『はかる』の正しい使い分けとは? それぞれ漢字の意味や例文も紹介! By - COLLY 公開:2024-05-08 更新:2024-05-08 雑学 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 『はかる』という言葉には、いろいろな漢字が使われるのをご存知ですか。はかるものによって、それぞれの意味が変わったり、使い分けが必要になったりするのは難しく感じられます。そこで、こちらの記事では『はかる』の使い分けとともに、意味や例文について見ていきます。 『はかる』の使い分け ※写真はイメージ 『はかる』の使い分けについて、以下6通りの漢字表記それぞれの意味を簡単に紹介します。 計る:数値を数える・考える 測る:長さや高さ、深さ、広さや、速度・熱・血圧などの程度を調べる、推察する 量る:重さ・体積・容量などを調べる、推量する 図る:企てる・処理する 謀る:悪いことを企てる 諮る:意見を聞く 『はかる』の意味 ※写真はイメージ 『はかる』の意味を、それぞれの漢字に分けて細かいニュアンスの違いを紹介します。 計る 『計る』と書く場合、主に時間や数値を調べる、知ろうとするという意味です。『計』という漢字には数を数える、考える、などの意味があり、予測をしたり見通しを立てたり、何かを企てたりする意味で用いることもあります。 測る 『測る』は主に、物の長さや深さ、高さや広さを調べるという意味です。熱、血圧、速度などをはかる場合も使います。 量る 『量る』は主に、ものの重さ、容積、体積などを調べるという意味です。『量』という漢字は袋の上に穀物を入れるじょうごをかたどっているといわれており、重さをはかる意味を持つようです。 また、人の気持ちの大きさを思い、どのように感じているか推量する、見計らう、思案するといった意味でも用いられます。 図る 『図る』は、企てる、工夫する、考える、処理するといった意味。くわだてがうまく成功するように処理するといった意味合いで使う場合もあります。 企てるという意味で使う場合、よい意味でも悪い意味でも用いられますよ。 謀る 『謀る』とは、計略をめぐらす、相手をだますという意味です。『謀』という漢字は、もともと「意見を出し合って相談する」という意味だったとか。ただ、徐々に悪い意味で使われるようになり、相手を陥れたり、悪いことを考えたりするという意味合いが強くなっています。 諮る 『諮る』とは、意見を聞くということ。『諮』の漢字の意味は、目上の立場より目下の人へ質問をして相談するという意味でしたが、現在では主に、組織や委員会などの会合の場で使われることが多いです。 『はかる』の言い換え ※写真はイメージ 紹介した『はかる』それぞれの漢字に合う言い換えの表現を紹介します。 計る 『計る』の言い換え表現は下記の通り。『測る』『量る』と似ている部分があるかもしれませんね。『図る』のように、よいことも悪いことも、計画を立てる意味で使われます。 計測する:機器などの道具を使って数値、長さ、重さを調べる。 計時する:競技などで所要時間をはかる。 目論む:手段などについていろいろと計画を立てる。 企てる:計画を実行に移そうとする、アイディアを試す 判断する:真偽、善悪を見極めて考えを決める。論理的に考えて決定を下す。 測る 『測る』の言い換えは下記の通り。『計測する』は『計る』と同様に言い換えができます。『測』はものさしなどで深さを測ることがもともとの意味。『推測する』場合は、心の深部をはかるようなニュアンスが含まれます。 計測する:器械や道具を使い、数値、長さ、重さを調べる。 測量する:推し量って考える・機器を使って地表の位置関係や形、面積などを測定し図で示す。 測定する:ある数量の大きさを機器や装置を使って調べる。 推測する:相手の心の深部まで、考えていることにある程度の当たりをつける。 量る 『量る』の言い換えは下記の通り。『量』はもともと、穀物の重さ、体積や容積を測るという意味。『推し量る』という場合、相手の心の大きさの部分にわたるまで予測するようなニュアンスを含みます。 計量する:重さなどの数量、分量やものの重さなどをはかる。 秤量(しょうりょう・ひょうりょう):はかりにかけて重さをはかる、はかりを使う際に正確で安全にはかれる最大限度の重さ。 実測する:ものや土地を実際に出向いてはかる。実地で測量をする。 推し量る:相手の計り知れない心の大きさに至るまで、考えていることにある程度の当たりをつける。 図る 『図る』の言い換えは下記の通り。『計画を立てる』という意味では、『計る』と同様に、よい計画だけでなく悪い計画についても使う場合があります。 策を練る:計画や成功するための手段などについて、内容を検討して手を加える。 