3種類あるブロッコリーの品種名に「吹いた」「どういうことよ」
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農産物の栽培のもとになる、種苗(しゅびょう)。
農家や家庭菜園を行っている人が種苗店やホームセンター、園芸店などで購入し、栽培を始めていくためのものです。
Twitter上で、ブロッコリーの商品名に対し「優しい気持ちになった」と話題を呼んでいます。
こちらをご覧ください。
2022年3月現在。株式会社サカタのタネより提供
2022年3月現在。株式会社サカタのタネより提供
2022年3月現在。株式会社サカタのタネより提供
ブロッコリー『おはよう』
ブロッコリー『こんにちは』
ブロッコリー『こんばんは』
丁寧な挨拶文が商品名に添えられているではありませんか!
同じブロッコリーの品種でも、名前に違いがあるのはなぜでしょうか。この品種のほか、野菜や花の新品種を開発し、その種苗を販売している、株式会社サカタのタネの担当者に話を聞きました。
ブロッコリー3品種の違いは?
同社では、新品種は正式な名前が付くまで、試作番号で呼んでいます。
『ブロッコリー「おはよう」』の場合、試作番号に『084』が含まれていたため、関係者が愛称として「おはよう」と呼んでいたのだとか。
産地でも「おはよう」という愛称が定着していたことから、正式な品種名は「おはよう」に決定しました。
また、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」の3品種の違いの1つは、タネまきから収穫までの期間にあるそうです。
ブロッコリー『おはよう』…タネまき後、95日前後で収穫。栽培期間が比較的短い、『中早生(なかわせ)』タイプ。
ブロッコリー『こんにちは』…タネまき後、105~110日で収穫。中早生より栽培期間が長い、『中生(なかて)』タイプ。
ブロッコリー『こんばんは』…タネまき後、150日前後で収穫。中早生、中生よりも栽培期間が長い『晩生(おくて)』タイプ。
「おはよう」の名称が決定後、中生・晩生品種が商品化される際に、覚えやすいように「こんにちは」「こんばんは」と名付けたのだといいます。
なぜ、収穫までの期間が異なる品種があるのでしょうか。
担当者は、「収穫期の異なる品種を同時にまくことで、収穫期の分散をはかり、天候が安定しない時でも、安定した出荷を見込める」と説明。
あえて収穫期間をずらすことで、長期にわたった収穫ができるそうです。収穫できる期間がないリスクを減らすことにつながりますね。
ちなみに、上記3品種に共通しているのは、寒さが到来しても、『アントシアン』と呼ばれる色素が発生しない『アントシアンフリー』シリーズとのこと。
『アントシアン』は、特に冬場の野菜類によく発生するといわれています。
ブロッコリーの場合、つぼみを意味する花蕾(からい)部分にアントシアンが多く発生すると、見映えが悪く商品価値が低下する恐れがあるのだとか。