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味わい深いきものことば アナウンサー押阪忍の『美しいことば』

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの元祖!?などと言われている押阪忍です。

ご縁を頂きまして、この欄で、お喋りをさせていただくことになりました。お目に留まれば、シニアアナウンサー(花ウンサー)の『独り言』にお付き合いいただければ幸いです。

 錦秋から初冬を迎えるこの季節、女性の着物姿が一層美しく見えるように私には思えます。日常用語で着物から出ていることばがいくつもありますが、アナログからデジタルの昨今では、残念ながらすっかり忘れられているようです。

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でもでも、日本の国技は相撲、国着は着物なのです。そこで今回は、忘れかけた着物から出たことばをいくつかあげてみましょう。

 先ずは肩口から…、「胸襟きょうきんを開いて話し合う」「襟を正してお話を伺う」「紋切り型の口上」「袖すり合うもたしょうの縁」「領袖りょうしゅうとなる」「ない袖は振れぬ」「袖の下を要求する」「袖にする」「懐が深い」「たもとを分かつ」「帯に短したすきに長し」「左前になる」「左褄ひだりづまをとる」「衣擦れの音」「濡れ衣」「歯に衣着せぬ」「端折はしょる」「衣替え」「紐解く」「下駄を預ける」「下駄をはかせる」…。

 こうした着物にまつわることばをあげてみますと、いかに着物が日々の生活に根づいているかがよく判ります。いえ、よく判る方は残念ながら熟年組かもしれませんね。

 或るパーティーで、知人のお嬢さんに「襟足がキレイですね…」とホメた時、そのお嬢さんは「は?」と理解できていない表情でした。知り合いの学生さんに「その話は辻褄が合わないよ…」と言った時、彼はキョトンとしていました。

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 気がつけば、着物に由来する日常生活用語が消えかかっています。着物から生まれ育ってきたならではの上品なことば(味わい深い)を、時には意識して使っていただけないものでしょうか。「きものことば」は、日本文化そのままの日本人ならでは美しいことばなのですから…。

<2016年11月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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