ガンでもらえる!? 知らなきゃ損する「障害年金」のすべて
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4つの受給要件
がん、うつ病、腎不全、肝硬変、自閉症、糖尿病、パニック障害、難聴など
こういった病気にかかったら、すぐに障害年金を受給できるというワケではありませんが、症状や日常生活への影響によっては障害年金を受給できるケースもあります。
では、具体的にどのようにすれば障害年金を受給できるのかについて説明していきます。まず、障害年金を受給するには、いくつかの要件を満たしている必要があります。これを受給要件と言います。
そこで始めに、障害年金を受給するための4つの要件から確認しましょう。
①初診日要件
この初診日は、以降に出てくる各要件にも関わる重要な要件です。
最初に病院で、障害年金請求の要因になったケガや病気を診察してもらった日
簡単に言えばこうなりますが、自己申告はNGです。病院で診断書を出してもらうなど、初診日をしっかりと証明する必要があります。
②制度加入要件
上記①の初診日の時点で、国民年金や厚生年金などの年金制度に加入していなければいけません。
また、これに当てはまらない場合であっても、20歳未満もしくは60歳以上65歳未満で、かつ住所が日本国内であれば、国民年金に加入しているとみなされます。
③保険料納付要件
a)初診日の前々月までの年金加入期間の2/3以上が、保険料納付済み、もしくは免除されているとき
b)初診日の前々月までの12か月間が、すべて保険料納付済み、もしくは免除されているとき
上記のどちらにか当てはまっていなければいけません。
④障害要件
障害等級は重い方から1級、2級、3級と定められています。これら障害等級に該当することによって障害年金が受給できます。
国民年金の場合は1級もしくは2級に該当する場合のみ障害年金を受給できます。一方、厚生年金の場合は1~3級のどれかに該当すれば障害年金を受けられるほか、3級に達しない場合でも障害手当金が支払われるケースがあります。
ちなみに、障害年金における障害等級の認定基準は、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳などにおける障害等級の認定基準とは異なります。表現が似ているため、勘違いしやすい部分ではありますが、あくまでも障害年金における障害等級が受給要件になることを覚えておきましょう。
請求書類は?
障害年金を請求するには診断書と病歴申立書などの書類が必要になります。
●診断書
医師が発行する証明書。障害年金を請求する要因となった障害についての診断書
がんなどの重病のほか、うつ病などの精神的な疾患であっても、障害年金を受給できる場合があるため、自分で判断せず、社労士などの専門家に確認してください。
また、一般的に審査では、診断書が最も重要だと言われています。最初の段階で細かく丁寧な診断書を用意することが大切なので、医師とコミュニケーションを密にとり、しっかりとした診断書を発行してもらいましょう。
●病歴・就労状況等申立書
基本的には申請者本人が作成。日本年金機構HPのフォーマットに記入する
日常生活の状況や就労状況など、現在の病状やそれによってどのような不都合があるかなどをフォーマットに沿って記入します。
書類の提出先
国民年金と厚生年金とでは、書類の提出先が異なります。
国民年金の場合は、住所地の市町村役場の窓口に請求書を提出します。一方、厚生年金の場合、提出先は年金事務所です。
これら請求書類で書類審査が行われますが、審査期間はおおむね3か月半と言われています。しかし、実際には半年から1年以上も待たされるようなケースもあるようですね。
また、申請が通らなかった場合でも、不服申し立てを行うことはできますが、さらに年単位で待たされるほか、最初に提出した診断書を修正することができません。つまり、診断書を上書きすることはできないのです。
基本的には「最初の申請で審査を通らなければ障害年金は受給できない」ぐらいの気持ちで、きちんと書類をそろえて申請を行ってください。
支給額は?
支給額については、国民年金と厚生年金で異なる上、認定される障害等級によっても変わってきます。
国民年金に加入している場合は年間約78万円で、障害等級や子供の有無などによって支給額は増減します。
一方、厚生年金保険料を納めている場合は、障害等級や給与、配偶者などによって支給額が変わります。また、障害等級が1級もしくは2級の場合は、国民年金加入時に支給される障害基礎年金に上乗せして、厚生年金における障害年金を受け取ることができます。
また、障害年金を受給した経験があっても、きちんと年金を納め続ければ65歳以降、老齢年金を受け取ることができます。基本的には老齢年金の減額などの措置もないので、安心して障害年金を申請しましょう。
複雑な仕組みが弊害に
こうして障害年金を受給するための一連の流れを見てみると、要件確認はもちろん、申請に必要な書類や時間のかかる審査など受給までには多くの苦労がありそうです。
不正受給を防ぐためには不可欠な手続きなのかもしれませんが、専門家も含め、より多くの人に障害年金を知ってもらうための活動と、スムースで迅速な請求・審査など制度自体の改革が必要なのかもしれませんね。
※この情報は2016年4月現在のものです。