『執着』とは何か? 執着する心理と手放すためにやっておきたい3つの習慣
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周りが見えなくなってしまうほど、何かに執着した経験を持つ人もいるでしょう。執着の度合いによっては、自身だけでなく、周りにもストレスや不安などの悪影響をもたらし、ひいては心身のバランスを崩すことも少なくありません。
しかし、執着心を長く持てば持つほど、断ち切るまでには時間がかかります。自身の執着にとらわれて、なかなか手放せなくて苦しんでいる人はたくさんいるのです。
この記事では、執着する心理の背景や手放すために実践したい3つの習慣を紹介します。これらの習慣を取り入れることである程度執着心から解放され、より充実した日々を過ごせるようになりますよ。
執着心とは?言い換えと例文
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執着心とは、特定のものや人に対して強いこだわりを持つこと。時に自身だけでなく周りも縛りつけ、自由な発想や行動を妨げる原因にもなるのです。
例えば、仏教では『苦しみの原因』として『執着』をあげています。ブッダは、執着から離れることが苦しみから逃れることであると説きました。このように、ものに執着するということは、よくも悪くも私たちに大きな影響をもたらします。
言い換えと例文
『執着心』には、さまざまなニュアンスの言い換え表現があります。言い換えとそれぞれの例文を見ていきましょう。
固執(こしつ)
自分の考えややり方に強くこだわり、ほかの意見を受け入れない状態。
【例文】
彼は自分のやり方に固執し、同僚の提案を一切聞き入れなかった。
頑固(がんこ)
かたくなに考え方や態度を変えない状態。
【例文】
祖父は昔から頑固で、新技術導入にまったく興味を示さない。
強欲(ごうよく)
ものやお金などに関する自分の欲望が非常に深い状態。
【例文】
伯父の強欲さは、兄弟たちの信頼を失い疎遠の原因となった。
未練(みれん)
過去の出来事や関係に対して、完全に諦めきれない状態。
【例文】
彼女は昔の恋人に対する未練を断ち切れていない。
執念(しゅうねん)
何かを達成するための強い意志や、あきらめない姿勢を持つ状態。
【例文】
後輩は強い執念を持ち、目標達成のためにはどんな困難にも屈しなかった。
頓着(とんちゃく)
物事に対して気にかけたり、こだわったりする状態。
【例文】
姉は他人の評価に頓着せず、自分の道を進んでいる。
執着する心理とは?執着する主な対象5つ
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私たちが特定のものに強いこだわりを持つと、それが執着になります。執着は時に自身を前進させる原動力になる一方で、過度に執着してストレスや不安を引き起こすという二面を持っているのです。
この章では、金銭、恋愛、家族、友達、外見という主な5つの執着対象について、それぞれの特徴と心理的背景を解説します。
金銭
金銭に対する執着は、安心感を求める気持ちから生まれます。育った環境が金銭面が原因であまり欲しいものを買ってもらえなかった場合などは、その傾向が強くなりがち。確かに金銭的な不安がなければ、将来の心配が減りますよね。
しかし、過剰に金銭に執着すると、大切なものを見失う危険があります。金銭そのものが目的になると、人としての心の豊かさを犠牲にしてしまいかねません。
恋愛
恋愛は、愛されたい、相手を失いたくないという強い感情から、執着が生じます。相手に執着しすぎると依存してしまい、不安や嫉妬に苦しむことに。恋愛が人生の中心となり、過剰な期待や要求で相手を束縛してしまうこともあるでしょう。
このような状態が当たり前になると、自分自身の価値を見失ってしまう可能性も。本来なら喜びや充足感をもたらす恋愛が、ストレスや苦痛になると相手が離れていくでしょう。
友達
孤独感を埋めたい気持ちから、友達に対する執着が生まれることがほとんどです。友人関係に執着しすぎると、過剰な期待や依存が生まれ、相手の行動に自分の価値観を合わせることになりかねません。
最初は仲がよくても、依存しすぎると相手もそのうち耐えきれなくなり、離れていくでしょう。友情を大切にしつつも、自立した関係を築くことが大切です。
家族
育った環境では愛情が足りずさびしい思いをしたために、家族に対する執着を持つ人もいます。こういう家庭が欲しい、家庭はこうあるべきという気持ちから、過剰な過保護や過干渉につながることがあるのです。
