被災した野球少年にプレーする場を! ある男性が作り上げた「もう1つの甲子園」とは?
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夏の甲子園で初優勝した沖縄尚学 比嘉監督の言葉に「名将ですな」「一層有名になっていく」夏の『阪神甲子園球場』で行われた、『第107回全国高等学校野球選手権大会(通称:甲子園)』。2025年8月23日に行われた決勝戦では、沖縄県の沖縄尚学高等学校と東京都の日本大学第三高等学校が対戦しました。激闘の末に栄光を勝ち取ったのは、沖縄尚学。3対1で日大三高に勝利し、念願の初優勝を果たしました。

【2025甲子園決勝】 沖縄尚学が優勝! 夏制覇に「初優勝、おめでとう!」「感動をありがとう」107回目となる甲子園で、沖縄尚学が日大三との激闘を制し、優勝をつかみました。
- 出典
- 絆甲子園/絆甲子園/セレ コーポレーション
毎年、大会終了後には絆甲子園に出場した選手や父兄から事務局に感謝の手紙が届くそうです。
「プレーできる環境を整えてくれてありがとうございます!」
「野球を通じて友人ができました。甲子園で再会したい」
「被災地の現状が知れた。とても為になった」(関東のチームの選手)
選手の素直な気持ちが表現された手紙に「感動させられっぱなし」と語る佐野さん。
中でも絆甲子園に関わる多くの人たちの心に残ったのは、第3回大会終了後に送られてきた、ある選手のお母さんからの手紙でした。
チームに帯同したトレーナーとの絆
第2・3回の絆甲子園では、選手の体調管理やケガのケアを行うために、トレーナーを志す学生さんが帯同しました。
チームにとっては「大切な選手がケガをした場合素早く対応できる」というメリットがあり、トレーナーにとっては「現場での経験が積める」という理由から事務局が専門学校に協力をお願いしたためです。
お母さんから届いた手紙には、そんなトレーナーと息子さん(選手)の交流について綴られていました。
トレーナーという仕事に触れ、刺激を受けて自分の将来について考え始めた息子さん。それがよほど嬉しかったのか、お母さんは絆甲子園の事務局に感謝の手紙を送ってくれたのです。
「この手紙は事務局全員で共有しました。比喩ではなく、涙が出るほど嬉しかった」
佐野さんを始め、絆甲子園に関わる人たちは基本的に皆さん、ボランティアだそうです。
こういった選手や保護者からの言葉が大きな励みになっているそうです。
「使い古された言葉ですが、こういった手紙が僕らのモチベーション。むしろパワーをもらっているのは僕らの方かもしれません」
2011年から始まった絆甲子園は2016年8月6・7日に第6回大会が行われます。佐野さんは「絆甲子園に出場した選手のお子さんが、将来、絆甲子園に戻って来られるように継続していきたい」と語ります。
ひたむきに白球を追いかける中学生と、その環境を作るために尽力した大人たちのもう1つの甲子園。そんなステキな絆を作った甲子園をぜひ応援したいですね!
絆甲子園