殺処分の現実を知った小学生『命の値段』に直面した作文に胸が痛む
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臨時休業をした整体院 入り口にあった『貼り紙』に「これは仕方ない」「いい職場」2024年11月14日に、ある理由で臨時休業をした、同店。 「お許しください」といった言葉とともに、臨時休業を知らせる貼り紙を、Xのアカウント(@msgCura)で公開したところ、大きな注目を集めることになりました。
買った花束を店に置いていった女性 その後の展開に「鳥肌が立った」買った花束を店に置いていった女性 その後の展開に「鳥肌が立った」
2012年当時、小学校6年生だった谷山千華さんが、真っ直ぐな気持ちで作文につづった『78円の命』
胸が張り裂けてしまいそうなほどの想いが込められた作文に、命の重さ、動物の殺処分について、改めて考えさせられてしまいました。
78円の命(全文)
近所に捨てネコがいる。
そのネコは目がくりっとしていて、しっぽがくるっと曲がっている。
かわいい声をあげていつも私についてくる。
真っ黒なネコだったので、魔女の宅急便から『キキ』と勝手に名付けてかわいがった。
人なつっこい性格からいつの間にか近所の人気者になっていった。
出典:YouTube
子ネコだったキキも2年たった頃にうれしい出来事があった。赤ちゃんを産んだのだ。
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でもキキは捨てネコだったので、行き場所のない子ネコたちを近所の鈴木さんが預かってくれた。
毎日のように子ネコを見に行って、まるで自分の飼いネコのようにかわいがった。
ある日、突然子ネコの姿が見えなくなった。
そこで鈴木さんに尋ねてみると、「○○センターに連れて行ったよ」と、うつむきながら言った。
私はうまく聞き取れず、何を言っているか分からなかったが、たぶん新しい飼い主が見つかる所に連れて行って幸せに暮らせるんだなと思った。
次の日、学校でこのことを友達に話したら「保健所だろ?それ殺されちゃうよ」といった。
私はむきになって言い返した。「そんなはずない。絶対幸せになってるよ」
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殺されちゃうという言葉がみょうに心にひっかかり、授業中も保健所の事で頭がいっぱいだった。
走って家に帰ると、急いでパソコンの前に座った。
『保健所』で検索するとそこには想像もできないざんこくなことがたくさんのっていた。
飼い主から見捨てられた動物は日付ごとにおりに入れられ、そこで3日の間、飼い主をひたすら待ち続けるのだ。そして飼い主が見つからなかった時には、死が待っている。
10匹単位で小さな穴に押し込められ、二酸化炭素が送り込まれる。
数分もがき、苦しみ、死んだ後はごみのようにすぐに焼かれてしまうのだ。
出典:YouTube
動物の処分1匹につき78円。
動物の命の価値がたったの78円でしかないように思えて胸が張りさけそうになった。そして、とても怖くなった。
残念ながら、友達の話は本当だった。調べなければ良かったと後悔した。
現実には年間20万匹以上の動物がこんなにも悲しい運命にある事を知り、さらに大きなショックを受けた。
動物とはいえ、人間がかけがえのない命を勝手にうばってしまってもいいのだろうか。
もちろん人間にも、どうしても動物を育てられない理由があるのは分かっている。
一体どうすればいいのか分からなくなった。
キキがずっと鳴いている。大きな声で鳴いている。
いなくなった赤ちゃんを探しているのだろうか。
鳴き叫ぶその声を聞くたびに、パソコンで見た映像が頭に浮かび、
いてもたってもいられなくなり眠れない夜が続いた。
出典:YouTube
キキのかわいい声もいつの間にかガラガラ声に変わり、切なくなった。
言葉が分かるなら話をしたい。私はキキをぎゅっと抱きしめた。
最近キキの姿を見かけなくなった。
もしかしてキキも保健所に連れて行かれたのかと一瞬ひやっとした。
それから1週間後、おなかに包帯を巻いたキキを見かけた。
鈴木さんがこれから赤ちゃんを産めない体に手術をしてくれたのだ。私は心から感謝した。
この先キキも赤ちゃんも捨てられずにすむという安心した気持ちと、鈴木さん家のネコになってしまったんだというさみしい気持ちとで複雑だった。
正直、とてもうらやましかった。
命を守るのは私が考えるほど簡単なことではない。かわいいと思うだけでは動物は育てられない。
生き物を飼うということは1つの命にきちんと責任を持つことだ。
おもちゃのように捨ててはいけない。
だから、ちゃんと最期まで育ててやれるという自信がなければ飼ってはいけない事を学んだ。
今も近所には何匹かの捨てネコがいる。
私はこのネコたちをかわいがってもいいのかどうか、ずっと悩んでいる
出典:YouTube
道徳の授業にも
最後まで責任を持って育てる大切さ。動物の命の重み。殺処分の残酷さ。小学生ながらに感じた数々の想いが、痛いほど素直に伝わってきます。
同じ命なのに、わずか78円という値段がついてしまった動物たち。残酷な現実に胸が痛みます。
出典:YouTube
谷山さんが書いた作文は、愛知県豊橋市の「話し方大会」で最優秀作品に選ばれました。今では、同市の道徳の授業に使われるなど、多くの子供たちに読まれているそうです。
また、『78円の命』を絵本という読みやすい形にすることで、多くの人に殺処分について知ってもらおう。殺処分をなくしていこう、というクラウドファンディングのプロジェクトも立ち上がっています。
日本では、毎年10万匹以上も殺処分されている現状があります。小学生の感じた素直な気持ちを共有することで、様々な命と真正面から向き合う。そんな当たり前のことを子供と一緒に、真剣に考えていくキッカケが広がることを願ってやみません。
78円の命プロジェクト