『諦観』とは?語源や意味・類似語・対義語・英語表現も紹介!
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職場や日常生活で『諦観』の言葉を聞いたことはありますか。『諦める』の漢字が使われているので、『断念する』『物事を途中で投げ出す』のようなマイナスイメージを持っている人もいると思います。
『諦観』の語源や、本来の意味は決してネガティブな内容ではありません。本記事では『諦観』はどのような意味や語源を持つ言葉なのか、類似語や対義語、英語表現や例文もあわせてご紹介します。
『諦観』とは
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『諦観』は一般的には『ていかん』、仏教では『たいかん』と読みます。『諦観』の意味と語源を詳しく見ていきましょう。
『諦観』の意味
『諦観』の『諦』は『明らか』『つまびらか』、『まこと』などの意味を持っています。『観』は『注意して見る』『ながめる』状態を意味しますね。
『諦観』の意味は、物事の本質をはっきりと見極め、諦め、悟って超然とする状態を指します。
『悟る』は物事の真の意味を知り、『超然』は物事にこだわらず平然としているさまです。何事もなかったように落ち着きはらっている状態をいいます。
分かりやすく言い換えると、『諦観』は自分の努力で変えられること、変えられないことを『明らかに見て』断念する選択も取り入れる行為なのです。
自分の力で変えられない場合は諦めて執着せず、どうすればうまくいくか原因や方法を正しく分析し、自分の力で変えられるほうに力を注ぐポジティブな考え方といえるでしょう。
一般的には、「何かに取り組んでいる時は諦めず最後までやり遂げるのが素晴らしい」、「物事を途中で投げ出すのはみっともない」という考えが浸透しています。特に日本では『諦観』にマイナスなイメージを持つ人が多いかもしれません。
試行錯誤し、本質を見極めて諦めた先には新たな道が開かれます。新たな道を選択しなくても、本質を見極めるだけで、自分を執着から解き放ち生きやすくなる場合もあるのです。
『諦観』の語源
『諦観』は仏教が語源の言葉です。『諦』はインドの言語であるサンスクリット語で、『サティア』といい、『真理』『明理』『道理』などを意味します。『観』は『見る』のため、『諦観』は『明らかに真理を見る』『物事の本質を見極める』という意味になるのです。
仏教で『真理』は、因果の道理を明らかに見ることを意味しています。物事には必ず原因があるとしているのですね。
悪い出来事が起きた時や夢が叶わない時には、『なぜ起こったのか』『なぜ叶わないのか』など、原因がどこにあるのかをはっきり見るべきとする教えです。
『諦観』には、明らかになった原因によっては執着せずに手放して受け入れるという意味合いがあり、内心の平和を得られるといわれています。
『諦観』の類語
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『諦観』の類語には下記のような言葉があります。例文とともに見ていきましょう。
達観(たっかん)
『達観』は物事の全体を広く見通し、細かい部分に迷わされず、道理や真理を見極めること。物事にこだわらず、どうなろうとも動じない心境になる状態をいいます。
【例文】
諦念(ていねん)
『諦念』は、真理を悟り迷いのない境地に達する意味と、諦めの境地に達する意味があります。
【例文】
観念(かんねん)
『観念』は物事に対する考え方や認識を意味しますが、『諦観』の類義語として『心静かに一切を観察し、覚悟して諦めて状況を受け入れる』意味もあります。
【例文】
『諦観』の対義語
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『諦観』の対義語には下記のような言葉があります。例文とともに見ていきましょう。
執着(しゅうちゃく)
『執着』は、ものやことに強く惹かれ、深く思い込んでどうしても忘れられないこと。1つに心をとらわれて、離れられない状態をいいます。
【例文】
固執(こしつ)
『固執』とは、自分が考えていることや主張、好きな物事などに関して、人の意見を聞かず、決して譲らない状態のことです。
【例文】
拘泥(こうでい)
『拘泥』は、ほかの選択肢があるのに1つに必要以上にこだわること。物事にとらわれ、周りが見えなくなる状態をいいます。
【例文】
修羅(しゅら)
『修羅』は、嫉妬や猜疑心(さいぎしん)から起こる醜い争いや果てしない闘い、戦争、激しい怒りや恨みの感情のあらわれなどのたとえをいいます。
【例文】
『諦観』の使い方・例文
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『諦観の念』『諦観の境地』『諦観的』など、『諦観』を含む表現は多くあります。いくつか『諦観』を使った例文を見ていきましょう。
【例文】
『諦観』の英語表現
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英語に『諦観』を意味する単語はありません。『本質を見極める』意味の英語表現と例文を紹介します。
get an insight into~
『get an insight into~』は、『~の本質を見極める』『~に洞察が得られる』という意味です。
【例文】
(私は、他者を見抜き、洞察を得られます)
have a clear view of the essentials
『have a clear view of the essentials』の意味は、本質を見極めることです。
【例文】
(大切なのは、本質を見極めることです)
resign myself to ~ing
『resign myself to ~ing』は、『悟って~することを受け入れる』『諦めて~する』の意味を持ちます。
【例文】
(私は諦めて、その仕事を選びました)
『諦観』の意味を正しく理解しよう
『諦観』は諦める、断念するなどの意味ではなく、物事に執着せず、諦めるべき理由を明らかにし受け入れる状態を意味します。
仏教では『執着』が悩みや苦しみを生み出す原因になると考えられているようです。『諦観』は『執着』と逆で、できることとできないことを判断してきっぱり諦め、自分の努力で達成できるよう邁進していくポジティブな言葉なのですね。
『諦観』の意味を正しく理解した上で『諦観』の考え方を取り入れ、悲喜こもごもある人生を軽やかに過ごしていきましょう。
[文・構成/grape編集部]