企画する:計画を立てる。 立案する:(下書きなどをして)アイディアを出す。 解決する:(問題などを)処理する、分かりやすく片付ける。 収拾する:その場に起こったことを収める、取りまとめする、片付ける、状態を整える。 謀る 『謀る』の言い換えは以下の通り。『計る』『図る』と似ていますが、こちらは主に悪いことを計画した時に使われます。 また、『謀』という漢字には、神木の下で話し合いをする意味も含まれていて、二人以上の人が悪い計画に関わっているというニュアンスを含んでいる場合もあるようです。 悪巧(わるだく)みをする:人を陥れるような悪い企みをする。 誑(たぶら)かす:人をだましてあざむく・甘い言葉や色仕掛けでだます。 騙(だま)す:悪意があってウソを吐く。にせものをつかませて、本物のように見せる。 欺(あざむ)く:人を誘いかけて自分の思い通りに操る・本当のように思わせてだます。 偽る:実際のこと、自分の本心を隠し、真実を捻じ曲げる。 諮る 『諮る』の言い換えは以下の通り。 相談する:問題を解決するための話し合いや、自分以外の人の奇譚のない意見を聞く。 意見を求める:考えや主張、心に思ったことを自由に言ってもらう。 問う:多くの人に判断や意見を求める。相手の考えを知るために尋ねる。 評議する:意見を交換して、あるものに対して決定を下す。 『はかる』の例文 ※写真はイメージ 『はかる』の使い分けや言い換えを見ても、細かい部分まで理解しにくいと感じている人もいるでしょう。漢字での表記を分けて、例文を紹介します。確認してみてくださいね。 計る 『計る』の例文は以下の通り。『図る』ともかぶる所がありますね。 駅から学校までの所要時間は、徒歩で計ると約10分です。 タイミングを計って退出した。 彼女には計り知れない可能性がある。 うーん。まんまと計られたか。 測る 『測る』の例文は以下の通り。主に深さや長さについて使われ、機器を使って調べる場合にも用いられることがあります。気持ちを予測する意味で使う場合は『量る』と意味合いが似ているでしょう。一部『計る』とも併用される場合もありますよ。 熱を測ったら、38度でした。かなりだるいです。 おいしいものを食べすぎて、体重を測るのがとてもつらい。 家具を買いに行く前に、メジャーを使って、部屋に置くスペースの長さと幅を測った。 診察前に血圧を測るように、看護師さんに指示された。 台風が過ぎた後に、川の水深を測ったらいつもの3倍の高さだったそうだ。 相手の気持ちを測ると、いろいろいうことがあるだろうな。 量る 『量る』の例文は以下の通り。重さ、容積、体積などをはかる際に使われます。人の気持ちをどのようなものか思いやる場合、『測る』とよく似たニュアンスです。 駄菓子を量り売りで大人買いした。 米の重さを量った。 お菓子を作るなら、粉や砂糖などをしっかり量ってくださいね。 おこわを作るために、もち米を升に入れて量った。 計量カップで米と水を量って、炊飯器にセットした。 手ひどくふられた彼女の心情を推し量ると、とてもつらいだろう。 図る 『図る』の例文は以下の通り。『計画する』という点では『計る』と同じように使えますね。 子供さんが就職できるように、有力者に便宜を図るようにお願いしたそうですよ。 海外の王族は子孫の繁栄を図るために、政略結婚を強いたらしい。 A社では、電気代を浮かすために、省エネ化を図っているとのこと。 落とし所を探って、解決を図ろうとしている。 防災訓練の際にも、身の安全を図って落ち着いて行動してください。 リタイアしたが、再起を図ってスタートラインに立つつもりだ。 謀る 『謀る』の例文は以下の通り。悪い意味で計画を立てる、合議でだます計画をあれこれと考えているイメージで使えます。 悪代官と悪徳商人が謀って、当主を亡き者にしようと試みた。 転覆を謀る反社会的勢力が摘発された。 専務は社長の失脚を謀ったが、失敗に終わった。 ある国ではクーデターを謀り、政権が交代した。 諮る 『諮る』の例文は以下の通り。現在は、会合での話し合いで使う例が多いでしょう。 問題を総会に諮って、決定した。 議案を総会に諮ったのだが、否決された。 総会で諮るつもりだが、出席できない人は委任状を提出してください。 社員に諮り、無事に合意に至るとよいが。 『はかる』を使い分けられるようになろう! 『はかる』には、いろいろな漢字を使うことが多く、使い分けが大変難しいです。漢字本来の意味を確認して、正しく使い分けできるように心がけましょう。 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
『はかる』という言葉には、いろいろな漢字が使われるのをご存知ですか。はかるものによって、それぞれの意味が変わったり、使い分けが必要になったりするのは難しく感じられます。そこで、こちらの記事では『はかる』の使い分けとともに、意味や例文について見ていきます。
