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伊藤詩織さん、ネットの誹謗中傷で漫画家らを提訴 「本人の前で言える言葉なのか」

By - grape編集部  公開:  更新:

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2020年6月8日、ジャーナリストの伊藤詩織さんがTwitterに投稿されたイラストや書き込みが名誉毀損に当たるとして、漫画家のはすみとしこさんら3人に損害賠償と投稿・リツイートの削除と謝罪広告の掲出を求めて、東京地裁に提訴しました。

訴状によると、はすみさんは2017年6月~2019年12月、伊藤さんとみられる女性を描いたイラストなどを投稿し名誉を傷付けたとしています。

また、ほか2人については、はすみさんの投稿をリツイートで拡散したとのこと。代理人によると、2人は男性でクリエイターと医師だといいます。

はすみさんは訴状に対し「風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がない」「今回の地裁判決により作品を削除する意向はない」と自身のTwitter上で発信していました。

伊藤詩織さん「言葉を発する前に考えてほしい」

伊藤さんは同日、都内で記者会見を実施。ネット上での誹謗中傷について「ひと言でいうとショックでした。尊厳を傷付けられるような攻撃でした」と語り、訴訟を起こした理由について言及しました。

言葉には人を傷付け、死に追いやってしまう言葉もたくさんあります。

これ以上、言葉で人を傷付けるようなことがないよう、アクションを起こしていかなければならないと思います。

個人的な経験ですけど、(ネット上の誹謗中傷の)言葉を受け続けて、外を歩けなくなってしまったことがあります。

変装をしていたんですけど、変装をやめて道に出たんですけど、気付いて声を掛けてくれる人は、みなさん応援してくださる方だったんですね。

オフラインの世界では、面と向かって、苦しい言葉を投げかけられることはありませんでした。

そういった言葉を投げかける人に対しては、その後本人の前で責任を持っていえるのかというのを、言葉を発する前に考えてほしいというのが願いです。

THE PAGE ーより引用

「本人の前で責任を持っていえる言葉なのか、考えてほしい」と訴えた伊藤さん。ネット上での誹謗中傷については「SNSを見なければいい」といった声もある中で、次のようにコメントをしています。

こういう声を受けると、孤立してしまうんですね。そういった声が一部だったとしても、声に囲まれているような気分になってしまうんですね。

特にこれが若い方であったらなおさらなんじゃないかなと。私たちにとってオンラインはとても近い世界ですし、私たちにとって通勤路や通学路のような普段通る道なんですね。

そこを見るな、通るなといわれるのは本当に難しくて、そういった日常の中で起きていると。それが自分の生きているコミュニティで起こってると、どこに助けを求めていいのかわからない。そこがすごくつらいところだなと。

THE PAGE ーより引用

ネット上では、この会見を見た人たちからさまざまなコメントが寄せられました。

・これを機に、ネット上でセカンドレイプを絶対許さないムーブメントに変わっていってほしい。

・国の推し進めるSNS規制の参考にもなる、重要な事例になるだろう。

・これは、人としての尊厳を守る闘いだと思います。

伊藤さんについてネット上に書き込まれたものは70万件あり、うちTwitterの投稿は21万件に及ぶとのこと。

その中から名誉棄損に当たる可能性の高い悪質な投稿を確認し、投稿者を特定次第、提訴を検討していくといいます。


[文・構成/grape編集部]

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