息子からの突然の告白「ゲイなんだよね」 家族の反応が衝撃的だった By - grape編集部 公開:2018-08-02 更新:2018-08-02 LGBT Share Post LINE はてな コメント LGBTを支援する風潮が高まり、メディアなどでもLGBTにスポットがあてられる機会も増えてきました。 ひと昔前までは「社会から差別的に扱われる」といったイメージが強かった、性的マイノリティの存在。しかし、それも徐々に変わりつつあります。 しかし、LGBTであることを明かしたことで、周囲との人間関係がギクシャクしてしまった…という話も、LGBT当事者への取材の中で耳にします。 特に、彼らにとって、友人や職場の人たちよりも、家族に伝えることのほうがハードルは高いといいます。 家族はすぐに受け入れてくれた 大学生の時に、家族に自身の性的指向を伝えたという、ゲイのAさん(仮名)。家族は「知っていたよ」と、すぐにAさんがゲイである事実を受け入れてくれたといいます。 息子がゲイであると知った時、母親はどういう心境だったのか…当時の話をAさんとAさんの母親(以下、母親)に聞きました。 ――Aさんからゲイであると伝えられた時の心境は。 母親: ゲイであることを、特別意識したことはなかった。「そうなんだ」ぐらい。 Aさん: 「それよりも、ちゃんと真面目に生活しているのか?」っていっていたよね。 母親: 息子の好みとかを聞いていれば、なんとなくゲイであることに気付くわよ。それに、ゲイであることよりも「人としてちゃんと生きているか」のほうが気になっていた。 ――「人としてちゃんと生きているか」とは。 母親: 「人様に迷惑をかけていないか」ということ。 Aさん: 当時、その話をされて「話題がすり替えられてない?」って、それはそれで衝撃だった(笑) ――世の中には、子どもが LGBTであることにショックを受ける親もいるといいます。 母親: 「女になりたい」「男になりたい」って思いながら生まれてきた人なんか、どこにいるの。自分で選んだ人はいないでしょ。だから、ゲイだろうがレズビアンだろうが、誰に攻める権利があるのよ。 自分ではどうすることもできない事実は、親であっても批判すべきことではないというのが、母親の根本的な考え。 また、この話を隣で聞いていたAさんは、「その通りだなと思う」と切り出し、自身の考えをこう語ります。 Aさん: 自分はもちろん性的指向を選べないし、親も選んで生んでいるわけではないよね。 それに、子どもを産んだところで、その子が今後どういう風に生きていくかコントロールできるわけでもないし。 いまLGBTを支援する風潮があって、それを喜んでいる人もいるけど、いざ自分の娘や息子がLGBTだった時、同じように喜べるのかなって考えると…謎だよね。 母親: 自分の子どもがゲイだからどうとか、特に考えたことはなかった。 Aさん: 考えなかったっていうのも、自分の母親のすごいところだなって思う。 LGBTを第3者の立場で見るから好意的に受け取っているだけで、実際に自分の身内がLGBTだった時、真正面で受け止められる人って多分少ないと思う。 母親: っていうより、私はLGBTに関する話題をいろいろ聞いた時、「1番しんどい思いをしたのは息子なのかな」って。 私が知らないうちに、息子が中学生・高校生の時に、自分の性的指向に気付いていたとしたら、1番苦しんだのは本人なのかなって。 支えてくれる存在の大切さ 2人に関しては親子の仲が変化することはなく、Aさんが実家を離れたいまも、お互いの休日には一緒に出かけたり、食事に行ったりしているといいます。 そんな2人だからこそ、親が子どもの性的指向を受け入れることの大切さについて、Aさんはこう説きます。 Aさん: 親に自分の性的指向を否定されて、でも、性的マイノリティのまま生きていくしかない子どもがいたら、1番苦しむのは、その子どもなわけよ。 支えてくれる存在っていうのがあるかないかってとても大きな違いだと思う。 親という身近な存在が、もしも自分の性的指向に理解を示してくれなかったとしたら、すごいつらいだろうなと思う。 Aさんがそう思うのには、自身の職場の環境も関係しているといいます。 Aさん: 自分は、職場では公言しているけど、なんか変な雰囲気は伝わってくるよね。 「理解していますよ」という周囲の思いも感じるし、「どう接していいか分からない」という逆の雰囲気も感じる。 自分はあまり気にしていないところがあるけど、人によっては「誰にもいえない、どうしよう」って思い悩む理由にもなると思う。 そうして悩み続けた結果、最悪なラストを選んでしまう人がいるって考えると、性的マイノリティの当事者が1番つらいのかなって…他人事みたいに思うよね。 違いを認め合える社会に LGBTを支援する風潮が高まり、同性カップルでも結婚に相当する関係を認める『同性パートナーシップ制度』が一部自治体で導入されるなど、行政が行う支援も目立つようになりました。 また、行政以外にも、同性カップルでも結婚式を行える式場も増えつつあります。 具体的な支援が増えること自体は、素晴らしいこと。しかし、それ以上に必要なのは、『LGBT』がメディアの中だけの話ではなく、私たち一人ひとりにとって極めて身近な存在であると認識し、受け入れることです。 LGBTを取り巻く環境について、越えなければならない壁はたくさん残されています。しかし、人はみんな違う部分があって当たり前であり、性的指向も人それぞれです。 『誰もが生きやすい社会』の実現に向けての第一歩は、まず『違いを受け入れること』ではないでしょうか。 [文・構成/grape編集部] ダルビッシュ有が日本に帰国 向かった先は…?2024年11月12日、メジャーリーグの『サンディエゴ・パドレス』に所属するダルビッシュ有選手が、自身のブログを更新。日本に一時帰国していたことを明かしました。 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 Share Post LINE はてな コメント
