「ぼーっと生きていられない」という現実 By - 吉元 由美 公開:2019-03-31 更新:2019-03-31 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 「ぼーっと生きていられない」という現実 旅行会社のメールマガジンで、宮古島ツアーの案内が送られてきました。オプショナルで、宮古島の3分の1とも言われている広さのサンゴ礁群、八重干瀬(ヤビジ)のシュノーケリンツアー。いつか行ってみたいと思っていたので、わくわくしながら詳細を読んでいたら、衝撃的な一行が。 「参加基準:6歳から60歳まで」 え! シュノーケリングができるのはあと2年もないということ? なんてこった!おそらく、この年代の人たちは自分たちがこのような形で年齢制限をされるとは思っていないでしょう。その理由を調べてみました。 高血圧、肥満、高コレステロール等の生活習慣病は動脈硬化が進んでいる恐れがあり、冷たい水や緊張感等で血圧が跳ね上がり脳梗塞や心筋梗塞、くも膜下出血等のリスクが非常に高くなります。高血圧に起因した肺水腫などの死亡事故は最もありふれた死亡事故です。ダイビングやシュノーケルでの死亡事故の8割は高血圧が起因しているというデータもあるほどです。本人に重大な病気という認識がない為に、事故が起るケースが多い病歴です。 Blue Cave Nabi沖縄 青の洞窟 情報サイト ーより引用 ダイビングのライセンスをとったのは30年前。潜らなくてもシュノーケリングだけで満足し、ただぷかぷか浮きながら海の中を見ているだけでもよかったのに…それを制限されることがあるとは思いもしませんでした。これが、いまの私の年代の現実なのです。 人生は短い。それは思っている以上に。ダイビングのライセンスをとった20代の頃、ずっと夏のような気分が続くと思っていました、能天気にも。手を伸ばせば届きそうなところにその頃の自分はいるのに、遠い昔のことなのです。 私たちの中には、ふたつの時間が流れています。人生という直線的な時間と、1年ごと、季節がめぐるスパイラルの時間。年を重ねたからこそ、直線的な時間を感じることができ、スパイラルの時間を味わうことができる。その実感度は、特別のものがあります。おそらく、これから先も、過ぎていく1日を心から大切に思うのでしょう。でもそれは嘆くことではなく、自分の時間を豊かに彩っていくことなのです。 シュノーケリングの年齢制限の衝撃は、「時間を感じ、時間を味わう」ことの重要性を教えてくれました。そして、限られた時間の中で最善の自分を生きること。自分の時間の質を高めていくことの豊かさを示してくれました。 チャレンジし続ける。それがもうダイビングでも、シュノーケリングでなくても。やりたくてもやれなかったこと、やめてしまったお稽古事を復活することでも。小さなチャレンジを、わくわくすることを、限られた時間のこの瞬間から。 「ぼーっと生きてんじゃねーよ」 ああ、チコちゃんの言葉が胸に響きます。宮古島、八重干瀬、行ってきます。 ※記事中の写真はすべてイメージ [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。 ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
「ぼーっと生きていられない」という現実
旅行会社のメールマガジンで、宮古島ツアーの案内が送られてきました。オプショナルで、宮古島の3分の1とも言われている広さのサンゴ礁群、八重干瀬(ヤビジ)のシュノーケリンツアー。いつか行ってみたいと思っていたので、わくわくしながら詳細を読んでいたら、衝撃的な一行が。
「参加基準:6歳から60歳まで」
え! シュノーケリングができるのはあと2年もないということ? なんてこった!おそらく、この年代の人たちは自分たちがこのような形で年齢制限をされるとは思っていないでしょう。その理由を調べてみました。
ダイビングのライセンスをとったのは30年前。潜らなくてもシュノーケリングだけで満足し、ただぷかぷか浮きながら海の中を見ているだけでもよかったのに…それを制限されることがあるとは思いもしませんでした。これが、いまの私の年代の現実なのです。
人生は短い。それは思っている以上に。ダイビングのライセンスをとった20代の頃、ずっと夏のような気分が続くと思っていました、能天気にも。手を伸ばせば届きそうなところにその頃の自分はいるのに、遠い昔のことなのです。
私たちの中には、ふたつの時間が流れています。人生という直線的な時間と、1年ごと、季節がめぐるスパイラルの時間。年を重ねたからこそ、直線的な時間を感じることができ、スパイラルの時間を味わうことができる。その実感度は、特別のものがあります。おそらく、これから先も、過ぎていく1日を心から大切に思うのでしょう。でもそれは嘆くことではなく、自分の時間を豊かに彩っていくことなのです。
シュノーケリングの年齢制限の衝撃は、「時間を感じ、時間を味わう」ことの重要性を教えてくれました。そして、限られた時間の中で最善の自分を生きること。自分の時間の質を高めていくことの豊かさを示してくれました。
チャレンジし続ける。それがもうダイビングでも、シュノーケリングでなくても。やりたくてもやれなかったこと、やめてしまったお稽古事を復活することでも。小さなチャレンジを、わくわくすることを、限られた時間のこの瞬間から。
「ぼーっと生きてんじゃねーよ」
ああ、チコちゃんの言葉が胸に響きます。宮古島、八重干瀬、行ってきます。
※記事中の写真はすべてイメージ
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」