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南アフリカにある野生動物の保護施設で生まれた『種を超えた友情』が多くの人を感動させています。
密漁によって母親を殺されたサイの子どもを保護する非営利の施設『The Rhino Orphanage(サイの孤児院)』。2019年11月、この施設に珍しい動物がやってきました。
それはキリンの赤ちゃん。母親に捨てられたと思われるオスのキリンはまだ生後2、3日で、脱水症状を起こしてとても弱っていました。
キリンには何の異常も見られないことから、なぜ母親が我が子を捨てたのかは分からないということです。
すぐに獣医が駆け付けて治療が施しましたが、キリンはその後18時間も昏睡状態が続きました。しかし少しずつ目覚める兆しを見せ始めたといいます。
『ジャズ』と名付けられたキリンは目覚めた後、スタッフの助けを借りて立ち上がれるまでに回復したのです。
翌朝、危険な状態を乗り越えたジャズは初めて自力でミルクを飲むことができました。
実は前日にジャズが保護されてからずっと、彼のそばで看病をし続けた犬がいるのです。
それは施設で飼われている密漁防止の警備犬『ハンター』。ハンターは食事もせずにつきっきりで昏睡状態のジャズのそばにいたのだそう。
ジャズが目覚めてから、ハンターの食欲も回復したといいます。よほどジャズのことを心配していたのでしょう。
ジャズが目覚めた後もハンターは常にそばで彼を見守っています。
その姿はまるで生まれたばかりの弟を必死で守ろうとするお兄ちゃんのようです。
ジャズが保護されてから数日後、施設のFacebookにハンターとの微笑ましい動画が投稿されました。
まるで母親に甘えるようにハンターの体を舐めたり顔をすり寄せたりするジャズ。まだ生まれたばかりの赤ちゃんだけに、やはり温もりが欲しいのでしょう。
その気持ちを察してハンターもジャズを優しく受け入れているように見えます。
この動画は6千回以上シェアされ、たくさんのコメントが寄せられています。
・1日中見ていられる動画だわ。なんて素晴らしい絆なのかしら。
・ハンターは真の介助犬ね。彼は自分が何をすべきか分かっている。
・ハンターはジャズに愛情を注いでいるだけじゃない。彼が強くいられるように励まし続けているのよ!
ジャズが保護されてから約10日後、彼の体調がよくなってきたため、ハンターは短い時間ながら外に出て遊ぶようになってきたといいます。
それでも1日の大半はジャズのそばにいて、眠る時もジャズの部屋で一緒に眠っているそうです。まるで本物の兄弟のようですね。
ジャズの体調は日に日によくなっていて、最近では外に出ることもできるようになったといいます。
太陽の下で木から葉っぱを食べながら過ごしているのだそう。もちろん外に出る時もハンターは常に一緒です。
生まれてすぐに1人ぼっちになってしまったジャズですが、いまではハンターという頼もしいお兄ちゃんができました。
これからはハンターや施設のスタッフの人たちからたっぷりの愛情をもらって、幸せに暮らしてほしいですね。
[文・構成/grape編集部]