一杯の骨を砕くのに、一時間以上かかる、心も体も苦しい作業です。
誰一人、言葉を交わさぬ中で骨を砕く音だけが響く。そして、心の中で「ごめんね」と何度も呟き、生徒たちは泣きながら作業を続けていたとのこと。
それでも、「本当に辛いのは私たちではなく、動物たち」と、折れそうになる心に何度も言い聞かせて作業を続けました。
「呪われるぞ」「夢に出てくるからやめてくれ」
骨を砕き終わると、その骨粉を土に混ぜ、その土に花の種を蒔きます。専門ではない植物の育て方を学び、わずかな休み時間を使って水やりを続けました。
その姿を見て、自分たちも手伝うと声をかけてくれた人もいれば、「呪われるぞ」「夢に出てくるからやめてくれ」「骨を砕いたほうが可哀想だ」など、批判の声も多かったそうです。
しかし、自分たちのプロジェクトを否定される度に、
だったらどうして、殺処分される命があって、ゴミになっても平気で暮らせるの?
みんな、絶対に幸せになれる命だった、生きられる命だった。私たちは人に言えないような恥ずかしいことはしていない!
と、悔しい気持ちを噛み締めて作業を続けました。
この花を、どうか多くの人に届けたい。
そうして種を植えてから1ヶ月、生徒たちが植えた種が命の花を咲かせました。
この花を、どうか多くの人に届けたい。生徒たちは、愛犬家たちが集うイベントで初めて「命の花」を届けることにします。
イベントでは、どのように命の花が生まれたのかを全てを伝えた上で、花を受け取ってくれる人を募りました。
生徒たちの声に耳を傾けた人々からは、様々な意見がありました。
賛否はあれど、多くの人が真剣に話を聞いてくれ、命の花を受け取ってくれました。
中にはこの取り組みに否定的な意見の人もいて、花を受け取ってくれない人も。
それでも生徒たちは、「賛成・反対、両方の意見があって当然。でも、この活動を通して、罪のない多くの命が殺されているという現実を知ってほしい」と、活動を続けていくことを決意しました。
そこには、この活動を通して大事な出会いがあったからです。
「変わらない命だ。」
花を受け取ってくれた人の中に、スタンダードプードルとトイプードルを連れた女性がいました。
その女性から後日、「命の花の犬」と、先日連れていた2匹の犬が並んでいる姿を写した写真付のハガキが届きました。
生徒たちはその写真を見て、「両方とも変わらない命だ」と嬉しく思い、自分たちのやっていることはきっと間違っていないと思えたそうです。
引き継がれていく意思
動物が好きで入学した生徒たち。今でも骨を砕くことに抵抗を感じているそうです。しかし、何もしないで現実を嘆いているだけでは何も変わらないということを生徒たちは学びました。
「殺処分を0にする」という強い意思は後輩たちに引き継がれ、現在も命の花プロジェクトは続いています。
骨を砕く作業【動画】
これは、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが「命の花プロジェクト」に賛同し、活動に参加した時の映像です。