黒カビには毒性がある?発症の可能性がある症状や黒カビの除去方法を解説
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「黒カビに毒性はあるのかな」
「黒カビを放置すると、身体にはどのような影響があるのだろう」
黒カビが頻繁に発生すると、身体に影響が出ないのかが気になる人もいるでしょう。
黒カビにはさまざまな種類があり、中にはカビアレルギーや呼吸器疾患の原因となるものもあるようです。
本記事では、黒カビの毒性の強さや発症する可能性がある症状を紹介します。黒カビが発生した場合の除去手順や予防法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
黒カビは種類によって毒性の度合いが異なる
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黒カビとは、黒や暗緑色をしたカビのこと。水分が豊富で、換気が不十分な場所に生息します。特に、天井や浴室は水分が多く栄養源が豊富なため、黒カビの生命力が強くなり繁殖しやすいようです。
黒カビは、種類によって毒性の度合いが異なるといわれています。毒性が強いとされるものは、人間の健康に深刻な影響をおよぼす可能性もあるようです。
ここでは、黒カビの種類や特徴を深掘りしますので、対処や予防に役立ててください。
黒カビの種類と毒性の強さ
黒カビには複数の種類があり、毒性の強さにも違いがあるようです。ここでは黒カビの一種といわれる『クラドスポリウム属』と『アスペルギルス属』を紹介します。
日本では『クラドスポリウム属』が一般的とされており、風呂場や家の外壁など、屋内外を問わずさまざまな場所に生息するといわれています。
アレルギー反応や呼吸器系への影響が考えられますが、毒性はそれほど強いものではないようです。
このクラドスポリウム属よりも毒性が強いと考えられているのが、『アスペルギルス属』なのだとか。呼吸器疾患を引き起こす可能性があり、人間の健康に深刻な影響をおよぼすリスクがあるそうです。
アスペルギルス属のカビは、屋内や屋外など多くの環境において発生する恐れがあります。ただし、アスペルギルス属のカビは黒色以外にも緑、茶色、白などのさまざまな色が見られるとされています。黒色以外のカビにも注意しましょう。
黒カビが繁殖しやすい環境であるサインに注意
黒カビが繁殖しやすい環境かどうかを見分けるサインとして、『ロドトルラ』と呼ばれるものがないかを見る方法もあるようです。ロドトルラとは、お風呂場や洗面台などで見かける、ぬるぬるとしたピンク色の汚れのことです。
『ロドトルラ』は、温度20〜30℃で湿気の多い場所を好むとされています。皮脂や石鹸カスを栄養素にしており、非常に繁殖力が高い点が特徴ですが『酵母菌』の一種であり、カビではありません。
黒カビと繁殖条件が似ていることから、黒カビ発生のサインといわれています。
黒カビが原因で発症する可能性がある症状
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黒カビによって、アレルギー反応や呼吸器系に影響をおよぼす可能性があることを前述しました。
ここからは、黒カビが原因で発症する可能性のある症状を一部紹介します。
カビアレルギー
『カビアレルギー』とは、カビの胞子を吸い込むことで起こるアレルギー反応や症状のことです。
軽度な場合は、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど花粉症に似た症状が出るといわれています。悪化すると、日常生活に支障をきたす恐れもあるそうなので、注意しましょう。
マイコトキシン中毒
黒カビが生成するとされる有害物質『マイコトキシン』は、体内に蓄積することで中毒症状を起こすようです。頭痛や倦怠感、めまいなどの症状が現れるケースがあります。
治療方法としては、吸着剤を使い体外に排出させる方法や食事療法、サプリメントの摂取などがあるようです。
アスペルギルス症
アスペルギルス症とは、黒カビの一種である『アスペルギルス』が原因で起こるとされる呼吸器疾患を指します。肺や副鼻腔に感染して、咳や発熱、呼吸困難などの症状を引き起こす点が特徴です。
免疫力が低下している人は発症しやすい傾向にあるといわれているため、注意しましょう。
黒カビが発生する条件
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以下のような環境下では黒カビが発生しやすいといわれています。
20〜30℃は、黒カビがもっとも活動しやすい温度といわれています。20〜30℃は人が快適に感じる温度のため、家の中は発生しやすい環境といえるでしょう。
さらに、湿度60%以上になると、カビの胞子が活発に動くとされています。梅雨の時期や冬場に部屋を閉め切っていると、温度や湿度の条件を満たす可能性があるため注意が必要です。
ホコリや汚れ、食べかすなどは黒カビの栄養源となります。条件を満たす可能性がある場所は、なるべく清潔に保ちましょう。
黒カビ除去の基本手順
家の中に生えてしまった黒カビを除去する際の基本手順は、以下のとおりです。