しかし、理想に執着しては家族間の関係に緊張を生みかねません。パートナーや子供に過剰な要求をすると、将来なんらかのトラブルになりやすいのです。家族の意思を尊重しつつ適度な距離感を保つことが、よい関係を維持する秘訣になります。
外見
第一印象は視覚の情報が大きいため、外見で決まるといわれています。外見に関する悩みは多く、他者からの評価によって強いコンプレックスを持つこともあります。美しく見られたい、かっこよく、若々しくありたいというのは、自然な願望です。
しかし、あまり外見にこだわりすぎると、本来の自分らしさを見失うことも。他人の目を気にしてしまうのは心身ともによくありません。外見よりも内面的な部分をより充実させましょう。
執着心が強い人の主な3つの特徴
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執着心が強い人には、共通する特徴がいくつか見られます。これらの特徴は、日常生活や人間関係において、執着が過度になりやすい原因にも。
主な特徴としては、『自己肯定感が低い』『思い込みが激しい』『気持ちが満たされていない』の3つがあげられるようです。それぞれ見ていきましょう。
自己肯定感が低い
執着心が強い人は、自己肯定感が低い傾向があります。自分自身に対する評価が低いため、他人や物事に強く依存し、自己価値を外部に求めがちになるようです。承認欲求が高くなり、ものの所有を通じて自分の価値を確認しようとします。
他人の評価や所有物に執着し、これらが失われることに強い不安や恐れを感じるようです。
思い込みが激しい
思い込みが激しいのも、執着心が強い人の特徴といわれています。特定の考えや信念に固執し、強く信じ込むため、ほかの視点や意見をなかなか受け入れられません。思い込みにより自分の世界を狭めてしまうと、執着心をさらに強めてしまうことも。
「自分を理解してくれるのはこの人だけ」「これがないと幸せになれない」などの強い思い込みが、執着心を生みやすいといいます。
気持ちが満たされていない
執着心が強い人の多くは、心の中に満たされない感情を抱えています。日常生活や人間関係において何かが足りないと感じ、それを埋めようとするために特定の対象に執着するのです。
例えば、愛情が不足していると感じると、それを補うために恋愛やものに執着しやすくなります。心の穴を埋めるために、外部の何かにしがみつくことで、執着心が強まるのです。
執着心を手放すためにやっておきたい3つの習慣
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この章では、執着心を手放すための習慣を3つ紹介します。執着心はすぐに手放せるという簡単なものではないため、ルーティンに組み込みコツコツ取り組んでいきましょう。やることはとてもシンプルです。
自分自身に向き合い認める
執着心を手放すための第一歩は、自分自身に向き合い、ありのままの自分を認めること。自己肯定感が低いと、他者や物事に執着してしまいがちです。
自分が何に執着しているのか、その背景にある気持ちを探りましょう。楽な作業ではありませんが、自身に向きあうことで少しずつ執着から解放されていきます。どんな自分でも受け入れることが、心の安定につながるのです。
人と比較しない
執着心は、他人と比較することで生まれることがほとんど。周りの人と比べて自分が劣っていると感じたり、他人をうらやんだりする気持ちが、執着心を強める原因になります。
他人の評価や成功にとらわれず、自分のペースで進むことを心がけましょう。自身の価値観を大切にし、なおかつ目標に集中すれば、自然と他人を意識しなくなるものです。時間をかけて、徐々に意識を変えてみてくださいね。
できることから始める
自分の価値観を一気に変えようとするのではなく、できることから少しずつ始めていきます。小さな目標を設定して達成することを繰り返して、自信をつけることが大切です。
例えば、ものに執着している場合は、不要なものを見直したり、思い切って処分したりしてみましょう。必要と思い込んでいたものが意外とそうでもなかった、ということが多いのです。
少しずつ実行可能な行動を積み重ねていけば身軽になり、執着心は徐々に薄れていくでしょう。
執着から解放された豊かな人生を過ごそう
執着は人間である限り、なくなりません。執着は大きければ大きいほど、私たちの心を縛り、不安やストレスを引き起こす原因となりえます。
執着にとらわれた心を軽くするためには、何よりもまず、自分自身にきちんと向き合うことです。他人にとらわれていては心が休まりません。ここで紹介した3つの習慣を少しずつ始めてみてくださいね。
どんな小さなことでもいいので、自分を褒めて自己肯定感を高め、新しい一歩を踏み出していきましょう。
[文・構成/grape編集部]