元DJの住職、『テクノ法要』に挑戦!老人にも受け入れられた理由とは
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- 照恩寺
福井市東郷二ケ町にある、浄土真宗本願寺派の照恩寺。住職の朝倉 行宣さんには、気がかりなことがありました。
法要や参拝に来る方が減って、仏教の将来が心配だ…。
お寺の参拝者はお年寄りが中心。しかし、熱心にお参りしていた方が亡くなったり、体調の都合で参りに来れなくなったりしているのです。
なにより心配なのは、お年寄り以外の世代が『仏教』や『お寺』から離れてしまったこと。照恩寺に限らず、全国のお寺では参拝者が年々減少しています。
そんな現状に一石を投じるため、朝倉さんは『新しい法要の形』を編み出しました。
テクノ×法要!住職がお寺の固定概念を壊す挑戦!
若い頃、DJやLIVE照明の仕事をしていた朝倉さん。『イエロー・マジック・オーケストラ』や『Perfume』のパフォーマンスに感銘を受け、思いついたのが『テクノ法要』でした。
なんと、法要をテクノ音楽やプロジェクションマッピングと融合させたのです。
プロジェクタ投影・舞台照明でお寺の中を装飾し、お経にテクノのリズムを乗せる…。これらは『極楽浄土は光の世界』という認識を表現しています。
新たな取り組みへの苦悩や葛藤。しかし…
『テクノ法要』を思いついた際、朝倉さんには大きな不安がありました。
果たして、この法要は受け入れてもらえるのだろうか?
『仏教』『お寺』『法要』の持つイメージとかけ離れた、テクノ法要。まさに「固定概念を破壊する」この取り組みを受け入れてもらえるか、朝倉さんは苦悩します。
そんな時、「なにか、やろうよ!」と背中を押してくれたのは奥さんでした。
「とにかく挑戦してみよう」と立ち上がった朝倉さんは、総額60万円以上をかけ機材などを用意。そして、実際に『テクノ法要』を実行することに!
当日は、10歳未満の子どもから80歳を過ぎたお年寄りまで、多くの人が『テクノ法要』に参加しました。
お年寄りからの反応も良く、笑顔でこう言ってくれたそうです。
「お浄土って奇麗やねぇ」
「もうすぐ、こんな世界に行けるかと思うと、楽しみや!」
朝倉さんのお母さんも「これは、お浄土だわ!」と大喜び!
本番後、かつては心配そうだった門徒総代(お寺の法人役員)や朝倉さんのお父さんも、笑顔で応援してくれるようになったのです。
住職の朝倉さんに『テクノ法要』に込めた想いを聞いてみた
――昨年の『テクノ法要』の際、若い人やお子さんから、どのような反応がありましたか?
若い方からは「瞬きするのを忘れて見てました」「テクノ法要に込められた想いは、昔の人と変わらないんですね」などです。
Twitterで『#テクノ法要』のハッシュタグを見ていただくと、いろいろなご意見が寄せられています。
お子さんからは「メッチャきれい!」「Perfumeみたい!」などの感想が聞けました。
――とても斬新な取り組みですが、否定的な声が寄せられたことはありますか?
否定的な意見はあって当然と思っていましたが、少ないことに驚いています。
――朝倉さんの中で『テクノ法要』の未来像はありますか?
一番恐れているのが、法要のもつ本来の意義を失ってしまう「形骸化」です。
いろいろなコラボを試みて、形を変えながら自分でも予測できないモノを作っていきたいと考えています。
――記事を読んでいる方にメッセージをお願いします!
この『テクノ法要』は、いろいろな方々からの支えの中にしか存在できません。
少しでも仏教に関心を持っていただくことが、私の支えであり、目標でもあります。
記事を読んでいただき、ありがとうございます!
僧侶として大切なのは仏の教えを伝えることであり、『テクノ法要』を単なる客寄せパンダにはしたくない、と話す朝倉さん。その強い思いがあるからこそ、ご老人にも受け入れられたのでしょう。
「現在はテクノミュージック+照明ショーという形式だけれど、この形にとらわれずに変化していきたい」と言います。また、場所にもとらわれず、いろいろな会場で挑戦したいと考えているそうです。
現在所有している機材では光の演出が限られているため、プロジェクタやVJ・プロジェクションマッピングソフト、舞台照明機材を購入するためのクラウドファンディングを行っています。
「”テクノ法要”の更なる発展を見届けたい!」という方や「参加してみたい!」という方は、ぜひご覧になってみてください!
テクノ法要-クラウドファンディングReadyfor
[文/grape編集部]