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相手に自分の話は届いているか? 日頃から『伝えたいこと』を意識してみる

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

自己紹介上手になる

ちょっとした集まりや食事会などで、自己紹介をすることがあります。同窓会などであれば近況報告でしょうか。

人前で話すのが苦手という人も多いと思います。自分のことを話すのに、なぜうまく伝えられないのか。

最初に、「伝える」という意識を持つことが大切だと思います。「伝わる」のではなく、「伝える」という意識です。

「マイクの向こう側の人を思い浮かべ、直接話しかけるように、話す」

ラジオのナレーションのクラスの先生から教わったこのアドバイスを、今も心に留めています。

これはラジオで話すときばかりでなく、講演会やちょっとした自己紹介などするときにも有効です。

人前で話すときに内容がまとまらなかったり、話がだんだん外れてしまうのは、視点が自分の中へ向いているのです。

何を話すか、どのように話せばいいか、それだけで頭がいっぱいになる。誰に向かって話をしているのか、何を伝えるのか。

そこをしっかりと意識しないと、ただしゃべっている、という感じになり、「伝える」ことにならないのです。

相手に自分の話は届いているか。受け取ってくれているか、確認しながら話してみましょう。聞いている人たち一人ひとりに語りかけるように。

ちゃんと目を合わせながら話すと落ち着きますし、相手の反応も伝わってきます。言葉は投げるものではなく、ギフトを手渡すように伝えるもの。

自己紹介や近況報告なども、手渡すように話すのがいいと思います。

自分をよく見せよう、大きく見せようとすると、自慢話と受け取られます。人はそう思ってしまうと素直に話を聞けなくなるものです。

自分を大きく見せるのではなく、自虐ネタとまでは行かなくとも、ちょっと自分を落としてみると聞いている人は安心します。

心を開いてくれる、というのでしょうか。話を聞いてくれるようになります。

自分がよく知っていること、得意分野のことについて話すときは、説明しすぎてセミナーのようにならないように。ついつい話が広がっていくと、聞いている人たちは置き去りになってしまいます。

以前、中学時代の同窓会のとき、みんなにカードを引いてもらいました。

そのカードには「最近、感動したこと」「今、夢中になっていること」「これからトライしたいと思っていること」など、近況報告と共に、話してもらうテーマを記しました。

テーマが決まっていると、みんな話しやすかったようです。

伝えたいことがあって初めて言葉になります。日頃から、『伝えたいこと』を意識してみる。たくさん感動する。ささやかなことにも、ふとしたことにも。

すると世界の見方が広がり、自分の世界も広がっていきます。そして、豊かな気持ちで自分を伝えられるようになるのです。

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吉元 由美
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※記事中の写真はすべてイメージ


[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
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