1.できるだけ風通しをよくする。
2.カビ以外の汚れを拭き取る。
3.塩素系のカビ取り洗剤を吹きかける。
4.除去しきれない時は、片栗粉を混ぜ濃度を付けて使用する。
5.30分〜1時間ほど放置する。
6.雑巾で水拭きする。
塩素系洗剤を使用するため、換気ができる環境で行うことや、除去する際にゴム手袋やマスクの着用を心がけましょう。
カビ以外の汚れは事前に拭き取り、塩素系洗剤を吹きかけます。洗剤を使用する際に目に入る可能性があるため、ゴーグルを使用するとよいかもしれません。
除去しきれない場合は、洗剤と片栗粉を混ぜて粘度を付けることで、液垂れを防ぎカビに対して長時間のアプローチが可能になるでしょう。混ぜる際には、塩素系洗剤20gに対して片栗粉1gの割合で混ぜるとジェル状になります。
壁のように重力の影響を受けるところでは、片栗粉の分量を増やしてペースト状にするとより効果を得られるかもしれません。
カビに洗剤を塗ったら、30分〜1時間ほど放置します。洗剤の種類によって放置時間が異なるため、使用方法を確認してから行いましょう。最後に、雑巾で水拭きして完了です。
黒カビを除去する際の3つのポイント
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黒カビを除去する際の3つのポイントを紹介します。注意点を確認して安全に行いましょう。
1.洗い残さず十分に乾燥させる
洗剤の洗い残しに注意してください。
片栗粉を含む洗剤を使うと、黒カビが繁殖する原因となる場合があります。洗い残しがないように、丁寧に水をかけてください。
また、洗い終わったら十分に乾燥させます。乾燥が甘く水分が残ると、再びカビが繁殖する可能性があるため注意が必要です。
2.塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない
塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜないように注意しましょう。混ぜると、有毒な塩素ガスが発生するとされており、大変危険です。
塩素ガスは有害物質のため、吸うことで呼吸器や目、口腔内の組織が破壊される恐れがあります。
また、塩素ガスを吸入すると、肺気腫を起こすこともあるそうなので、注意してください。濃度が高い塩素ガスが発生した場合は、命の危険もあるといわれているため、絶対に混ぜないようにしましょう。
3.水拭きや掃除機だけで済ませない
カビを除去する際、水拭きや掃除機だけで済ませないようにしてください。
水拭きだけで済ませると除去しきれずに、カビの生殖範囲を広げる恐れがあるためです。拭き掃除をする際には、消毒用エタノールを雑巾に含ませると除菌効果が期待できます。
掃除機で除去すると、排気口からそのままカビが出てしまったり、掃除機内で繁殖したりするかもしれません。
カビの再発生を防ぐためには、水ぶきや掃除機を使用するよりもカビ除去洗剤を使った拭き掃除のほうが適しているでしょう。
黒カビの発生を予防するための3つの方法
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黒カビは発生しても除去できる可能性がありますが、まずは発生しないように予防することが重要です。
ここでは、黒カビの発生を予防する3つの方法を紹介します。
1.こまめに換気や除湿をする
黒カビの発生を予防するために、こまめに換気や除湿を行いましょう。
黒カビは、湿度が高い環境を好みます。日頃から換気や除湿を行うことで、風が通りやすい居住空間を維持でき、黒カビの発生も防げるでしょう。
換気扇を使用したり窓を開けたりなど、風通しをよくすることも大切ですが、湿度が高い時は積極的に除湿機を活用するのがポイントです。
温度が20〜30℃、湿度が60%以上という黒カビが発生しやすい条件がそろっていないかを確認して、温度や湿度が上がりすぎないよう注意しましょう。
2.水回りの水分を拭き取る
黒カビの発生を防ぐには、水分をそのままにしないことがポイントです。
特に水回りでは、こまめに水分を拭き取り、湿度が上がるのを防ぎましょう。『濡れたらすぐに拭く』ことで余分な水気をなくしつつ、黒カビの繁殖を予防できると考えられています。
3. こまめに掃除をする
黒カビを予防するために、こまめに掃除をしましょう。黒カビは、ホコリや汚れなどを栄養源とするためです。
例えば、石鹸カスや髪の毛、皮脂汚れなどを放っておくと、黒カビ繁殖の原因となります。湿気予防も重要ですが、繁殖に必要な栄養源を除去することも大切です。
日頃から予防して、黒カビの発生を防ごう
黒カビの発生により、カビアレルギーや呼吸器疾患などの症状が出る可能性があります。黒カビは身体に悪影響をおよぼすこともあるため、日頃から発生しないように予防することが大切です。
もし、黒カビが発生してしまった場合は、カビ除去剤を使用しましょう。片栗粉を混ぜてジェル状やペースト状にすることで落としやすくなるといわれています。
カビ除去剤を使用したら、水で十分に洗い流して汚れや石鹸カスが残らないようにしてください。洗った後は、しっかりと乾燥させて再繁殖を防ぎましょう。
[文・構成/grape編集部]