陛下と皇后様の真摯な御姿が、オランダ人の心を動かした…
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買った花束を店に置いていった女性 その後の展開に「鳥肌が立った」買った花束を店に置いていった女性 その後の展開に「鳥肌が立った」
- 出典
- 宮内庁
オランダの多くの人が日本について「快く思っていなかった」という事実をご存知でしょうか。
殺伐とした両国の関係を、その真摯さと慈愛の心で修復なされた、天皇皇后両陛下の心温まるエピソードをご紹介します。
オランダと日本の確執
江戸時代から良好な外交の歴史を持っていた両国でしたが、第二次世界大戦時にイギリスに亡命していたオランダ政府が、日本に対し宣戦布告。
当時オランダが植民地としていたインドネシアに日本が進攻・占領し、両国の関係は悪化しました。
それ以来オランダの反日感情は根強く、1971年に昭和天皇がオランダを訪れたときには、市民が卵を投げつけるなどの騒動が勃発。その後も世論の反発を受け交流が絶たれ、両国の関係は悪くなる一方でした。
再び友好に向けて
転機が訪れたのは、終戦後50年にあたる1995年。他国に対し植民地支配と侵略によって、多大な損害と苦痛を与えたことを再確認、謝罪を表明した『村山談話』でした。
それをきっかけとした『平和友好交流計画』が始まり、『アジア女性基金』などの償い事業も実施され、少しずつ両国は歩み寄りを始めます。
そして両国の関係修復を決定的になされたのが、今上天皇皇后両陛下と言われています。
身じろぎ一つない黙祷
2000年5月。両陛下がオランダをご訪問なされた時、少しは和らいだとはいえ反日感情は残っており、オランダのメディアは過去の戦争問題をこぞって報道しました。
両陛下はそんな中、オランダ王宮の正面にある戦没者記念碑にご供花なさり、1分間にわたる黙祷を捧げられました。身じろぎひとつないその御姿に、オランダのベアトリクス女王は涙したそうです。その御姿はメディアを通し、オランダ全土に報道されました。
オランダとの確執に対し、当時の記者会見で、天皇皇后両陛下はこうお答えになっています。
王冠を被った少女
翌日、両陛下はアムステルダムにある『ミチルスクール』という養護学校をご訪問されました。
この時、美智子様は、机に伏せたまま動かない少女にお気づきになったそうです。
おもちゃの王冠を頭にのせたその少女は、両陛下を歓迎しようと張り切りすぎて眠ってしまったのです。美智子様は起こすのは可哀想と、少女を眠ったままにされました。
歓迎式典が終わり、眠りから覚めた少女。式典が終わっていることに気がつき、泣きながら美智子様のもとへ駆け寄ったそうです。
このとき、美智子様はその女の子を優しく抱きしめられました。まるで聖母様を思わせるその写真は、翌日の新聞に大きく取り上げられ、多くのオランダ国民の心をうちました。
その後の両国は友好関係が続いており、2011年に日本で起きた『東日本大震災』の後には、オランダ全土で支援行事が多数開催されました。
また、2014年12月からオランダでは、日本国籍を持つ人がオランダでの住民登録をして銀行口座を開設すれば、労働許可を申請しなくても働けるなどの特別な待遇がなされています。
天皇皇后両陛下の、真摯かつ慈愛に溢れた御姿が結んだ友好関係。両陛下には改めて感謝と敬服の念を抱かずにはいられません。