チーズプロフィッショナル協会が解説 『とろけるチーズ』が溶けやすい理由

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チーズトーストの写真

※写真はイメージ

デジタル・コンテンツ・パブリッシング

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スーパーマーケットなどに並んでいるスライスチーズには、通常タイプと『とろけるタイプ』の2種類があります。

では、この2つは何が違い、『とろけるタイプ』のほうは、なぜ溶けやすくなっているのでしょうか。

チーズの魅力を伝える活動を行っている、NPO法人チーズプロフェッショナル協会に聞きました。

スライスチーズとは?

そもそも、スライスチーズはどのようにして作られているのでしょうか。同協会によると…。

スライスチーズはプロセスチーズという種類のチーズです。

プロセスチーズは、ナチュラルチーズを原料として、粉砕・攪拌(かくはん)・加熱溶融・乳化・充填(じゅうてん)・冷却の工程で製造されます。

つまり、原料となるチーズを熱で融かして、乳化剤の働きで均一に組織を整え、フィルムに充填して成形したものです。

乳化とは、水と油などの本来混ざり合わないものが、均一に混ざり合った状態を指します。

通常、ナチュラルチーズ(※)をただ加熱して融かすと、脂肪と水が分離し、たんぱく質はゴム状の塊となってしまいます。

そこでプロセスチーズの製造では、乳化剤の働きでチーズのたんぱく質を変化させて、分離しないようにしています。

※母牛(または山羊や羊)から搾ったミルクを、乳酸菌や酵素の働きによって固めたもの。

この乳化の工程があるからこそ、プロセスチーズは常温でも均一な質感を保ち、扱いやすい形状に仕上がります。乳化の調整次第で、同じプロセスチーズでも加熱後の性質が大きく変わるわけです。

ちなみに、スライスチーズには、ナチュラルチーズを薄くスライスした製品もあります。

チーズの『とろけるタイプ』は何が違うのか

では、スライスチーズの通常タイプと『とろけるタイプ』は、どのような違いがあるのでしょうか。

同協会に聞いたところ、このような回答がありました。

普通のスライスチーズも加熱すれば柔らかくなり、融けた状態になりますが、とろけるタイプは、融けた際に糸を引くように伸びるのが特徴。

これは原料となるチーズが持つ性質をなるべく残すように調整して乳化させているからです。

例えば、原料はナチュラルチーズの一種であるモッツァレラなど、伸びる性質を持つものを主としており、乳化剤も適したものを選択しています。

プロセスチーズの乳化剤には、さまざまな種類のリン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウムが使用されています。メーカー各社はこれらを混合し、工夫をこらして製品開発を行っているのです。

「伸びるかどうか」は原料チーズと乳化剤の組み合わせで決まる

モッツァレラチーズがよく知られているように、チーズの「伸び」は原料となるナチュラルチーズの種類に大きく左右されます。とろけるタイプのスライスチーズは、こうした伸びやすい性質を持つチーズを主原料に選んでいるわけです。

一方、通常タイプのスライスチーズは、加熱すると確かに融けますが、伸びる性質よりも均一に溶けて広がる方向に調整されています。そのため、ハンバーガーのバンズに挟んだりサンドイッチに使ったりする場面では通常タイプが扱いやすく、ピザトーストやグラタンなど「チーズが伸びる見た目を楽しみたい」料理にはとろけるタイプが向いているといえます。

スライスチーズの写真

※写真はイメージ

加熱しすぎると伸びが失われることも

とろけるタイプを使う際に注意したいのが、加熱のしすぎです。高温で長時間加熱すると、伸びる性質が失われ、油分が分離してべたついた仕上がりになることがあります。チーズが溶けて表面に泡が立ち始めたら、加熱をやめるタイミングの目安になります。

スライスチーズの通常タイプと『とろけるタイプ』は、チーズのとろける性質を残す形で加工しているかどうかが大きな違いとのこと。

通常のスライスチーズでも加熱すると融けますが、チーズが糸を引くように融ける感覚を楽しみたい人は、『とろけるタイプ』をチョイスするといいですね。


[文/大西トタン@dcp・構成/grape編集部]

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取材協力
NPO法人チーズプロフェッショナル協会

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