「この人に接客を断られた」とスタバの店員をSNSでさらした女性 予想外の展開に
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いまだに世界の多くの国で収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症。2020年6月27日現在、感染者数、死者数ともに世界最多となっているアメリカでは多くの州で経済活動を再開させた結果、再び感染者が増加しています。
感染者数が全米で2番目に多いカリフォルニア州では同月18日、公共の場でのマスクの着用を『推奨』ではなく『義務付ける』ことを発表しました。
その数日後、サンディエゴにあるコーヒーチェーン店『スターバックス(以下、スタバ)』に1人の女性が来店。
女性がマスクをしていなかったため、バリスタのレーニン・グティエレスさんは「マスクをお持ちですか?」と尋ねたのだそう。
すると女性は「いいえ。私にマスクは必要ないわ」と答えたのだとか。
レーニンさんがマスクの着用をお願いしようとすると、女性は「私にマスクは必要ないのよ!」と怒り出し、マスクをしている周囲の人たちを侮辱的な言葉で呼んで、店を出て行ったのです。
※写真はイメージ
その数分後、女性は店に戻ってきてレーニンさんに名前を尋ね、「写真を撮ってもいいか?」と聞き、彼の写真を撮って帰ったといいます。
スタバの店員をさらそうとした女性 人々の反応は…
その後、女性はFacebookにレーニンさんの写真を載せ、「彼はレーニン。私がマスクをしていないからといって、私への接客を拒否したスタバの店員よ」と投稿します。
自分が被害者といわんばかりにレーニンさんの顔と名前を本人の許可なくさらし、人々の共感を得ようとした女性。
ところがこの投稿には、レーニンさんを擁護する声が殺到。「彼は自分の仕事をしただけだろう?」と、ルールを守らない女性に対して非難のコメントが相次いだのです。
さらにある男性が「迷惑な客に立ち向かったレーニンにチップをあげよう」と寄付金サイトを設立。
すると続々と賛同者が集まり、なんと4日間で7万ドル(約750万円)を超える寄付が寄せられています。
この騒動を受けて、レーニンさんはFacebookで、自分を支援してくれる人たちに感謝の言葉を送っています。
レーニンさんはスタバで働きながら、ダンサーになるという夢を持っているのだそう。
「みなさんの寄付のおかげでこれからも自分の夢を追いかけることができます。心から感謝しています」と語っています。
海外メディア『NBC SAN DIEGO』によると、サンデイエゴ郡の保険局は「小売店などは、マスクを着用しないなど公衆衛生上の命令に従わない客に対して利用を断ることができる」としています。
アメリカでは多くの場所でマスクの着用が義務付けられているにも関わらず拒否する人も多く、それが感染拡大を食い止められない大きな原因といわれています。
マスクの着用は「感染していることに気付いていない無症状の感染者が、周りの人にうつすのを防ぐため」。つまり自分のためではなく、他者への配慮です。
このウイルスに打ち勝つためには、誰もが「いかに他者を思いやれるか」ということが重要なのではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]