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【オールドルーキー 第4話感想】涙の引退試合!綾野剛演じる父親役の魅力はここにある

By - grape編集部  公開:  更新:

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ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。

2022年6月スタートのテレビドラマ『オールドルーキー』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

かつて日本代表として活躍していた主人公がスポーツマネジメントという分野で第二の人生を歩む日曜劇場『オールドルーキー』。

仕事に熱心に取り組む主人公の姿はいつも視聴者に元気を与えてくれる。

しかし『オールドルーキー』第4話は、これまでと少し異なる『味変』の回となった。

主人公・新町(綾野剛)が仕事ではなく、家族と向き合う重要な回である。

綾野剛だからこそできる父親役の魅力

綾野剛が演じる、父親としての新町は、明るく、笑顔で優しい反面、少し臆病なところがあり、強く叱ったり、居心地が悪いと感じたらその場から逃げたりするところがあった。

よく考えると、我々はこれまで数々のドラマや映画で、喧嘩に強く、怖いと感じる役を演じてきた綾野剛を見てきたはずだ。

それなのに『オールドルーキー』の新町が、本気で怒る姿は一ミリも想像できない。

子供や妻に強く当たっている姿なんて考えられない。不思議である。

これが綾野剛が作り上げたキャラクターであり、私たちは先入観さえ消えてしまうマジックにかけられているのか。

先入観をなくしてくれることで、彼のまた新たな一面に出会えた気持ちになる。回を重ねるごとに綾野剛という俳優の未知数な魅力に取り憑かれているのは確かだ。

そのマジック状態で見ることができたからこそ、第4話では、わだかまりを解くことに時間がかかってしまった新町の家族への想いがさらに伝わってくるのであった。

娘との冷戦についに終止符

娘はずっと「サッカー選手のかっこいいパパ」でいてほしかったのだろう。引退が決まってから、娘は口を聞いてくれなくなっていた。

そして新町自身もサッカーへの未練を断ち切ることができていなかったのである。

そこでビクトリーの社長や妻からの許しをもらい、現役復帰にチャレンジすることになった。

娘たちにも、「これでもしダメだったらパパを許して欲しい」と伝えたうえでの挑戦だった。

しかし結果は現役復帰ならず。こうなることはわかっていたかもしれないが、許すと言ったはずの娘も泣きじゃくっていた。

やはり、サッカー選手のパパが見たかったのだろう。どこかで期待していた分、悔しい想いがあったに違いない。

新町も自分の力不足と本当の引退を受け止めるしかなかった。

そして後日、新町の引退試合が行われることに。

やはり、これまで『不完全燃焼』で終わっていたことが最大の心残りだったのである。

共に働くビクトリーの仲間や、サッカー選手時代のファンや仲間に見届けられ、ようやく新町はサッカー選手生命を終えることができた。

盛大に祝福されるラストはやはり感極まるものがある。

そして、娘とのわだかまりも解け、家族の絆がさらに深まった。

何事も自分も予期せぬタイミングや、突然の流れで終わってしまうこともあるが、区切りをつけるということは気持ちの面でも大切なのかもしれない。

ここから新町の第二の人生がスタートすることを、改めてはっきりと感じることができた瞬間だった。

スポーツ選手のシビアな部分

このドラマの良さは、スポーツ選手の活躍しているかっこいいところだけでなく、悩みや引退といったリアリティな部分まで扱っているところだ。

今回、『横浜DeNAベイスターズ』2軍選手の北芝謙二郎(板垣瑞生)は、梅屋敷(増田貴久)からマネージメント契約が間もなく終了することを告げられていた。

北芝はベイスターズに入団して6年目を迎えたが、ずっと2軍のまま。まだ24歳だが、待っていたのは今季限りでの戦力外通告だった。

スポーツ選手というのは実力主義の世界。成績が悪ければ24歳でクビということも起こり得るのだ。

会社と違って定年までその仕事が保証されることがない。

選手の悲しい表情を見ていると、そのシビアで残酷な世界を改めて実感させられる。

世界の選手たちはそんな思いをしながら、日々努力しているのかと思うとこれから我々もスポーツを見る目が変わるだろう。

第二の人生をスタートさせた新町と、スポーツの世界をこれからも共に楽しみたい。


[文・構成/grape編集部]

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