LGBTを支援する風潮が高まり、メディアなどでもLGBTにスポットがあてられる機会も増えてきました。
ひと昔前までは「社会から差別的に扱われる」といったイメージが強かった、性的マイノリティの存在。しかし、それも徐々に変わりつつあります。
しかし、LGBTであることを明かしたことで、周囲との人間関係がギクシャクしてしまった…という話も、LGBT当事者への取材の中で耳にします。
特に、彼らにとって、友人や職場の人たちよりも、家族に伝えることのほうがハードルは高いといいます。
家族はすぐに受け入れてくれた
大学生の時に、家族に自身の性的指向を伝えたという、ゲイのAさん(仮名)。家族は「知っていたよ」と、すぐにAさんがゲイである事実を受け入れてくれたといいます。
息子がゲイであると知った時、母親はどういう心境だったのか…当時の話をAさんとAさんの母親(以下、母親)に聞きました。
――Aさんからゲイであると伝えられた時の心境は。
母親:
ゲイであることを、特別意識したことはなかった。「そうなんだ」ぐらい。
Aさん:
「それよりも、ちゃんと真面目に生活しているのか?」っていっていたよね。
母親:
息子の好みとかを聞いていれば、なんとなくゲイであることに気付くわよ。それに、ゲイであることよりも「人としてちゃんと生きているか」のほうが気になっていた。
――「人としてちゃんと生きているか」とは。
母親:
「人様に迷惑をかけていないか」ということ。
Aさん:
当時、その話をされて「話題がすり替えられてない?」って、それはそれで衝撃だった(笑)
――世の中には、子どもが LGBTであることにショックを受ける親もいるといいます。
母親:
「女になりたい」「男になりたい」って思いながら生まれてきた人なんか、どこにいるの。自分で選んだ人はいないでしょ。だから、ゲイだろうがレズビアンだろうが、誰に攻める権利があるのよ。
自分ではどうすることもできない事実は、親であっても批判すべきことではないというのが、母親の根本的な考え。
また、この話を隣で聞いていたAさんは、「その通りだなと思う」と切り出し、自身の考えをこう語ります。
Aさん:
自分はもちろん性的指向を選べないし、親も選んで生んでいるわけではないよね。
それに、子どもを産んだところで、その子が今後どういう風に生きていくかコントロールできるわけでもないし。
いまLGBTを支援する風潮があって、それを喜んでいる人もいるけど、いざ自分の娘や息子がLGBTだった時、同じように喜べるのかなって考えると…謎だよね。
母親:
自分の子どもがゲイだからどうとか、特に考えたことはなかった。
Aさん:
考えなかったっていうのも、自分の母親のすごいところだなって思う。
LGBTを第3者の立場で見るから好意的に受け取っているだけで、実際に自分の身内がLGBTだった時、真正面で受け止められる人って多分少ないと思う。
母親:
っていうより、私はLGBTに関する話題をいろいろ聞いた時、「1番しんどい思いをしたのは息子なのかな」って。
私が知らないうちに、息子が中学生・高校生の時に、自分の性的指向に気付いていたとしたら、1番苦しんだのは本人なのかなって。
支えてくれる存在の大切さ
2人に関しては親子の仲が変化することはなく、Aさんが実家を離れたいまも、お互いの休日には一緒に出かけたり、食事に行ったりしているといいます。
そんな2人だからこそ、親が子どもの性的指向を受け入れることの大切さについて、Aさんはこう説きます。
Aさん:
親に自分の性的指向を否定されて、でも、性的マイノリティのまま生きていくしかない子どもがいたら、1番苦しむのは、その子どもなわけよ。
支えてくれる存在っていうのがあるかないかってとても大きな違いだと思う。
親という身近な存在が、もしも自分の性的指向に理解を示してくれなかったとしたら、すごいつらいだろうなと思う。
Aさんがそう思うのには、自身の職場の環境も関係しているといいます。
Aさん:
自分は、職場では公言しているけど、なんか変な雰囲気は伝わってくるよね。
「理解していますよ」という周囲の思いも感じるし、「どう接していいか分からない」という逆の雰囲気も感じる。
自分はあまり気にしていないところがあるけど、人によっては「誰にもいえない、どうしよう」って思い悩む理由にもなると思う。
そうして悩み続けた結果、最悪なラストを選んでしまう人がいるって考えると、性的マイノリティの当事者が1番つらいのかなって…他人事みたいに思うよね。
違いを認め合える社会に
LGBTを支援する風潮が高まり、同性カップルでも結婚に相当する関係を認める『同性パートナーシップ制度』が一部自治体で導入されるなど、行政が行う支援も目立つようになりました。
また、行政以外にも、同性カップルでも結婚式を行える式場も増えつつあります。
具体的な支援が増えること自体は、素晴らしいこと。しかし、それ以上に必要なのは、『LGBT』がメディアの中だけの話ではなく、私たち一人ひとりにとって極めて身近な存在であると認識し、受け入れることです。
LGBTを取り巻く環境について、越えなければならない壁はたくさん残されています。しかし、人はみんな違う部分があって当たり前であり、性的指向も人それぞれです。
『誰もが生きやすい社会』の実現に向けての第一歩は、まず『違いを受け入れること』ではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]