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天皇陛下の『お気持ち表明』から約2年9か月 改元までの『お言葉』を振り返る

By - grape編集部  公開:  更新:

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2019年4月1日に、公表された新元号「令和(れいわ)」。約30年続いた「平成」が終わり、5月1日からは新しい時代が始まります。

明治、大正、昭和…近現代は、天皇の崩御によって元号が変わってきました。しかし、今回の改元は、天皇陛下の生前退位によるもの。

約200年ぶりとなる、生前退位による改元…それは2016年7月の『ある報道』から始まりました。

天皇陛下「国民の理解を得られることを、切に願っています」

2016年7月、NHKは「天皇陛下が生前退位の意向を示されている」と報じました。

宮内庁はすぐに「事実ではない」と、これを否定。しかし、この報道を境に『天皇陛下の生前退位』に関するさまざま情報がメディアをにぎわせるようになります。

中でも議論の対象となったのは、現在の皇室典範では「天皇陛下の譲位が認められていない」という点。つまり、「生前退位には法改正が不可欠だ」ということです。

天皇陛下ご自身が発言される前から、「天皇陛下の意向を尊重すべきだ」「認められていない以上、生前退位を許すべきではない」と、さまざまな意見がメディアをにぎわせます。そんな中、8月8日に天皇陛下がビデオレターでお気持ちを表明されました。

天皇陛下:
天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにもさまざまな影響が及ぶことが懸念されます。

更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉(しゅうえん)に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ2か月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、1年間続きます。そのさまざまな行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。

こうした事態を避けることはできないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。

※全文は2ページ目に掲載。

「天皇陛下という立場を考慮し、原稿の皇室制度にふれることを控えながら、これまで考えてきたことを話したい」と前置きをした上で、『生前退位をにじませるお気持ち』を語った天皇陛下。

中でも「国民の暮らしや残された家族のことを優先するお気持ち」に多くの国民が心を動かされます。

■世間の声

・天皇の譲位を認める規定がないのは、歴史的にそれが悪用された過去があるから。それでも、今回は陛下のお気持ちは最優先すべきだと思う。

・高齢でありながら、ご公務で全国を飛び回られる天皇陛下。そろそろ、皇后陛下とおふたりでゆっくりとお過ごしになってほしい。

・「お気持ちを表明する」ということだけでも簡単ではないはず。あえて表明した陛下の胸中を慮れば、答えはもう見えているように思います。

ネットには、法改正を行ってでも「天皇陛下のご意向を尊重すべき」という声が多数上がりました。

天皇陛下のお気持ち表明と、その後の世論を受けて、『天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議』(2016年10月~2017年4月)が設置され、意見交換が行われます。そして、2017年6月に『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』(以下、天皇退位特例法)※1が可決。

この『天皇退位特例法』によって、生前退位への法的な障害はなくなりました。その後、改元に向けた動きが加速し、2017年12月には「2019年4月30日に天皇陛下が退位、5月1日に皇太子さまが即位されること」が決まります。

※1『天皇の退位等に関する皇室典範特例法』(通称、天皇退位特例法)

2017年6月9日可決、6月16日公布。皇室典範では、天皇の終身在位を前提としているため、退位は認められていない。しかし、第125代天皇である今上天皇(明仁)に限り、退位を認め、皇位の継承を可能にするための特例法。

平成最後の『誕生日』に皇后陛下への想いを語った天皇陛下

退位される日が正式に決まってから、約1年後の2018年12月20日。12月23日に平成最後の誕生日を迎えられる天皇陛下は「現在の心境と共に、国民に伝えたいこと」を語られました。

災害の多かった2018年を振り返り、災害で命を落とした被災者に追悼の意を表されました。また、平成が戦争のない時代で終わろうとしていることに「心から安堵している」とも話されています。

天皇陛下:
そうした中で平成の時代に入り、戦後50年、60年、70年の節目の年を迎えました。

先の大戦で多くの人命が失われ、また、我が国の戦後の平和と繁栄が、このような多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず、戦後生まれの人々にもこのことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきました。

平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています。

さらに、皇后陛下に対するお気持ちを次のように語られました。

天皇陛下:
明年4月に結婚60年を迎えます。結婚以来皇后は、常に私と歩みを共にし、私の考えを理解し、私の立場と務めを支えてきてくれました。

また、昭和天皇を始め私とつながる人々を大切にし、愛情深く3人の子供を育てました。

振り返れば、私は成年皇族として人生の旅を歩み始めてほどなく、現在の皇后と出会い、深い信頼の下、同伴を求め、爾来じらいこの伴侶と共に、これまでの旅を続けてきました。

天皇としての旅を終えようとしているいま、私はこれまで、象徴としての私の立場を受け入れ、私を支え続けてくれた多くの国民に衷心より感謝するとともに、自らも国民の1人であった皇后が、私の人生の旅に加わり、60年という長い年月、皇室と国民の双方への献身を、真心を持って果たしてきたことを、心から労ねぎらいたく思います。

※全文は2ページ目に掲載。

国民への想い、そして皇后陛下への労いのお言葉…天皇陛下のお気持ちが表現された会見に、さまざまな声が寄せられました。

■世間の声

・失礼かもしれないけど、1人の夫として妻に感謝の気持ちを伝えているように感じた。素晴らしいと思う。

・平成最後の誕生日にふさわしいスピーチ。皇后陛下への想いを語るくだりで涙が出たよ…。

・陛下のお人柄が伝わりますね。戦争がなかったことに関しては、私も安堵しています。

後半は、時折涙声になられながら、皇后陛下や国民に対する感謝の気持ちを述べられた天皇陛下。

ネットの声にもあるように、天皇陛下としてだけではなく、1人の人間として皇后陛下に対する感謝の気持ちをストレートに表現されるお姿が多くの人の心に響きました。

天皇陛下「どうして…あ、そうか?」皇后陛下「違いますね…」

2019年1月7日に、在位30年を迎えられた天皇陛下。これを記念し、2月24日に東京の国立劇場で『天皇陛下御在位三十年記念式典』が行われました。

式典の中で、これまでの歩みについてのスピーチを行われた天皇陛下。ところが…。

天皇陛下:
政府、並びに国の内外から寄せられた…ん?

原稿を見ながら、何かにお気づきになられた様子です。

すると、皇后陛下が素早くお近づきになり、小声でこんなやりとりを…。

天皇陛下:
どうして?あ、そっか…。

皇后陛下:
違いますね…。

天皇陛下:
あ、これだ。どうもすみません。

天皇陛下がお読みになっていた原稿の順番が間違っていたのです。

皇后陛下は、原稿の順番を確認しながら整理。スピーチを再開された天皇陛下をそばで見つめるお姿が、ネットで大きな話題になりました。

■世間の声

・いつもとは言葉遣いが違って新鮮だった。きっと普段からおふたりは助け合われているんですね。

・二人三脚で歩んで来られた平成だった…おふたりのやりとりを見て、そう感じました。

・夫婦のあるべき姿を見せていただいたように思います。

アクシデントが起こったからこそ、垣間見えた両陛下の素顔。

互いに助け合いながら歩んで来られたことが伝わる『やりとり』に多くの人が心を打たれたようです。

長年にわたり、ご公務でお忙しくされてきた両陛下。5月1日から、天皇陛下は上皇に、皇后陛下は上皇后となられ、基本的にご公務はされません。

「おふたりで、ゆっくりと、そして好きなことをしてほしい」…天皇陛下のお気持ち表明時に、多くの国民が感じたことが令和と共に始まるのではないでしょうか。

出典
宮内庁首相官邸産経ニュース

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