『軋轢』の意味や読み方とは? 例文や類語、対義語、英語表現も紹介! By - COLLY 公開:2024-06-27 更新:2024-06-27 雑学 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 『軋轢』は両方の漢字に『車』という字が入っていることから、車、特に車輪に関係した熟語です。漢字は難しくても、なんとなく耳にしたことはあるかもしれません。『軋轢』の意味や読み方、理解を深めるために例文や類語、対義語や英語表現に関する言葉を幅広く紹介していきます。 『軋轢』の意味、読み方 ※写真はイメージ 『軋轢』の意味や読み方について見ていきましょう。なんとなく不穏な雰囲気の熟語ですね。どのような熟語であるか気になる人も多いのではないでしょうか。 『軋轢』の読み方 『軋轢』の読み方は『あつれき』。『軋』は音読みが『アツ』訓読みが『きしる』です。一方で『轢』の音読みは『レキ』、訓読みは『ひく』ですね。 『軋轢』の意味 『軋轢』の意味は、仲が悪くなること。人や組織が互いに対立しあい、いがみ合いを起こすことです。『軋轢』は車の車輪がきしんで、ギシギシと嫌な騒音を立てるところから来ています。『軋』は車輪がこすり合って嫌な音を立てる様子です。『轢』もやはり車輪が音を出す様子を表します。同じ意味を重ねて強調するような熟語に思えますね。 『軋轢』を使った例文 ※写真はイメージ 『軋轢』は個人の間だけでなく、組織間や国同士の関係でも使われます。例文をいくつか紹介しましょう。 『軋轢』は名詞で、一般的に後に続く言葉で関係が悪くなることを表します。「軋轢が生じる」「軋轢がある」「軋轢が深まる」「軋轢が避けられない」などのように使われることが多いです。 個人間の関係の悪化 AさんとBさんは、ささいなケンカがもとで軋轢を生じさせた。 CさんとDさんは、あんなに仲がよかったのに、好きな人を取り合って軋轢を起こした。 いったん軋轢が生じると、憎み合って泥沼離婚の様相を呈してきた。 少人数のグループ 不良集団はケンカに明け暮れて軋轢を起こし、解散した。 社員2人の軋轢が元で、無視やいじめなどの問題が起こった。 部活の中で上級生と下級生に軋轢が起こり、話し合いで解決を図ろうとしている。 組織間の争い あの犯罪組織は、金品を巡って軋轢を起こしてつぶれたということだ。 縄張り意識が根強く、派閥争いが原因で、軋轢が生じたそうだ。 社長と副社長に軋轢があり、どちらに付くか固唾を飲んで見守っている。 地域の紛争 A国とB国の国境では軋轢があり、しょっちゅう小競り合いを続けている。 戦国時代では日本国内にもさまざまな軋轢があり、大名が戦をしていた。 同じ国でも宗派が違うと、軋轢が生じて戦いが始まるね。 『軋轢』の類語 ※写真はイメージ 『軋轢』以外にもいい換えができる表現を理解すると、『軋轢』の意味が理解しやすくなるかもしれませんね。不穏な空気が漂う熟語がほとんどで、実際に巡り合いたくはありません。『軋轢』と似た意味の類語を紹介します。 仲違い(なかたがい) 仲違いとは、仲が悪くなることです。なかたがえともいいます。たがいと読む場合は、食い違っていること、合わないことを指すようです。 兄弟で仲違いする。 友人とささいなことで仲違いをした。 波風 波風とは、風が強く吹いて波が高く荒れる状態をたとえて、家庭内や世間で起こる揉め事を指すようになりました。多くは「波風が立つ」と表現します。 息子夫婦とうまく行かなくなって波風が立っている。 近所で波風が立たないように大人しくしていたが、争いに巻き込まれてしまった。 揉め事 揉め事とは、物事がうまく解決しない、ちょっとした諍い(いさかい)や混乱が起こっていることです。 ゴミ当番が原因で近所で揉め事が起こっている。 子供のケンカに親が出てきて揉め事になってしまった。 衝突 『衝突』とは、互いに突き当たる、ぶつかりあうこと。転じて、相反する立場や利害関係などが原因で互いにぶつかってしまい争いとなることを表しています。個人間や、比較的大きな組織間のぶつかり合いにも使われます。 