天気予報の精度、ぶっちゃけどのくらい上がってるの? 気象庁に聞いてみると…
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- 取材協力
- 気象庁
天気予報を日々利用している人は多いでしょう。当たらないと困る人は多いですが、「最近は予報が外れなくなってきた」と思ったことはありませんか。
それもそのはず、「日本の気象研究は世界でもトップクラス」といわれています。
では、日本の天気予報の精度はどのくらい向上しているのでしょうか。気象庁『大気海洋部 予報課』の西村三治予報官に取材しました。
日本の天気予報の精度は高い!
一般にはあまり知られていませんが、天気予報がいかに適中率を向上させているのかを、気象庁のウェブサイトで見ることができます。
例えば、以下は『東京地方の予報精度(夕方発表の明日予報)』で、1985~2022年までの『降水の有無の適中率』と『最高気温の予報誤差』をプロットしたものです。
気象庁「天気予報の精度検証結果」
西村予報官の話では、その年々の気候によって『当たりやすい年』と『当たりにくい年』があるそうです。
この誤差をなくすために、『降水の有無の適中率』と『最高気温の予報誤差』をそれぞれ5年平均したのが太い線になります。
一目瞭然ですが、『降水の有無の適中率』『最高気温の予報誤差』ともに右肩上がり。予報の精度は向上し続けていることが分かりますね。
直近では、このようになっているといいます。
降水の有無の適中率 87.1%(1989年には81.8%)
最高気温の予報誤差 1.6度(1989年には2.1度)
天気予報の精度は上がっている理由
では、なぜ天気予報の精度は向上し続けているのでしょうか。西村予報官の話によると、以下が大きな要素とのこと。
1.より多くの観測データが入手できるようになっていること。
2.スーパーコンピュータの導入(予報モデルの更新)。
3.予報官の知識、経験が豊富になりスキルアップしていること。
そもそも天気予報は、観測データの数が重要で、より多くの観測地点からデータが得られれば得られるほど精度が上がります。
2023年現在では、世界各国の観測地、人工衛星から得られる観測データを利用し、気象庁が作成した気象モデルをスーパーコンピュータで計算。
つまり、気象予報で世界中が協力している状況になり、全地球分のデータを獲得して、スーパーコンピュータで計算されたら、予報官が最後的な判断を下しているということです。
※写真はイメージ
西村予報官の話では、日々の予報の中で、予報官の知識や経験が増え、それがまた予報に反映されるというサイクルで、予報の精度を上げているのだといいます。
最新の天気予報を確認!現在地のリスクも考えよう
西村予報官に天気予報を利用する上での注意点、アドバイスをうかがうと…。
天気予報は刻々と変わっていくので、できるだけ最新の情報を入手するようにしてください。
早期注意情報は5日先まで見られますので、台風や大雨などの場合にはこちらも確認するようにしてください。
また、現在地が大丈夫と思っても、上流で雨が降るとそれが後に下流で増水を引き起こすといったリスクもあります。
そのため、台風や大雨の時には「現在みなさんがいるところのリスクはどうなのか?」について確認することも重要です。
続けて、西村予報官は「気象庁のウェブサイトでは『キキクル』 (危険度分布)により、自分がいる場所に危険が迫っていないかを確認することができます。ぜひご利用ください」と話してくれました。
キキクル(警報の危険度分布)
「世界的にもトップレベルの研究」といわれる日本の天気予報の精度は、確かに向上しています。西村予報官の話によれば「これからも精度が向上できるように日々努力しています」とのことでした。
みなさんも最新の天気予報を利用して、日々の暮らしに役立ててみてはいかがでしょうか。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]