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ビジネスにも使える『稚拙』の使い方とは?例文を交えて言い換えも解説

By - COLLY  公開:  更新:

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みなさんは、『稚拙』を適切に使えていますか。『稚拙』は、物事を扱う適性が不足していて成熟されていない状態を表す言葉です。日常会話とビジネスどちらの場面でも活用でき、利便性に優れた言葉といえます。

どのような状況で活用するのが正しいのか判断できずに、悩まれている人も多いかもしれません。本記事では例文を交えながら『稚拙』の使い方を解説していきます。正確な使い方をマスターし、語彙力を高めていきましょう。

『稚拙』とは

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『稚拙』の意味と例文について解説していきます。あわせて、『稚拙』を表す英語表現もご紹介しましょう。

『稚拙』の読み方と意味

『幼さが残り経験や能力が足りていない様子』を意味する言葉が『稚拙』で、読み方は『ちせつ』です。物事に対して技量が備わっていなかったり、足りていなかったりする状態を表しています。

軽視や下に見るなど、否定的な意味合いが強い『稚拙』ですが、ネガティブにとらえずに活用する事例も存在するでしょう。芸術の分野で、独創性や創造力を生み出すために『稚拙』さが必要となる場面です。

絵画や音楽、文学などは個性が尊重されるため、必ずしも『稚拙』がマイナス要因になるとは限りません。『稚拙』さを持ちあわせているからこそ創作物に好影響をおよぼし、結果として高評価につながる場合もあるのです。

ビジネスシーンで自分の行いをへりくだって表したい時にも『稚拙』は使えます。使い方次第で、場面を選ばず活用できる言葉が『稚拙』です。ただし否定的な意味で使う場合には、誤った認識をさせない使い方を心掛けましょう。

『稚拙』を表す英語表現

英語で『稚拙』を表す場合、『unskillful』や『childish』などの英単語で表現できます。『childish』は、事柄や人物に幼い部分があるのを表す英単語です。

『unskillful』は、出来栄えが悪く、器用に立ち回れない意味も含まれています。『稚拙』の意味合いで使うよりも、『下手』のニュアンスで『unskillful』は活用されているといえるでしょう。

英語で表す時は、直訳せずに前後の文脈にあわせて使う単語を変えるのが大切です。伝えたい相手に、誤った解釈をさせない表現方法を意識しましょう。

『稚拙』を使った例文

『稚拙』は批判や否定が含まれた表現となるため、単なる妬みや恨みと解釈されないよう工夫して活用していきましょう。使用方法は、以下の例文が挙げられます。

  • 同僚が作成したレジュメは、新入社員のような稚拙な文章で構成されている。
  • 息子が所属しているチームのダンスは稚拙で荒削りだが、独創的で観客を圧倒させる力がある。
  • 友人の話す英語は稚拙で、理解するまでに時間を要する。
  • 入社直後の後輩は、稚拙な仕事ぶりが目についたが、今では将来有望な社員となった。
  • 稚拙な説明だったが、理解してもらえた。

『稚拙』の類義語と例文

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『稚拙』は、どのような言葉に言い換えられるのでしょうか。続いては『稚拙』の類義語を3つ紹介します。

『拙劣』

『拙劣』は、『保持しているスキルや腕前がほかにはおよばないこと』を意味します。読み方は『せつれつ』で、一定の水準よりさらに低い評価を下す否定的な意味合いで使われるようです。

『稚拙』と同様の意味を持つ『拙劣』ですが、『稚拙』よりも手厳しく、辛辣さが強調されたニュアンスで用いるとされています。以下、『拙劣』の例文を見てみましょう。

  • 彼のプレゼンは拙劣な表現が散見され、企画の要点や意図が明確に伝わりきっていない。
  • 部下は入社3年目だが、いまだに拙劣な報告書を提出するため、上司から厳しい注意を受けた。
  • 絵画コンクールへの応募は数えきれないが、毎回のように描写が拙劣だと評されている。

『下手』

日常会話で頻繁に使われる『下手』は、『稚拙』の類義語として言い換えられます。『行いや振る舞いの要領が悪いこと』を意味し、読み方は『へた』です。遠回しではなく、相手にはっきりと伝わりやすいのが『下手』といえます。

相手の立場を考慮して客観的な発言が必要となる場では、『下手』を活用すると相手に不快感を与えてしまう可能性もあるでしょう。ビジネスシーンで用いるのは、避けるのが無難といえます。『下手』の活用例は、以下の通りです。

  • 友人は毎日料理をしているが、半年経っても腕前は上達せず下手なままだ。
  • 同僚は資料をまとめるのが下手で、毎回四苦八苦しながら作成している。
  • 父は母の誕生日にサプライズを計画していたが、下手な演技ですぐに露呈してしまった。

『粗雑』

『粗雑』の読み方は、『そざつ』です。『物事を投げやりに行うこと』や、『視野が狭く細部まで管理がされていないこと』を表しています。

意味合いには『責任感のなさ』と『質の低さ』も含まれ、『稚拙』の類義語といえるでしょう。以下、『粗雑』の例文をご紹介します。

  • 社内で指折りの人材を中心に結成されたチームの中で、彼だけが粗雑な社員だ。
  • 素晴らしいコンセプトを基に開発された見本だが、粗雑な部分が見られるため改善が必要だ。
  • 母は家電を粗雑に扱うため、劣化が激しく数年ごとに新しい製品に買い替えている。

『稚拙』の対義語と例文

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最後に『稚拙』と反対の意味を持つ対義語を、解説していきましょう。『稚拙』の対義語として挙げられるのは、以下の2つです。

『老巧』

『老巧』は、『永年培った知見や技術で、行動を手際よくそつなくこなすこと』を意味します。読み方は、『ろうこう』です。ただし『老巧』と呼ぶには、実際の経験が豊富である必要があります。

ただの知識ではなく、実体験から培われているのが『老巧』です。『老巧』の活用例を以下に挙げます。

  • 近所の動物病院には老巧な獣医師が在籍しており、診察を希望する飼い主が後を絶たない。
  • 老巧な大工である父は、孫の勉強机や椅子、本棚を短期間に軽々と作り上げた。
  • 彼が発表した論文が高く評価されているのは、老巧な技術者である教授の教えを乞い、研究を続けてきた成果だ。

『巧妙』

『一定の程度を超えた手際のよさ』を表す言葉が、『巧妙』です。読み方は『こうみょう』で、善意よりも悪意を含めて活用される頻度が高いでしょう。以下、『巧妙』の例文をご紹介します。

  • 常務の退職は急な出来事で、対立していた専務の巧妙な策略ではないかと噂されている。
  • 同期入社の彼は、同僚の実績を巧妙な手口で自分の功績としてすり替え、上司の信頼を得て昇進した。
  • 社内の機密情報を漏洩しているのではないかと疑われた上司は、巧妙な手段で部下に責任を押し付けた。

『稚拙』の使い方をマスターしよう

本記事では『稚拙』の意味や、例文を交えた使い方を解説しました。『稚拙』は、『至らない部分がありスキルの成長度合いが低い様子』を表す言葉で、自分を控えめに見せる場面でも活用されます。

批判的な意味合いを含むため、使い方次第では単なる陰口や悪態と解釈されかねません。状況にあわせて『稚拙』と類義語を使い分け、相手に誤解を与えない工夫が必要です。意味を正しく理解し、ぜひ使い方をマスターしてくださいね。


[文・構成/grape編集部]

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