湾岸沿いで隣国同士が衝突した。 意見交換の場で、AさんとBさんが衝突し、大問題となった。 『軋轢』の対義語 ※写真はイメージ 『軋轢』と逆の意味になる言葉はどのようなものでしょう。『軋轢』の対義語について見ていきます。 円満 円満とは、丸い形から物事がつりあって角ばっておらず、十分に足りて欠けているところがまったくない様子から、争いや衝突などの心配がなく穏やかなさまをいいます。 私は先月円満に退職した。 やむなく退会しましたが、円満に手続きできた。 円滑 円滑とは、物事が遅滞なく、滑らかに問題なく進むこと。丸い形で角が感じられず、滑らかに進展して動いていく様子を表しているようです。 緊張していたが、同好会の運営は円滑に進められた。 議事進行を円滑にできる秘訣を知りたい。 親交 親交とは、親密にお付き合いすること、親しく交流することです。 地元にいた時からCさんとは親交がある。 海外にいった時にお世話になった人と親交がある。 昵懇(じっこん) 昵懇とは親しく打ち解けて、仲よくお付き合いをすること。『昵』は一見、泥という字に似ていますが、距離が近づく、慣れ親しむ、なじむ、慣れるといった意味の漢字です。『墾』も、互いに打ち解ける、親しくするなどの意味があり、似たような意味の字を重ねた熟語で、意味を強調しているようです。 あの家の人とは昵懇の間柄だ。 親同士も友人で、昵懇にしている家だ。 『軋轢』の英語表現 ※写真はイメージ 『軋轢』の英語表現として、ほかにもいくつかありますが、『friction』、『conflict』、『discord』の3例の語をあげて紹介します。『軋轢』を英語で表現するとしたら、どのような文章になるでしょうか。 friction 『friction』は、軋轢のほかに摩擦、衝突という意味でも使われます。 Cause international friction between countries. (国と国との間で政治的な軋轢が生じる。) This caused friction within the family. (これが原因で家庭内の軋轢を起こした。) conflict 『conflict』は、ぶつかり合うことから、闘争、意見や利害が衝突するといった意味で使われます。 There was a conflict over opinions. (意見を巡って軋轢が生じ、対立することになった) The two were in conflict and got into a lot of trouble. (2人は軋轢が深まり、大変な問題を生じさせた) discord 『discord』とは、軋轢のほか、意見や目的の不一致、不和、争いなどを表す意味で使えます。 He is in discord with her. (彼はあの女性とは軋轢がある) Quarrel always lead to discord. (口論には常に軋轢が生じる) 『軋轢』を正しく理解して使いこなそう 『軋轢』は、あまりよい意味の熟語ではありません。できれば、自分に降りかからないように願うほかありませんね。対義語に近い状況になれたら幸せでしょう。人や組織の仲の悪さを指す『軋轢』ですが、正しい意味を理解して使いこなせるようになりましょう。 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
『軋轢』は両方の漢字に『車』という字が入っていることから、車、特に車輪に関係した熟語です。漢字は難しくても、なんとなく耳にしたことはあるかもしれません。
『軋轢』の意味や読み方、理解を深めるために例文や類語、対義語や英語表現に関する言葉を幅広く紹介していきます。
『軋轢』の意味、読み方
※写真はイメージ
『軋轢』の意味や読み方について見ていきましょう。なんとなく不穏な雰囲気の熟語ですね。どのような熟語であるか気になる人も多いのではないでしょうか。
『軋轢』の読み方
『軋轢』の読み方は『あつれき』。『軋』は音読みが『アツ』訓読みが『きしる』です。一方で『轢』の音読みは『レキ』、訓読みは『ひく』ですね。
