普通の感動ドラマに飽きたら見てほしい! 異色の『家族映画』5選
公開: 更新:
快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。
ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。
grape [グレイプ] entertainment
2020年に大ヒットし、アカデミー賞で4部門を獲得した『パラサイト 半地下の家族』。家族ドラマでありながら強烈な風刺や演出で話題になりました。
同作のように『家族』をテーマにしながら、物語に『ひねり』を加えた『異色の家族映画』をご紹介します。
お化け屋敷にロボットバトル そこから垣間見える親子の絆
アダムス・ファミリー
まずは、1991年公開のファンタジックコメディ映画『アダムス・ファミリー』です。
カートゥーン作家のチャールズ・アダムスの同名漫画を原作とした映画で、1993年には続編も公開されました。
2020年9月にはCGアニメ映画版も公開されるなど、世界的に長らく愛されてきた作品です。
■あらすじ
街のはずれにある豪華だが不気味な屋敷。そこに住むアダムス・ファミリーの弁護士を務めるタリーは借金まみれ。高利貸しのアビゲイルと手を組んで一家の財産を狙っていました。
アビゲイルは、一家の主人・ゴメスの兄で行方不明のフェスターにそっくりな自身の息子を一家にけしかけますが…。
世間では変人と揶揄(やゆ)されるほどに個性的なアダムス家。しかし、互いに家族を思いやる絆は本物です。
一家を貶めようとする世間の陰謀に、一致団結して立ち向かう姿から「自分たちを理解して受け入れてくれる家族」のありがたさを実感できることでしょう。
グッバイ、レーニン!
次は、日本で2004年に公開された、ドイツのコメディ映画『グッバイ、レーニン!』です。
本作は、ドイツで社会現象ともなる大ヒットを記録したほか、世界中でも無数の映画賞を受賞したコメディ作。
1989年のベルリンの壁崩壊をモチーフに東西の格差をおかしく、時に切なく描き出しました。
■あらすじ
舞台は、社会主義世界の東ドイツ。青年アレックスは、心臓発作で昏睡し、ベルリンの壁崩壊を含む8か月間眠っていた熱烈な社会主義者の母のため、仲間たちとともに「東ドイツは崩壊していない」と思わせる壮大なウソをつき続ける決心をするのでした…。
父が西ドイツに出て行ってしまったことが母の社会主義への熱狂の原因と知っていたアレックス。だからこそアレックスは、愛ゆえに母のプライドを守るためのウソをつき続けます。
笑えるコメディの根底には「母をこれ以上傷付けたくない」という深い家族愛が垣間見えるはずです。
ラブリーボーン
次は、日本で2010年に公開された、ファンタジーサスペンス映画『ラブリーボーン』です。
本作は、主演に当時15歳の女優シアーシャ・ローナンを迎え、映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで知られるピーター・ジャクソンがメガホンを取りました。
■あらすじ
恋に勉強と、まさに青春時代に足を踏み入れたばかりの14歳の少女・スーザンは、ある日無残にも何者かに殺されてしまいます。
残された家族が悲しみに暮れる中、この世にとどまったスーザンは、犯人特定に燃える父・ジャックの手助けを決意するのでしたが…。
犯人探しのミステリーかと思いきや、同作の本当のテーマは『家族を失った後、どう歩んでいくか』ということのように思えます。
美しく純粋な『過去の亡霊』であるスーザンとの別れは、観客にとっても劇中の家族にとってもつらいもの。
しかし、それこそが先を歩んでいくためには必要なのだ…と、見終わった後にそっと背中を押してくれるような感動作です。
リアル・スティール
次は、2011年公開のSF映画『リアル・スティール』です。
主演に映画『X-メン』シリーズのウルヴァリン役で知られるヒュー・ジャックマンを迎えた本作。共演は当時11歳だった子役のダコタ・ゴヨです。
■あらすじ
遠隔操作で戦う『ロボットボクシング』が大流行している架空の世界。
流行の陰で職を失った元・ボクサーの主人公チャーリーは、別れて暮らしていた11歳の息子マックスをひょんなことから預かることになります。
道中見つけた廃ロボット『ATOM』とともに、ロボットボクシングの世界で一攫千金を夢みるのですが…。
目を見張るロボットボクシングの痛快さは、まさに往年の名作映画『ロッキー』を彷彿とさせます。
しかし、本作には『ないも同然だった父と子の絆の再構築』がテーマにあります。
親権問題ゆえに一緒には暮らせない…しかし、旅した思い出の集大成である決勝戦は息子とともに出場したいと懇願するチャーリー。ラストの決戦は涙なくしては見れません。
search サーチ
最後は、2018年公開、謎が謎を呼ぶ新感覚サスペンス映画の『search サーチ』をご紹介します。
物語がすべて『パソコンの画面上』の映像として進んでいくという、驚きの演出が魅力の本作。
FacebookやInstagram、Twitterといった、ネットの世界を駆け巡りながら、緊迫のミステリーが展開されます。
■あらすじ
母を病気で亡くした16歳の女子高生マーゴットとその父デビット。
どこかぎこちなく暮らしていた2人の生活は、マーゴットの突然の失踪によって一変してしまいます。
娘の無事を信じるデビットは、利用していたネット上の痕跡をたどる中で、知らなかった娘の側面を知ることになり…。
娘の失踪の原因はなんなのか…不安にさいなまれる父の心境にシンクロしてしまう展開も魅力な本作。
一方で、すれ違いを起こしていた親子関係と、それでも娘を信じ続ける父の想いも濃厚に描かれていきます。
ラストで父が娘に向けて送るメッセージには、思わず泣かされてしまうはずです。
ありふれた日常を描いた王道の家族をテーマにした作品もいいですが、たまにはこうした、ひねりのある環境で輝く『家族関係』というのも魅力的ですよ!
[文・構成/grape編集部]