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【『正直不動産』第2話感想・考察】山下智久が説教!新入社員にありがちなこと

By - grape編集部  公開:  更新:

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ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。

2022年4月スタートのテレビドラマ『正直不動産』(NHK)の見どころや考察を連載していきます。

4月に入り、真新しいスーツに身を包んだ新入社員が入ってきた会社も多いことだろう。

今回の正直不動産ではそんな新人にありがちな出来事が面白く折り込まれていた。

特に販売や営業職についた新人とその教育担当者は共感ができるのではないだろうか。

やる気に満ちた新人たちは、お客様のためを思い、時間を惜しみなく使って誰よりも丁寧な接客を心がけようとする。なぜならそれは「お客様のため」だから。

では会社にとってはどうなのか?

単価や利益はそれぞれ異なるが、1つのものを売るのにどれだけの時間をかけてもいいのか売る前に是非一度、考えてみてほしい。

本作でも同様、キラキラと目を輝かせ「カスタマーファースト(顧客第一主義)」という言葉を大切にしながら仕事をする新人・月下咲良(福原遥)が登場する。

そんな彼女に、営業マンのなんたるかを嘘偽りなく(正しくは嘘をつけない)教える主人公・永瀬財地(山下智久)の言葉を紹介しよう。

客から見たら100点だけど会社から見たら0点な接客

新人・月下咲良は客が納得するまで何件も内見を回る。

それは客から見たら100点だが、会社から見たら0点なのである。

0点という言葉にショックを受けつつも、それの何が悪いのかと食い下がる月下に、財地はこう語る。

「良い営業は、いかに少ない内見回数で多くの契約を取るかを考えるの」

正直不動産 ーより引用

その方が断然効率がいい。

限られた時間で他人より契約を取ろうとするならば効率はやはり重視していかなければならない。

営業成績で一位を目指すなら尚更だ。

ドラマでは、不動産屋の基本給は10万ちょっと。売ってこそ、インセンティブが付くが売れなければフリーターよりも稼げないという恐ろしい給料体制である。

しかし、月下にこの言葉はさほど刺さっていないようだった。

むしろ「自分が胸を張ってその部屋に住みたいって思えるような部屋をお客さんに紹介したいです」と反論。

自分の利益よりカスタマーファーストにこだわる月下に、少しだけ財地の表情が変わった。

月下のこだわりは新人にありがちで、会社の利益を考えず丁寧に時間をかけて商品を売ってしまうのである。

財地の教える『効率』を上手く取り入れることでより素晴らしいビジネスマンになっていくのだろう。

同様に効率を重視しすぎて主人公が忘れかけていた大切な考えこそが『カスタマーファースト』なのかもしれない。

説教したはずの財地だったが、客と真摯にぶつかる月下の姿から改めて気付かされることも多いはず。今後もこの二人が互いに成長していく姿が楽しみである。

ドラマで学ぶ営業テクニック

新人・月下咲良が賃貸契約に手こずる中、同じ物件をスマートに契約した桐山貴久(市原隼人)。

彼は永瀬と首位を争うトップ営業マンの一人である。

彼の接客からは、目から鱗の営業テクニックが学べる。

まず一つは、予算12万のお客に対して、「少しオーバーしますが13万円の物件があります」と紹介するのと、「ここの相場は15万円ですが13万円の物件があります」と紹介するのでは、後者の方が安く感じるという仕掛け。

これは心理学のアンカー効果という手法だ。

アンカーとは初期値のことで、先に掲示された金額が比較対象となり、後に出された数字に損得を感じる効果がある。

セールチラシにわざわざ値引き前と値引き後の金額が書いてあるのも同様の効果を利用したものだと言える。

これはほんの一部だが、ドラマ内では他にも「なるほど…」と感心させられる営業テクニックが紹介されている。

そして山下智久が丁寧に解説までしてくれている。こんな親切なドラマはめったにない。

ましてお堅めのビジネスドラマではなく、時折、数々の女性と関係を持つプレイボーイな山下智久や、成績不調な財地にマグロ漁船への出向をチラつかせる強面の上司などコメディ要素もたっぷりでライトに楽しむことができる。

平日夜の貴重な時間だが、火曜10時はこのドラマに捧げてみてはどうだろう。

きっと仕事をする上でのあなたにとっても良いヒントが見つかるはずだ。


[文・構成/grape編集部]

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出典
正直不動産

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