『軋轢』の意味
『軋轢』の意味は、仲が悪くなること。人や組織が互いに対立しあい、いがみ合いを起こすことです。『軋轢』は車の車輪がきしんで、ギシギシと嫌な騒音を立てるところから来ています。
『軋』は車輪がこすり合って嫌な音を立てる様子です。『轢』もやはり車輪が音を出す様子を表します。同じ意味を重ねて強調するような熟語に思えますね。
『軋轢』を使った例文
※写真はイメージ
『軋轢』は個人の間だけでなく、組織間や国同士の関係でも使われます。例文をいくつか紹介しましょう。
『軋轢』は名詞で、一般的に後に続く言葉で関係が悪くなることを表します。「軋轢が生じる」「軋轢がある」「軋轢が深まる」「軋轢が避けられない」などのように使われることが多いです。
個人間の関係の悪化
少人数のグループ
組織間の争い
地域の紛争
『軋轢』の類語
※写真はイメージ
『軋轢』以外にもいい換えができる表現を理解すると、『軋轢』の意味が理解しやすくなるかもしれませんね。不穏な空気が漂う熟語がほとんどで、実際に巡り合いたくはありません。『軋轢』と似た意味の類語を紹介します。
仲違い(なかたがい)
仲違いとは、仲が悪くなることです。なかたがえともいいます。たがいと読む場合は、食い違っていること、合わないことを指すようです。
波風
波風とは、風が強く吹いて波が高く荒れる状態をたとえて、家庭内や世間で起こる揉め事を指すようになりました。多くは「波風が立つ」と表現します。
揉め事
揉め事とは、物事がうまく解決しない、ちょっとした諍い(いさかい)や混乱が起こっていることです。
衝突
『衝突』とは、互いに突き当たる、ぶつかりあうこと。転じて、相反する立場や利害関係などが原因で互いにぶつかってしまい争いとなることを表しています。個人間や、比較的大きな組織間のぶつかり合いにも使われます。
『軋轢』の対義語
※写真はイメージ
『軋轢』と逆の意味になる言葉はどのようなものでしょう。『軋轢』の対義語について見ていきます。
円満
円満とは、丸い形から物事がつりあって角ばっておらず、十分に足りて欠けているところがまったくない様子から、争いや衝突などの心配がなく穏やかなさまをいいます。
円滑
円滑とは、物事が遅滞なく、滑らかに問題なく進むこと。丸い形で角が感じられず、滑らかに進展して動いていく様子を表しているようです。
親交
親交とは、親密にお付き合いすること、親しく交流することです。
昵懇(じっこん)
昵懇とは親しく打ち解けて、仲よくお付き合いをすること。『昵』は一見、泥という字に似ていますが、距離が近づく、慣れ親しむ、なじむ、慣れるといった意味の漢字です。
『墾』も、互いに打ち解ける、親しくするなどの意味があり、似たような意味の字を重ねた熟語で、意味を強調しているようです。
『軋轢』の英語表現
※写真はイメージ
『軋轢』の英語表現として、ほかにもいくつかありますが、『friction』、『conflict』、『discord』の3例の語をあげて紹介します。『軋轢』を英語で表現するとしたら、どのような文章になるでしょうか。
friction
『friction』は、軋轢のほかに摩擦、衝突という意味でも使われます。
(国と国との間で政治的な軋轢が生じる。)
(これが原因で家庭内の軋轢を起こした。)
conflict
『conflict』は、ぶつかり合うことから、闘争、意見や利害が衝突するといった意味で使われます。
(意見を巡って軋轢が生じ、対立することになった)
(2人は軋轢が深まり、大変な問題を生じさせた)
discord
『discord』とは、軋轢のほか、意見や目的の不一致、不和、争いなどを表す意味で使えます。
(彼はあの女性とは軋轢がある)
(口論には常に軋轢が生じる)
『軋轢』を正しく理解して使いこなそう
『軋轢』は、あまりよい意味の熟語ではありません。できれば、自分に降りかからないように願うほかありませんね。対義語に近い状況になれたら幸せでしょう。
人や組織の仲の悪さを指す『軋轢』ですが、正しい意味を理解して使いこなせるようになりましょう。
[文・構成/grape編集部]