『はかる』の使い分け
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『はかる』の使い分けについて、以下6通りの漢字表記それぞれの意味を簡単に紹介します。
『はかる』の意味
※写真はイメージ
『はかる』の意味を、それぞれの漢字に分けて細かいニュアンスの違いを紹介します。
計る
『計る』と書く場合、主に時間や数値を調べる、知ろうとするという意味です。『計』という漢字には数を数える、考える、などの意味があり、予測をしたり見通しを立てたり、何かを企てたりする意味で用いることもあります。
測る
『測る』は主に、物の長さや深さ、高さや広さを調べるという意味です。熱、血圧、速度などをはかる場合も使います。
量る
『量る』は主に、ものの重さ、容積、体積などを調べるという意味です。『量』という漢字は袋の上に穀物を入れるじょうごをかたどっているといわれており、重さをはかる意味を持つようです。
また、人の気持ちの大きさを思い、どのように感じているか推量する、見計らう、思案するといった意味でも用いられます。
図る
『図る』は、企てる、工夫する、考える、処理するといった意味。くわだてがうまく成功するように処理するといった意味合いで使う場合もあります。
企てるという意味で使う場合、よい意味でも悪い意味でも用いられますよ。
謀る
『謀る』とは、計略をめぐらす、相手をだますという意味です。『謀』という漢字は、もともと「意見を出し合って相談する」という意味だったとか。ただ、徐々に悪い意味で使われるようになり、相手を陥れたり、悪いことを考えたりするという意味合いが強くなっています。
諮る
『諮る』とは、意見を聞くということ。『諮』の漢字の意味は、目上の立場より目下の人へ質問をして相談するという意味でしたが、現在では主に、組織や委員会などの会合の場で使われることが多いです。
『はかる』の言い換え
※写真はイメージ
紹介した『はかる』それぞれの漢字に合う言い換えの表現を紹介します。
計る
『計る』の言い換え表現は下記の通り。『測る』『量る』と似ている部分があるかもしれませんね。『図る』のように、よいことも悪いことも、計画を立てる意味で使われます。
測る
『測る』の言い換えは下記の通り。『計測する』は『計る』と同様に言い換えができます。『測』はものさしなどで深さを測ることがもともとの意味。『推測する』場合は、心の深部をはかるようなニュアンスが含まれます。
量る
『量る』の言い換えは下記の通り。『量』はもともと、穀物の重さ、体積や容積を測るという意味。『推し量る』という場合、相手の心の大きさの部分にわたるまで予測するようなニュアンスを含みます。
図る
『図る』の言い換えは下記の通り。『計画を立てる』という意味では、『計る』と同様に、よい計画だけでなく悪い計画についても使う場合があります。
謀る
『謀る』の言い換えは以下の通り。『計る』『図る』と似ていますが、こちらは主に悪いことを計画した時に使われます。
また、『謀』という漢字には、神木の下で話し合いをする意味も含まれていて、二人以上の人が悪い計画に関わっているというニュアンスを含んでいる場合もあるようです。
諮る
『諮る』の言い換えは以下の通り。
『はかる』の例文
※写真はイメージ
『はかる』の使い分けや言い換えを見ても、細かい部分まで理解しにくいと感じている人もいるでしょう。漢字での表記を分けて、例文を紹介します。確認してみてくださいね。
計る
『計る』の例文は以下の通り。『図る』ともかぶる所がありますね。
測る
『測る』の例文は以下の通り。主に深さや長さについて使われ、機器を使って調べる場合にも用いられることがあります。気持ちを予測する意味で使う場合は『量る』と意味合いが似ているでしょう。一部『計る』とも併用される場合もありますよ。
量る
『量る』の例文は以下の通り。重さ、容積、体積などをはかる際に使われます。人の気持ちをどのようなものか思いやる場合、『測る』とよく似たニュアンスです。
図る
『図る』の例文は以下の通り。『計画する』という点では『計る』と同じように使えますね。
謀る
『謀る』の例文は以下の通り。悪い意味で計画を立てる、合議でだます計画をあれこれと考えているイメージで使えます。
諮る
『諮る』の例文は以下の通り。現在は、会合での話し合いで使う例が多いでしょう。
『はかる』を使い分けられるようになろう!
『はかる』には、いろいろな漢字を使うことが多く、使い分けが大変難しいです。漢字本来の意味を確認して、正しく使い分けできるように心がけましょう。
[文・構成/grape編集部]